不動産を売りたいと思っていても、売却の手順や準備するべき必要書類、手続き方法などさまざまな疑問を抱えている方も多いです。
また、不動産売却は大きな金額が動くためなかなか手を出すことができないといったケースもあります。
今回は、不動産売却に関する疑問を抱えている方へ向けて、よく利用される相談先の一覧を解説させていただきます。
不動産売却の相談先は状況に合わせて変えよう
不動産売却の流れとしては
- 相場の把握
- 買主を探す
- 契約
の大きく3つとなります。
不動産売却をする際には、売却するシチュエーションや自分の状況に合った相談先を選択する必要性があり最も重要です。
例えば相続や離婚などの事情があったり、多額の税金が生じる可能性のある売却などで相談先が違ってきます。
また、相談先が決まっている場合でも早急に売却したい場合や、売るか貸すか判断が難しいケースなどによって不動産売却の相談先を選ぶことがポイントとなります。
不動産売却の流れについて「不動産売却は流れを抑えてスムーズに。ステップごとに徹底解説!」の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
売却前~売却中に相談する場所
では、不動産売却を行う前および売却中に相談できる場所をご紹介いたします。
不動産売却前~売却中に相談できる場所としては、
- 不動産会社
- 不動産コンサルタント
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士
の4か所が挙げられます。
以下では、どういった内容が相談できるのかに加え費用相場などを解説していくので、相場の把握や境界測量などのケースごとに分けて相談する先を決めておきましょう。
総合的な売却の相談なら「不動産会社」
初めて不動産を売却をする際の相談先としておすすめなのが不動産会社です。
不動産会社は、不動産の売買や交換、管理などの仲介を行う会社で、もちろん不動産売却の相談にも対応してくれるのに加え、基本的に無料で相談に乗ってくれることが大半です。
不動産会社の選び方として、知名度が高く提供サービスが豊富な大手や特定の地域に精通しており売却事情やノウハウがある中小など、自分の状況に合った会社を選びましょう。
不動産業界は担当者の権限が強く、不動産売却の金額にも大きく関わってくるため、会社の規模よりも担当者選びが重要といえます。
金銭・運用なども行うなら「不動産コンサルタント」
不動産コンサルタントは、不動産売却をはじめとした運用や投資、管理などを相談者が不利益を被らないようワンストップでアドバイスをしてくれます。
不動産コンサルタントの報酬体系と相場費用に関しては、以下の通りとなっています。
報酬体系 | 内容 | 費用相場 |
---|---|---|
顧問契約 | 月または年ごとでの支払い | 年10万円~ |
時間制 | 基本的に1時間ごとの支払い | 1時間5,000円程度 |
成果報酬制 | コンサルティング終了後での支払い | 売買金額の10%程度 |
案件別 | 一案件ごとの支払い | 1件5~10万円程度 |
なお費用に関しては不動産コンサルタントごとに違いがある場合が大半です。
不動産の価値を診断してもらうなら「不動産鑑定士」
前述した不動産会社による価格査定は組織や担当者の経験や実績を基に査定が行われます。
その反面不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関連する法律を基に不動産会社と比べよりシステマチックに査定を進めていきます。
不動産鑑定士に相談するメリットとして、裁判資料としても使用することが可能な公的な書類「不動産鑑定評価書」が作成されることが挙げられます。
ですが不動産売却は売主と買主との合意により成り立つものであり、不動産鑑定の結果そのままの価格で売却できるわけではないので、注意しておく必要があります。
相談費用に関しては、価格査定は無料で依頼が可能ですが鑑定費用には料金が発生し、相場としては20万円前後が相場となっています。
境界や測量なら「土地家屋調査士」
不動産を売却する際には隣地との境界を明確にする必要があるため、測量図を作成する必要があります。
境界を確定するための測量図を作成するには、土地家屋調査士に相談するのが一般的です。
土地家屋調査士に相談するメリットとしては、境界を確定する際に必要となるさまざまな手続きや調査を基本的に全て解決してくれることが挙げられます。
例えば、境界を判断するのが難しい複雑に入り組んだ土地や隣地の所有者の所在が不明な場合、相続登記がされていないケースなど土地家屋鑑定士に依頼することで解決可能です。
土地家屋調査士の費用に関しては、依頼先やシチュエーションによって金額の振れ幅が大きく、申請から確認書の発行までの相場としては、6~10万円程度といえるでしょう。
売却後に相談する場所
売却前~売却中の相談場所について解説しましたが、不動産売却においては売却後にも疑問やトラブルが発生することも少なくありません。
売却後の主な相談場所としては、
- 弁護士
- 税理士
- 司法書士
- 税務署
の4か所が挙げられます。
それぞれ相談できる内容および費用相場に関して解説していくので、不動産売却後に何か問題が起きた際にはぜひ参考にしてみてください。
財産分与などの相談なら「弁護士」
不動産売買および契約の際に発生したトラブルの際には弁護士に相談する必要があります。
例えば、不動産売買の際に発生した売買契約書の内容相違によるトラブルや、登記されている所有者が亡くなっていたため所有者が分からないケースが挙げられます。
