マンションは売却した金額がそのまま手元に入るわけではなく、さまざまな費用が差し引かれます。また、購入時よりもマンションの価値が上がっていた場合、税金の支払いも発生します。
税申告は国民の義務であるため、必要に応じて税理士に依頼する方がよいケースもあります。さまざまな費用がかかるため、事前に費用の情報を把握し、ムダな出費を抑えることが大切です。
今回はマンション売却時にかかる費用を完全に伝授します。ぜひこの記事を読んで、売却時に役立ててください。
マンションの売却前にかかる費用
ハウスクリーニング費用
ハウスクリーニングの費用は広さと空室か居住中かで大きく変わります。
空室は物がないため費用が安くなり、家具がある居住注は2~3割ほど費用が高くなります。
浴室やキッチン、トイレなどの水周り、エアコンのクリーニングやワックスがけなどを個別に頼むことも可能です。
住宅としての価値を高めたいのであれば、まとめてパック料金で依頼した方がお得になるケースもあります。
売却業者に依頼した場合の費用
売却業者に依頼を行った場合、仲介手数料が発生します。
仲介手数料はマンション取引の中で最も費用がかかるため、業者選びには慎重になる必要があります。
400万円を超える取引の場合は(売却価格×3%+6万円)+消費税10%が目安で、数十万円から百万円単位でかかるケースがあるのも特徴です。
業者に頼らずに自力で探す方法もありますが、不動産業者を介さなければ買い手が見つかるまでに時間がかかり、売り時を逃す可能性もあります。現実的にかかる費用としてある程度織り込むことも大切です。
自分で探した場合の平均費用
仲介手数料を無視できるため、3%程度の費用節約を見込めます。
ただし、物件を見つけて貰うためのチラシやホームページ作成など宣伝広告にお金をかけた場合、それだけ費用がプラスになります。
価格設定の自由度も高いことになりますが、売れずに残れば固定資産税などの負担は毎年発生することにも注意が必要です。
個人間取引は住宅ローンが通り辛いなど買主側の負担も大きく、手続きやトラブルの対処までほぼ全て自分で行わなければいけないことから、あまり普及していないのが実情です。
マンション売却の引っ越しにかかる費用
マンション売却に伴う引っ越し費用は、人数と荷物の量、距離によって大きく変わります。
大型の家具は事前に処分し、買い換えた方が費用の節約になるケースもあるのがポイントです。
パック料金で安くなる引っ越し業者も多いため、どの程度あわせるかも料金の変わり目になってきます。
季節による変動もあるため、春の引っ越しシーズンを避けてしまのも方法です。どうしても日にちを移動させられない場合は、事前予約で安くできないかチェックするのもおすすめになります。
独身で住んでいた場合の平均引っ越し費用
3~4月の繁忙期を基準にした場合、引っ越し荷物が多い場合は5万円程度、荷物を減らして4万円程度が平均になってきます。
引っ越し距離が50km未満であれば平均以下の費用になるケースが多く、それ以上の場合は平均を上回るのが一般的です。
200kmを超える長距離の引っ越しの場合、1.5~2倍程度の費用が発生する場合もあります。
大型のオーディオビデオや、家電、大型のベッドなどのこだわりアイテムがある場合は更に費用が増すため注意が必要です。
夫婦で住んでいた場合の平均引っ越し費用
夫婦の場合、3~4月の平均引っ越し費用は10万円から12万円の間になります。
注意したいのは距離による費用の変化が独身者よりも大きく、遠距離の引っ越しであるほど高額になってしまう点です。
住み替える家やマンションが近場にある場合はそれだけ費用を節約できますが、長距離の引っ越しの場合は複数の業者の見積もりを比較するなど慎重に対応する必要があります。オフシーズンになると3~4割程度安くなることが多いため、引っ越し時期をずらしてしまうのも方法です。
4人家族で住んでいた場合の平均引っ越し費用
繁忙期で14万円程度になることが多く、やはり距離の影響を強く受けます。
別の都道府県に移り住む場合は20万円を超える費用が発生することも珍しくありません。
一方で、オフシーズンとの差も激しく、同じ引っ越し内容でも半額以下で引っ越しができるケースもあります。
3~4月の引っ越しを動かせないのであれば早めの予約で割引が効く引っ越し業者を選ぶなど、工夫をするのがおすすめです。引っ越し業者の差も大きくなる傾向があります。
マンション売却の引越しにかかる費用
引っ越し条件 | 繁忙期平均費用 | 特記事項 |
---|---|---|
独身で住んでいた場合 | 4万~5万円 | 荷物や距離で費用変動。長距離や大型アイテムで増加。 |
夫婦で住んでいた場合 | 10万~12万円 | 距離の影響が大きい。オフシーズンで3~4割安く。 |
