不動産投資に興味があるけれど、現物不動産投資はハードルが高いと感じていませんか? この記事では、REIT(不動産投資信託)について、その基本的な定義から仕組み、そして具体的な始め方まで、初心者にも分かりやすく徹底解説します。少額からプロに運用を任せられるREITは、分散投資にも適した魅力的な投資手法です。
J-REITと海外REITの違いも理解し、あなたに合った不動産投資の一歩を踏み出しましょう。
不動産投資におけるREITとは何か
不動産投資に興味があるけれど、「REIT(リート)」という言葉を聞いて、具体的に何なのか疑問に思っている方もいるかもしれません。
この章では、REITの基本的な定義から、日本国内のJ-REITと海外REITの違いまで、不動産投資におけるREITの全体像を分かりやすく解説します。
不動産投資信託REITの基本的な定義
REITとは、「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取った略称で、日本語では「不動産投資信託」と訳されます。
これは、多くの投資家から集めた資金で、オフィスビル、商業施設、賃貸マンション、ホテル、物流施設といった多様な不動産を購入・運用し、そこから得られる賃料収入や不動産の売却益などを投資家に分配する金融商品です。
安定した分配金収入を期待できることから、長期的な資産形成を目指す投資家からも注目されています。
J-REITと海外REITの違いを理解する
REITには、投資対象とする不動産の所在地によって、「J-REIT(ジェイ・リート)」と「海外REIT」の二つに大きく分けられます。
それぞれの特徴を理解することは、自身の投資戦略を立てる上で非常に重要です。
J-REITとは
J-REITとは、日本国内の不動産に投資するREITのことです。正式名称は「Japan Real Estate Investment Trust」で、東京証券取引所などの国内の証券取引所に上場されています。
海外REITとは
一方、海外REITは、日本国外の不動産に投資するREITを指します。例えば、米国REIT、欧州REIT、アジアREITなど、様々な地域のREITが存在します。
これらは、投資対象国の証券取引所に上場されているものを日本の証券会社を通じて購入したり、海外REITを投資対象とする投資信託を通じて間接的に投資したりする方法があります。
J-REITと海外REITの比較
J-REITと海外REITの主な違いを以下の表にまとめました。
J-REITと海外REITの比較
| 比較項目 | J-REIT | 海外REIT |
|---|---|---|
| 投資対象地域 | 日本国内の不動産 | 日本国外の不動産(米国、欧州、アジアなど) |
| 取引通貨 | 円建て | 外貨建て(米ドル、ユーロなど) |
| 為替変動リスク | なし | あり |
| 情報入手 | 比較的容易 | 比較的難しい場合がある |
| 税制 | 日本の税制 | 投資対象国の税制+日本の税制(複雑になる場合あり) |
| 市場の多様性 | 日本市場に限定 | 世界各国の多様な市場に分散投資可能 |
J-REITは、為替リスクを避けたい方や、国内の不動産市場に特化して投資したい方に適しています。一方、海外REITは、国際分散投資によるリスク軽減や、海外の成長市場の恩恵を受けたいと考える方に魅力的な選択肢となります。
REITの仕組みを分かりやすく解説

REIT(リート)は、投資家から集めた資金を元に、不動産のプロがオフィスビル、商業施設、マンションなどの不動産に投資し、その賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品です。
この仕組みは、多くの投資家が少額ずつ資金を出し合い、大きな不動産ポートフォリオを形成することから成り立っています。
投資家から集めた資金で不動産を運用する流れ
投資家から集めた資金は具体的に、以下のような流れで運用が行われます。
REIT運用のステップと内容
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 投資口の募集と資金調達 | REITを運営する「投資法人」が、株式市場を通じて投資家から資金を募り、投資口(株式に相当)を発行します。 |
