マンション投資する際には、ローンを組むのが一般的です。しかし、マンション投資で利用するローン(不動産投資ローン)の詳細は、金融機関の公式サイトで公表されていないケースも多々あります。十分な情報が入手できず、どこでローンを組むべきか迷っている方もいるでしょう。
そこで今回は、不動産投資ローンの金利相場や申し込み方法について、分かりやすくまとめました。近々マンション投資を計画している方、不動産投資ローンに関する知識を深めて投資の成果を高めたい方は、ぜひ参考にしてください。
マンション投資とは
マンション投資とは、「運用益」や「売却益」を目的として、区分マンション(または1棟)に資金を投入することです。同様にアパートや戸建ての物件に投資する場合もあります。
マンション投資の方法は主に、運用益(家賃収入)が目的の「インカムゲイン型」、売却益(購入額-売却額)が目的の「キャピタルゲイン型」の2種類です。
まずは、ご自身の目的に合わせて、最適なマンション投資の方法を検討してみましょう。
マンション投資で利用すべきローン
マンション投資の資金繰りには、次の3つのタイプがあります。
- 自己資金を頭金にして融資を受ける
- フルローンを組む
- 自己資金だけで投資する
自己資金の範囲内で投資する場合もありますが、マンション投資においては、金融機関から一部または全額の融資を受けるのが一般的です。ただし、融資金額の3分の1程度の自己資金を用意しないと融資が受けられないケースも多くなっています。
ある程度自己資金を蓄えておくと、有利な条件でローンが組めるでしょう。
マンション投資で利用すべきローンは?
マンション投資する場合に利用すべきローンは、不動産投資ローン(別名アパートローン)です。自宅の購入やリフォームの際に組む住宅ローン(マイホームローン)は、マンション投資には利用できません。
一部の例外を除いて、マンション投資に住宅ローンを利用することは重大な規約違反に当たるので、くれぐれも注意しましょう。
不動産投資ローンの特徴
マンション投資で利用する不動産投資ローンの主な特徴は、以下の通りです。
- 借入限度額が大きい
- 生命保険代わりになる
- 金利が高めで幅がある
住宅ローンの借入限度額は年収の「約5倍〜7倍」ですが、不動産投資ローンの限度額は「約10倍〜20倍」と、大きな投資ができるのが特徴です。そのため、マンション投資はレバレッジ効果が高い投資といわれています。
不動産投資ローンを活用すれば、最小限の自己資金で効果的なマンション投資ができるでしょう。
不動産投資ローンを組む場合、借主に万一のことがあっても残りの返済を肩代わりしてくれる、団体信用保険という制度に加入するのが一般的です。そのため、不動産投資ローンは生命保険代わりになるなどのメリットもあります。
不動産投資ローンの金利は、住宅ローンと比べると高めなのが特徴です。さらに、金利設定が金融機関ごとに大きく異なります。
マンション投資で成功するためには、より良い条件で融資を受けることが必須です。そのためには、不動産投資ローンの金利プランや相場をしっかり把握しておきましょう。
不動産投資ローンの金利
不動産投資ローンの金利プランには、次の3つのタイプがあります。
- 変動金利
- 固定金利
- 期間選択型固定金利
それぞれの金利プランの特徴は以下の通りです。
変動金利
「変動金利」タイプのローンは、金利が低めに設定されているのが特徴です。市場の動向に応じて金利が変更されるリスクが伴いますが、金利変更には一定のルールが設けられているので、返済額がすぐに大幅に増額される心配はありません。マンション投資の場合は、変動金利タイプのローンが主流です。
固定金利
「固定金利」タイプのローンは、金利の設定が高めなのが特徴です。その分、金利変動のリスクを回避できる点がメリットといえます。長期返済の場合は、将来的に金利が上昇する可能性もあるので、心配な方は固定金利タイプのローンを検討してみましょう。
期間選択型固定金利
「期間選択型固定金利」タイプのローンは、初めの3年、5年、10年といった期間だけ金利を固定して、その後は変動金利に変更(または再度固定を選択)するのが特徴です。「固定金利は金利が高いし、変動金利は低金利だけど金利上昇が心配……」といった悩みを抱えている方は、期間選択型固定金利タイプのローンを選ぶと良いでしょう。
