不動産投資ローンの金利相場は?金融機関ごとの特徴や変動金利・固定金利の違いを解説

不動産投資のキャッシュフローを考える上で、「金利」は最も重要な要素と言っても過言ではありません。

不動産投資ローンの金利設定は、各金融機関で大きく違ってきます。

そのため、「どの金融機関から融資を受けるか?」という点も投資の成否を分けるポイントです。

そこで今回は、不動産投資ローンの金利の仕組みと金融機関ごとの金利相場をまとめました。

投資用マンションの金利に関する知識を深めて、不動産投資の成果を高めたい方は、ぜひご一読ください。

 

不動産投資ローンの基本

はじめに、不動産投資ローンの基本をおさらいしておきましょう。

 

不動産投資ローンとは?

「不動産投資ローン(アパートローン)」とは、不動産投資の融資に特化したローンです。

自宅の購入や増改築のためにある「住宅ローン」を利用して、投資用マンションを購入することはできません。

マンション投資したい場合は、不動産投資ローンを選択しましょう。

 

不動産投資ローンの主な特徴は以下の通りです。

  • 借入可能額が大きい
  • 金利が高め
  • 団体信用保険に加入できる

不動産投資ローンの借入可能額は、年収の10倍〜20倍程度と言われています。

(※住宅ローンの借入可能額は年収の5倍〜7倍程度)

この特性を有効活用すれば、少ない自己資金でも最大限の投資効果が得られるでしょう。

 

不動産投資ローン全般の金利相場は「年1.0%〜4.5%(※以下全て年率)」です。

一方、住宅ローンの金利相場は「0.5%〜2.0%」となっています。

不動産投資ローンの金利は比較的高めの設定なので、事前にキャッシュフローをシミュレーションして、無理のない利用計画を立てておきましょう。

団体信用保険とは、借主に万一のことがあった場合でも、ローンの残債を全額返済してくれる制度です。

不動産投資ローンは金利が高めなものの、上記のように様々なメリットがあります。

特徴を踏まえて賢く利用しましょう。

 

不動産投資ローンの注意点

不動産投資ローン(アパートローン)は、それぞれの金融機関で金利の設定が大きく異なります。

不動産投資に積極的な金融機関とそうでない所があるからです。

不動産投資ローンの金利の詳細は、公式サイトに明記されていないケースも多くなっています。

投資用マンションの融資では「優遇条件に当てはまるか?」、「物件の収益性が高いか?」といった点を考慮して、借主一人ひとりに違う金利が適用されます。

そのため、不動産投資ローンの金利は「一律◯%」と公表していない金融機関もあるのです。

不動産投資ローンを組む際には、金利相場を把握して、投資用マンションの取引実績が豊富な不動産会社のアドバイスも参考にしながら、慎重に組むべきローンを検討しましょう。

 

不動産投資ローンの金利相場

続いては、金融機関(カテゴリー)ごとの金利相場をご紹介します。

主な金融機関の金利相場は、以下の表の通りです。

「金融機関ごとの金利相場」

カテゴリー

金利相場

特徴

都市銀行

1.0%〜2.0%

低金利、審査が厳しい

地方銀行

1.5%〜4.5%

比較的低金利、各行の差が大きい

信用金庫・信用組合

2.5%前後

比較的低金利、エリアが限定される

日本政策金融公庫

1.2%〜2.0%

低金利(固定のみ)、借入期間が短い

ノンバンク

2.9%〜4.5%

高金利、審査が緩め

 

各カテゴリーごとに金利の特徴を見ていきましょう。

 

都市銀行

都市銀行(メガバンク)とは、「三菱UFJ」「三井住友」「みずほ」の3行を指します。(※「りそな」を含める場合もあります。)

都市銀行の不動産投資ローンの金利は、3行横並びで「1.0%〜2.0%」が相場です。

その他の金融機関と比べて低めの金利設定となっています。

WEB申し込みの場合は、さらに低金利(0.5%前後)で投資用マンションのローンが組めるケースもあります。

都市銀行は支店が多いため、全国各地の投資用マンションやアパートに利用できるのが特徴です。

ただし、審査基準が厳しいので、ある程度以上の安定収入や自己資金、保有資産がないと融資が受けられないでしょう。

とは言え、一律の線引きがあるわけではないので、実際に申し込んでみないと融資が受けられるかどうかは分かりません。

審査に通るのであれば、都市銀行の不動産投資ローンを活用するのがベストです。

 

地方銀行

地方銀行の不動産投資ローンの金利は「1.5%〜4.5%」程度と幅があります。

地方銀行の場合は、融資に対する姿勢が各行で大きく異なるのが特徴です。

不動産投資に積極的な地方銀行を選べば、比較的低金利でローンが組めるでしょう。

不動産投資に前向きな銀行のほうが、借入期間の融通も効くので便利です。

例えば、不動産投資ローンの利用者が多いスルガ銀行の金利相場は3.5%前後と高めですが、借入期間を長く設定できるため、キャッシュフローを良好に保てるメリットがあります。