4人家族で住んでいた場合 | 14万円程度 | 長距離は20万円以上も。オフシーズンで半額以下も。 |
売却後にかかってくる費用
マンション売却後にかかってくる主な費用は、税金と、税相談の費用になります。
マンションの価格が購入時よりも高くなっている場合、売却益に対して税金がかかります。
価格が安くなっている場合も税の還付を受けられるケースがあり、一度税について調べるか、税理士に相談するのがおすすめです。税金の支払いは確定申告後になり、確定申告時期前には市区町村単位で税に対する無料相談会が行われるのが一般的です。
相談費用節約のために相談会で税理士に相談するのも方法ですが、必要書類が多くなることも多いため、余裕を持ったスケジュールを組むのがおすすめになります。
税金
不動産の売買で利益が出た場合、譲渡所得が発生し、これが課税対象となるため、確定申告をして税金を支払う必要があります。
ただし例外もあり、自分たちが住む目的で購入した居住用の物件を売却する場合には、特例措置の適用で節税が見込めることがあります。また、10年以上住んだマンションを売却する場合も、軽減税率が適用されるケースがあります。
さらに、住み替え目的での売却と新居の購入を同時に行う場合は、税還付の対象になることもあります。
こうした税制度を理解し、節税や還付を適切に利用することが重要なポイントとなります。
確定申告を代行した場合の税理士費用
税理士に確定申告の代行を依頼した場合、利益が1000万円以上3000万円未満場合は、10~20万円程度が相場といわれています。
事前に書類が揃っている場合や、データがエクセルでまとめられている場合など、税理士側の手間が少なくなるほど費用は安くなります。
出張を依頼するのか、メールや電話、郵送でやりとりを行うかで必要経費が変わり、節約につながるケースもあります。
副業収入がある、個人事業主であるなどマンション売却以外の確定申告もあわせて依頼する場合は費用がプラスになることに注意が必要です。
マンション売却のシミュレーションを簡単に出してみよう
マンションの売却で発生する費用大分を占めるのが、売却を仲介する専門業者への仲介手数料になります。
自宅マンションであれば売却益が出ても課税される可能性は低く、ハウスクリーニングや引っ越しの費用を考える方が重要になります。簡単にでもシミュレーションを行っておくと、費用のイメージが付きやすくなります。
2000万程度の自宅を売却した場合
2000万程度の自宅を売却した場合、仲介手数料は最大約71万円ほどになります。
印紙税2万円、抵当権抹消費用2万円前後、ローンの繰り上げ返済がある場合は手続き費用2~3万円程度がかかり、更にハウスクリーニング費用や引っ越し費用が加算されます。
自宅用で売却益が3000万円を超えない場合、税控除の対象になるため税金は発生しません。念入りなハウスクリーニングを行わない場合、費用が100万円を割り込むケースもあります。
長く住んだ自宅の場合はハウスクリーニングを念入りにした方が、結果的に物件の評価が上がる可能性もあります。
4000万程度の自宅を売却した場合
4000万程度自宅売却で発生する仲介手数料は、最大で136万円ほどになります。
印紙税2万円、抵当権抹消費用2万円前後、ローンの繰り上げ返済がある場合の手続き費用2~3万円は2000万円程度の物件と変わりません。
売却益が3000万円を超えている場合は税金が発生する可能性がありますが、タダ同然で親類から譲って貰ったなど、特別に安く購入した事情がない限りは課税される心配はほとんどないといえます。
仲介手数料の金額が大きくなっているため、手数料が安い業者を探すか、最低限の支出と割り切って引っ越し費用などを節約するのが現実的といえます。
マンション売却の流れについて、「マンション売却の流れ9ステップを徹底解説!売却時の注意点は?」の記事で解説していますのでぜひご覧下さい。
マンション売却のご相談・シミュレーションはアデプトへ
マンションを売却にかかる費用は売るまでに必要な費用と売った後にかかる費用の2種類に分けられます。
売却後にかかってくる費用は税金と税相談の費用です。マンションの価格が購入時よりも高くなっている場合は、売却益に対して税金がかかります。また、価格が安くなっている場合も税の還付を受けられるケースがあります。税について自分で調べるのも良いですが、知識がある税理士に相談することをおすすめします。
マンション売却のシミュレーションを簡単にしてみると売却で発生する費用のイメージがつきやすくなります。
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