| 不動産の取得とポートフォリオ構築 | 集められた資金は、REITの運用会社(アセットマネジメント会社)が専門的な知見に基づいて、収益性の高い不動産を選定・購入するために使われます。 |
| 不動産の運用と管理 | 購入した不動産は、プロパティマネジメント会社などの専門家によって適切に管理・運営されます。テナントの募集、賃料の徴収、建物の維持管理、修繕などが含まれます。 |
| 収益の発生と分配 | 不動産から得られた賃料収入や、場合によっては不動産の売却益がREITの収益となります。この収益から運用費用などを差し引いた利益の大部分が、投資口を保有する投資家に対して「分配金」として支払われます。 |
REITの魅力の一つは、安定した分配金収入にあります。REITの収益は、賃料収入(インカムゲイン)と不動産売却益(キャピタルゲイン)の二つの源泉から成り立っています。
少額不動産投資について知りたい方は「少額不動産投資で賢く資産運用!10万円から始められる方法とは?」の記事をご参照ください。
REITを始めるためのステップを解説

不動産投資信託REIT(リート)は、現物不動産投資に比べて手軽に始められるのが魅力です。
ここでは、REIT投資を始めるための具体的な手順と、銘柄選びから購入までのポイントを解説します。
REIT銘柄の選び方と探し方のコツ
REIT投資を始めるにあたり、まず重要なのがどの銘柄に投資するかを選ぶことです。
数あるJ-REITの中から、ご自身の投資目標に合った銘柄を見つけるための選び方と探し方のコツをご紹介します。
REIT銘柄選びの主要な基準
REIT銘柄を選ぶ際には、以下の点を総合的に評価することが大切です。
- 投資対象不動産の種類
オフィス、商業施設、住宅、物流施設、ホテル、ヘルスケア施設など、REITが投資する不動産の種類を確認しましょう。それぞれの種類によって景気変動の影響の受け方が異なります。 - 分配金利回り
過去の分配金実績や予想分配金利回りをチェックし、安定した分配金が期待できるかを確認します。 - ポートフォリオの分散状況
投資対象不動産の地域や種類が適切に分散されているかを確認します。特定の地域や種類に偏っていると、リスクが高まる可能性があります。 - スポンサーの信頼性
REITを運用する投資法人のスポンサー(親会社)の経営基盤や不動産運用の実績も重要な判断材料です。大手不動産会社系や金融機関系など、信頼できるスポンサーを持つREITは安心感があります。 - 時価総額と流動性
時価総額が大きい銘柄は一般的に流動性が高く、売買しやすい傾向にあります。
REITの購入方法
REIT銘柄を選んだら、いよいよ購入です。株式と同様に証券会社を通じて取引を行います。
ここでは、REITの具体的な購入方法を解説します。
REITの購入方法
REITを購入する手順は、基本的に株式の購入と変わりません。
- 証券総合口座の開設
まず、証券会社で証券総合口座を開設します。ネット証券は手数料が安く、手軽に始められるため人気があります。NISA口座を利用すれば、分配金や売却益が非課税になるため、ぜひ活用を検討しましょう。 - 購入資金の入金
開設した証券口座に、購入したいREITの代金と手数料に相当する資金を入金します。 - REIT銘柄の検索・選定
証券会社の取引ツールやウェブサイトで、事前に選んでおいたREIT銘柄を検索します。銘柄コードや名称で検索できます。 - 注文の発注
購入したい口数と注文方法(成行注文、指値注文など)を選択し、注文を発注します。 - 約定・購入完了
注文が市場で成立(約定)すれば、REITの購入は完了です。
20代から始める不動産投資について知りたい方は「20代の今こそ不動産投資!少額から始める「不労所得」実現の第一歩」の記事をご参照ください。
ゼロから始める不動産投資!REITとは?まとめ
本記事では、「不動産投資 REITとは?」という疑問に対し、REITの基本的な定義からその仕組み、そして具体的な始め方までを解説しました。REIT(不動産投資信託)は、現物不動産投資とは異なり、少額から手軽に不動産へ投資できる点が大きな特徴です。
REITを始めるには、証券会社で口座を開設し、投資したいREIT銘柄を選んで購入します。自身の投資目標やリスク許容度を考慮し、ポートフォリオの一部としてREITを検討することで、不動産投資の新たな可能性が広がるでしょう。