不動産投資に積極的な地方銀行の一例は以下の通りです。

 

「地方銀行の金利相場」

金融機関名

金利の目安

スルガ銀行

1.5%〜4.5%

静岡銀行

3.6%〜

横浜銀行

1.7%〜3.0%

香川銀行

2.5%〜2.8%

 

信用金庫・信用組合

信用金庫や信用組合の不動産投資ローンの金利相場は2%台です。

地方銀行と同水準の低金利ですが、融資可能なエリアが限定されます。

信用金庫・信用組合の場合も、融資姿勢に差があるので、不動産投資に力を入れている金融機関を選びましょう。

営業エリア内に投資したい物件がある場合は、検討してみると良いはずです。

不動産投資に積極的な信用金庫・信用組合の一例は以下の通りです。

「信用金庫・信用組合の金利相場」 

金融機関名

金利の目安

西武信用金庫

2.0%〜

埼玉縣信用金庫

2.5%前後

 

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫(財務省管轄)の不動産投資ローンは、固定金利プランのみで「1.2%〜2.0%」と低金利なのが特徴です。

借入期間は原則10年〜15年と短めですが、独自の優遇制度があるため、民間の金融機関では通らない融資が通ることもあります。

ただし、日本政策金融公庫の場合は、融資の交渉を不動産会社に代行してもらうことができません。

借主自身が直接交渉する必要がある点に注意しましょう。

 

ノンバンク系金融機関

ノンバンクとは、融資を専門的に扱う金融機関のことです。

信託銀行や信販会社、一部のネット銀行などがノンバンクに含まれます。

ノンバンク系金融機関の不動産投資ローンは、金利相場が「2.9%〜4.5%」程度と高めなのが特徴です。

その分、審査が柔軟だったり、長期借入ができたりするメリットがあります。

都市銀行や地方銀行で審査に通らない物件でも、ノンバンクなら融資が受けられる可能性があります。

ノンバンクは金利が高めの設定なので、キャッシュフローを入念にシミュレーションして、しっかり収支計画を立ててから利用しましょう。

不動産投資に積極的なノンバンクの一例は以下の通りです。

 

「ノンバンクの金利相場」

金融機関名

金利の目安

三井住友トラストローン&ファイナンス

3.9%〜4.5%

オリックス銀行

2.3%〜3.7%

ソニー銀行

1.6%〜

 

尚、上記の表内でご紹介した金利の数値はあくまでも目安です。

選択する金利プラン、借主の経済状況や物件価値によって実際に適用される金利は変わってきます。

不動産投資ローンを検討する際には、金融機関の公式サイトまたは店頭(窓口、パンフレット)で、金利や利用条件の詳細を確認しておきましょう。

 

金利を左右する条件

不動産投資ローンの適用金利は、借主一人ひとりで違ってきます。

つまり、「金融機関との交渉次第では金利を下げることが可能」です。

それでは、金利を左右する条件にはどのようなものがあるのでしょうか?

次は、この点を見ていきましょう。

 

金利を左右する要素は、大きく分けて以下の3つです。

  • 借主の属性
  • 物件の収益性
  • 仲介する不動産会社

それぞれの要素について、ポイントをチェックしていきましょう。

 

借主の属性

その他のローンでも借主の属性は必ず審査されますが、不動産投資ローンの審査基準はより厳しくなっています。

不動産投資ローンは、個人の消費用ではなく、ビジネスが目的で受ける融資だからです。

そのため、借主の経済状況や信用がより重視されます。

逆に言うと、属性が高く評価されれば低金利のローンが組みやすくなるでしょう。

属性の審査項目には、以下のようなものがあります。

 

  • 職種
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 年収
  • 自己資金
  • 保有資産
  • 借入状況
  • 信用履歴
  • 家族構成

都市銀行や地方銀行の場合、不動産投資ローンの審査では、医師や士業系、上場企業勤務、公務員……など、安定した収入が見込める職種が有利です。

現時点で高い年収を得ている場合でも、収入が安定しない職種は不利になる可能性があります。

自己資金を頭金として投入するかどうかは別として、預貯金があったほうが高く評価されます。

審査基準が厳しい低金利のローンの場合は、保有資産の有無が問われるケースも少なくありません。

自動車ローンやカードローンなどを利用している場合はそれらの借入残高、さらに過去の返済実績や滞納歴もチェックされます。

家族構成や共働きか否かといった点も審査項目に含まれます。

 

  • 収入が証明できる書類を予め準備しておく
  • 自己資金(預貯金)を蓄えておく
  • ローンの借入残高を可能な限り減らしておく
  • 税金や公共料金の滞納がないように気をつける

上記のような工夫や心がけにより、属性をできるだけアップしておくと、投資用マンションのローンが低金利で組める可能性が高まるはずです。

 