不動産投資ローンの金利相場
不動産投資ローンの場合は、住宅ローンや自動車ローンとは違って、金利プランがはっきりと公表されていないケースが珍しくありません。金融機関の公式サイトを見ても「不動産投資ローン(アパートローン)の金利の詳細については、店頭にてご確認ください」といった案内も多々あります。
不動産投資ローンの金利プランは、各金融機関、借主一人ひとりの資産状況や物件の収益性によって、大きく異なります。そのため、金融機関の公式サイトでも金利の数値を明記していないことがあるのです。
金融機関ごとの金利相場
上記の通り、不動産投資ローンの金利は公開されていないケースも多いので、金利の大まかな目安をご紹介します。不動産投資ローンの金利相場をまとめた表は以下の通りです。
金融機関ごとの金利相場
カテゴリー | 金利相場(※年率) | 特徴 |
---|---|---|
都市銀行 | 1.0%〜2.0% | 低金利、審査が非常に厳しい |
地方銀行 | 1.5%〜4.5% | 比較的低金利、融資姿勢に差がある |
信用金庫・信用組合 | 2.5%前後 | 比較的低金利、エリアが限定される |
日本政策金融公庫 | 1.2%〜2.0% | 低金利、固定金利のみ、借入期間が短い |
ノンバンク | 2.9%〜6.0% | 高金利、審査が緩め、長期借入も可能 |
以下、それぞれの金融機関の特徴をチェックしていきましょう。
都市銀行
「都市銀行(三菱UFJ、三井住友、みずほ)」の不動産投資ローンの金利は「1.0%前後」が相場となっています。非常に低金利ですが、その分審査基準は厳しいです。都市銀行のローン審査では、職種や収入、保有資産といった借主の属性が重視されます。
安定した高収入がある方は、全国各地のマンション投資に対応できる都市銀行のローンを検討してみましょう。
地方銀行
「地方銀行」の不動産投資ローンの金利は「1.5%〜4.5%」が相場です。地方銀行の場合、マンション投資に対する融資に積極的なところとそうでないところがあります。そのため、各行の金利に幅があるのが特徴です。
金利や借入期間、融資金額といった融資条件は、マンション投資の成否を大きく左右します。少しでも良い条件でローンが組める金融機関を選びましょう。
信用金庫・信用組合
「信用金庫・信用組合」の不動産投資ローンの金利は「2%台半ば」が相場です。比較的低金利で利用できますが、融資可能なエリアが限定されます。営業エリア内に投資したい物件がある場合は、検討してみると良いでしょう。
日本政策金融公庫
「日本政策金融公庫」の不動産投資ローンの金利は「1.2%程度」が相場です。非常に低金利ですが、固定金利・短期融資(原則10年〜15年)のみという利用条件になります。
民間の金融機関で審査に通らない場合でも、融資が受けられるケースがあるのが特徴です。
日本政策金融公庫の融資交渉は、本人が直接行う必要がある(不動産会社に代行してもらえない)点に注意しましょう。
ノンバンク
「ノンバンク(信託銀行、信販会社、一部のネット銀行……e.t.c)」の不動産投資ローンの金利は「3.0%前後〜」と高めの相場となっています。その分、審査基準が緩く、借入期間の融通もきくのが特徴です。ただし、金利がかなり高めなので、収支計画をきちんと立てた上で利用しましょう。
マンション投資に積極的な金融機関の一例や個別の金利相場については、以下の記事内でご紹介しています。不動産投資ローンの金利の詳細が知りたい方は、ぜひご覧ください。
不動産投資ローンの金利相場について詳しく知りたい方は「不動産投資ローンの金利相場は?金融機関ごとの特徴を解説」の記事で解説してるのでぜひご覧下さい。
ローンを申し込むときの流れ
続いては、不動産投資ローンを申し込むときの流れや必要書類を確認していきましょう。
不動産投資ローンは「ビジネス(収益)」を目的としているので、「個人消費」のために利用する住宅ローンや自動車ローンよりも審査基準が厳しいのが特徴です。
ローンの審査では、借主の属性だけでなく、投資物件の収益性や資産価値も考慮されます。一般的なローンよりも、融資の実行までに時間がかかるという点も頭に入れておきましょう。
ローンを申し込むときの流れ
不動産投資ローンを申し込むときの流れは以下の通りです。
- 投資物件を選ぶ
- ローンの仮審査に申し込む