弁護士への相談は高額になりやすいというデメリットがありますが、法律上のトラブルであればどのようなケースにおいても対応してくれるのが大きなメリットといえます。
弁護士へ相談する際に発生する費用相場としては不動産売却額の4~16%といわれています。
売却額が300万円~3,000万円以下の場合10%程度、3,000万円~3億円以下では6%程度の費用が発生すると考えておくと良いでしょう。
売却に関する税金の相談なら「税理士」
不動産を売却する際に発生する税金関連の相談は税理士にお願いしましょう。
不動産売却において最も大きい税金として、利益額に応じた金額を支払わなければならない譲渡所得税に加え、登録免許税や印紙税、消費税などが挙げられます。
また、その他にも支払う必要のある税金があるため計算が複雑になる事が多く、税金関連の相談は税理士にするのがおすすめです。
税理士へ相談する際の費用は売却した不動産の売却益により変動します。
なので、例えば1,000万円~3,000万円未満の場合、費用相場は10~20万円程度といえます。
登記の変更や権利の相談なら「司法書士」
土地売却の際に必要となる、
- 表題登記作成
- 所有権保存
- 抵当権設定(抹消)登記
などの登記関連の相談は司法書士に相談します。
司法書士は登記関連のプロであり、入り組んだ土地に接道を取る為の合筆・文筆や土地の所有者への連絡、農地転用の売却時の手続きなど登記関連の問題を解決してくれます。
司法書士へ相談する際の注意点としては、弁護士と同様に訴訟代理権を所持していますが、140万円以下の場合のみなどの制限があるのでケースによって判断する必要がある点です。
司法書士に相談する際には、司法書士に支払う司法書士報酬と登録免許税の2種類が発生します。
総額の相場としては、5~10万円程度ですが、司法書士報酬に関しては司法書士ごとに費用が異なるので確認しておく必要があります。
確定申告についての相談なら「税務署」
不動産売却時の国税に関する相談は税務署でも行うことができます。
税理士と税務署の違いとしては、税理士は民間の専門家であるのに対し、税務署は国税庁の下部組織である行政機関に位置づけられています。
そのため、無料で不動産売却に関する税金や確定申告の相談することが可能です。
また、税理士に相談する際に注意しておきたいポイントとしてはあくまでも一般的な内容の相談にしか答えてくれないという点です。
税理士のように相談者のそれぞれの具体的な状況を踏まえた相談や、納税の際に最大限節税できるような申告方法や特例などの相談には対応していません。
そのため、不動産売却の税金や確定申告に関する相談をする際には、質問内容によって税理士と税務署を使い分ける必要があります。
不動産売却でよくある相談
不動産売却をする際にはほとんどの人が初めてで経験が無いという方も多いです。また、不動産売却は大きな金額が動くため不安を抱えている人も多いと思います。
以下では、そのような方が感じているよくある質問についてご紹介していきます。
コロナが心配だけど、訪問しないと査定はされませんか?
簡易検査では訪問することなく査定することが可能です。
この簡易査定は机上査定とも呼ばれており、実際に売却をするマンションなどの物件や現地に足を運ぶ必要がないので、コロナ対策にはもちろん短時間で査定を済ませたい方にもおすすめです。
査定する際には
- 物件の所在地
- 土地、建物の広さ
- 築年数
- 間取り
- 義類物件の売り出し価格
- 過去の成約価格
- 市場変動
などのデータを基に査定します。
まずは誰に相談すべきですか?
今回さまざまな相談先をご紹介しましたが、初めの不動産売却の相談先としては、売却不動産会社を選ぶのがおすすめです。
不動産売却の価格査定をはじめ広告活動や契約書作成、引き渡しまで携わっているため、不動産売却全般に関する相談が可能です。
また、税金や境地に関する初歩的な内容や税理士や司法書士を紹介してもらえる場合も少なくありません。
売買契約が成立するまでは費用が発生しないため、不動産売却を検討する際には、まず相談する相手としておすすめです。
買取と売却、どちらがどうメリットがあるのですか?
不動産を売却する方法としては、
- 不動産会社に仲介してもらいながら売却をする方法
- 不動産会社に直接買い取ってもらう「不動産買取」
の2通りあります。
不動産会社の仲介による売却のメリットとしては、不動産買取の場合売却額が市場価格よりも2~3割安くなってしまいますが、市場価格と同等の金額で売却可能な点が挙げられます。
不動産買取のメリットとしては、購入者をさがす必要が無いので、内覧や広告を出す手間が省けるのに加えすぐにお金に変えられることが可能です。
不動産売却をするときの相談先まとめ
今回は不動産売却の相談先について紹介解説させていただきました。
不動産売却の機会はそう多くはないので、実際に売却活動をしてみなければ分かりにくい部分も多くあると思います。
そのような場合はまず不動産会社に相談してみるのがおすすめです。
不動産会社を選ぶ際には、地域ごとの不動産事情に精通している会社を選びましょう。
アデプトマネジメントでは不動産買取・売却をはじめ不動産仲介や不動産賃貸管理、コンサルティング業などの相談が可能です。
また、司法書士売却面のサポートや不動産売却関連のトラブル対応も可能で、オーナー様1人に専属のスタッフが対応させていただきます。
不動産売却に関する疑問や不安を持っている方はぜひ一度アデプトマネジメントへお気軽にご相談ください。