物件の収益性

不動産投資ローンの場合は、借主の属性だけでなく、投資する物件そのものの価値も金利を左右します。

一般的には、マンションのほうがアパートよりも良い条件で融資が受けやすいと言われています。

マンションのほうが入居率が安定しやすい、耐用年数が長い、売却しやすいといった理由から高く評価される傾向にあるのです。

より低金利で融資を受けるためには、投資用マンションやアパートの収益性を見極めることも重要になってきます。

ただし、物件を選ぶ際に「収益性=利回り」だけを基準にするのは危険です。

物件ごとの「金利と利回りの差(イールドギャップ)」を比較検討して、投資すべき物件を選択しましょう。

 

仲介する不動産会社

「どの各金融機関のローンを利用するか?」という以前に「どの不動産会社に仲介を依頼するか?」という点も大事なポイントなります。

投資用マンションの取扱実績が豊富な不動産会社なら、金融機関との金利交渉を有利に進めることができるからです。

つまり、不動産会社の営業力も金利を左右するポイントの一つと言えます。

投資用マンションのローンを組む際には、投資したいタイプの物件の取扱実績が豊富で、提携先の金融機関が多い不動産会社を選ぶことが大切です。

 

変動金利とは?

不動産投資ローンには、以下の通り、金利の仕組みが2種類あります。

 

  • 変動金利
  • 固定金利

 

まずは、変動金利の特徴から見ていきましょう。

 

「変動金利」とは、経済状況の変化を受けて金利が変化する仕組みです。

基本的には年2回のペースで金利を見直す機会が設けられていますが、一気に大幅に金利が変更されることはありません。

ちなみに、不動産投資ローンの場合は、変動金利タイプが主流です。

住宅ローンなどに多い固定金利に馴染みがある場合は、変動金利のリスクを心配する方もいるはずです。

続いては、「変動金利」のメリット・デメリットを詳しくチェックしていきましょう。

 

変動金利のメリット

「変動金利」の最大のメリットは、固定金利よりも金利が低く設定されている点です。

将来的に金利が急上昇するような事態にならない限り、利息の総額を最小限に抑えることができるでしょう。

 

変動金利のデメリット

「変動金利」のデメリットは、金利が変化するリスクがある点です。

ここ20年ほどは低金利の時代が続いていますが、この先、金利が上昇傾向に転じる可能性がないとは言い切れません。

ただし、変動金利には原則的に「5年・1.25倍ルール」というものがあります。

金利の見直しが行われたとしても、変更後の金利が適用されるのは「5年後」、さらに最大でも「1.25倍」までの上昇幅に抑えるというルールです。

つまり、変動金利を選択した場合でも、金利の変動がすぐに大きく返済額に影響する心配はありません。

特に比較的短期間で売却を予定している場合は、変動金利のほうが安上がりで済む可能性が高いでしょう。

実際に、投資用マンションの融資を受ける方の大半は変動金利タイプのローンを利用しています。

 

固定金利とは?

「固定金利」とは、一定期間金利が固定される仕組みです。

固定金利には、以下の2種類があります。

 

  • 全期間固定金利
  • 期間選択型固定金利

「全期間固定金利」の場合は、ローンの完済まで金利が固定されます。

一方、「期間選択型固定金利」の場合は、最初の2年、3年、5年、10年……といった期間は金利が固定され、それ以降は変動金利に移行(または再度固定金利を選択)します。

期間選択型固定金利のシステムは、金融機関ごとにプランや金利設定が異なるので、事前に詳細を確認しておきましょう。

 

固定金利のメリット

「固定金利」のメリットは、金利変動のリスクを避けられる点にあります。

インフレによって急激な金利上昇が起こったとしても、金利が固定されているので安心です。

月々の支払い額やローンの総額が確定するため、収支計画が立てやすいのも利点と言えます。

 

固定金利のデメリット

「固定金利」のデメリットは、金利が将来的に大幅に下がったとしても、高い金利のまま返済し続けなければならない点です。

と言っても、低金利時代の現在は、上記のようなデメリットを考慮する必要はないでしょう。

固定金利の最大のデメリットは、そもそもの金利設定が高めな点です。

現時点では、近い将来において金利が大幅に上昇する事態は考えにくいので、金利設定が低めな変動金利のほうがおすすめです。

ただ、20年、30年先まで物件を保有する場合は、その間に金利上昇が起こらないとは限りません。

金利の変動リスクが心配な方は、売却のタイミングなども見据えながら、期間選択型の固定金利を検討すると良いでしょう。

 

まとめ

不動産投資ローンならではの特徴は、借主一人ひとりに違う金利が適用される点です。

ローンの審査では、借主の属性だけでなく、物件自体の収益性も考慮されます。

不動産投資に積極的な金融機関とそうでない所があるため、融資姿勢や金利設定に差がある点にも注意しましょう。

不動産投資の成果を高めるためには、金融機関との金利交渉を有利に進めて、できるだけ良い条件でローンを組むことが必須です。

そのためには、投資用マンションの取扱実績が豊富で金融機関からの信頼も厚い不動産会社のサポートが非常に力になります。

不動産投資ローンの融資のご相談も、ぜひアデプトマネジメントにお任せください。