- 物件の売買契約を済ませる
- ローンの本審査に申し込む
- ローン契約を締結する
- 融資実行
ここでは、それぞれの段階におけるポイントをチェックしていきましょう。
投資物件を選ぶ
マンション投資でローンを利用する場合、「仮審査」と「本審査」、2つの審査を受ける必要があります。仮審査を受ける際には、投資予定の物件に関する資料を提出しなければなりません。
ローンに申し込む前に、まずご自身の目的に合った投資物件を選定し、その物件の資料を入手しておきましょう。
ローンの仮審査に申し込む
不動産投資ローンの融資条件は金融機関ごとに大きく異なります。ご自身に最適な金融機関を慎重に選択して、「仮審査」に申し込みましょう。
金融機関によっては、仮審査がWEBで完結できるケースもありますが、原則的には店頭で面談を受けることになります。仮審査の際に必要な書類は、以下の通りです。
- 本人確認書類
- 収入証明書
- 履歴書
- 自己資金・保有資産に関する資料
- すでに借入がある場合はその返済計画書
- 投資予定物件に関する資料
連帯保証人が必要な場合は、その方の身分証明書や収入証明書も提出します。金融機関の融資担当者にアポイントメントを取ってから、上記のような必要書類を持参して面談を受けましょう。
物件の売買契約を済ませる
仮審査をクリアして、融資が受けられる見込みがついたら、「物件の売買契約」を締結します。売買契約の契約書には、万一ローンの本審査に通らなかった場合に、契約を白紙撤回できる条項(ローン特約)を必ず盛り込んでおきましょう。
売買契約に関して不明な点については、マンション投資の実績と経験が豊富な不動産会社のアドバイスを参考にすると良いでしょう。
ローンの本審査に申し込む
売買契約を済ませたら、仮審査に通った金融機関の「本審査」に申し込みましょう。本審査は、結果が出るまでに1カ月ほどかかるケースもあります。売買契約を白紙撤回できるローン特約には期限があるので、期限内に融資が受けられるように気をつけてください。
本審査の際に必要な書類は、以下の通りです。
- 投資物件の売買契約書・重要事項説明書
- 手付金の領収書
- ローンの返済計画書
- 納税証明書
必要書類は、融資を受ける金融機関によって若干異なります。取得に時間がかかる書類もあるので、早めの準備を心がけましょう。
ローン契約を締結する
本審査をクリアして、正式に融資が決まったら、ローンの契約(金銭消費貸借契約)を結びます。ローンの契約書には、実際に適用される金利や繰り上げ返済時の手数料など、融資の条件が詳しく記載されています。しっかり目を通し、不明な点については契約時に必ず確認しておきましょう。
融資実行
ローン契約を締結し、投資物件の移転登記や金融機関による抵当権の設定、団体信用保険の加入手続きなどが済むと、融資が実行されます。融資実行の指定日に、融資金額が口座に振り込まれたら融資は完了です。
マンション投資ローンのご相談はアデプトマネジメントへ!
マンション投資で利用する不動産投資ローンは、実際に申し込んでみないと、その方に適用される「金利」「借入期間」「融資金額」といった融資条件が分からないのが特徴です。さらに、投資したい物件のタイプや投資の目的によっても最適なローンは違ってきます。
- そもそも「運用益」と「売却益」どちらを目的とするのか
- 都市部の新築・築浅物件、あるいは地方の中古物件など、どういったタイプの物件に投資したいのか
- 短期間で成果を上げたいのか?それとも長期保有して老後の貴重な収入源にしたいのか
まずは、上記のような観点から、ご自身に最適なマンション投資のあり方を検討しましょう。
それが決まったら、その目的に合った物件と金融機関を選択し、ローンの仮審査に申し込みます。複数の仮審査に申し込み、最も良い条件でローンが組める金融機関の本審査に申し込むのも良いです。本審査に通れば、後は融資の実行を待つだけです。
とはいえ、初めてマンション投資する方は、ご自身に最適な物件やローンを選ぶ際に何かと迷うこともあるでしょう。
そんなときには、マンション投資の実績と経験が豊富で、金融機関との結びつきも強い不動産会社のアドバイスや交渉力が非常に有効になります。物件選びからローンの選択、売買契約の仲介や融資交渉のサポートまで、マンション投資のご相談は、ぜひアデプトマネジメントにお任せください。