本日のご相談です。
●購入価格合計 約1860万円
一括査定依頼の信憑性
現在、大阪市内でワンルームマンションを1室所有のS様からのご相談です。
4年前、新築物件の販売業者から、半ば押し切られるようにマンションを1室購入しました。
当初は、初期投資0円との営業でしたが、
当時のS様の年収は約300万円だったことで、融資条件も契約時からコロコロ変わり、最終的に頭金の名目で100万円の初期投資がありました。
月々プラスマイナスゼロの収支でお持ちですが、空室になった時の手出しが心配で、売却を検討され、一括査定サイトを利用されました。
すぐに6社ほどから連絡があり、「簡易査定」という事で金額の提示があったそうです。
査定額にひらきはありましたが、思ったより金額が高く、1社に媒介を依頼しましたが、現在まで約6ヵ月売却に至っていないとの事で、弊社にご相談いただきました。
売却希望価格をお伺いしたところ、「2280万円」とのことでした。
不動産会社の「囲い込み」
S様の物件をお調べしましたが、築4年の築浅マンションですので、これまでの売買事例は確認できませんでした。
しかしながら、近隣の取引事例や相場をみても、2000万円を超える金額で売却するのは不可能に近いです。
冷静に考えると4年前1800万円台のマンションが、2200万円で売れる訳がないと、S様も思ったそうですが、
「外国人の人気が高い」「相場が高くなっている」など、いろいろ説明されたそうです。
当然、今のところ売れていないわけですが、なぜ相場をよく知る不動産会社がこのような提案をするのでしょうか。
この営業手法が、「囲い込み」と呼ばれるものです。
実際には成約に至らないような条件でも、ひとまず他社より好条件を提示することにより、単独で依頼を受け付けることが目的です。
まず間違いなく、時間がたつと減額の提案をし、売買の成立にこぎつけようとするでしょう。
オーナー様の売却の理由は様々ですから、長期的に売却を考えるオーナー様もおられると思いますが、
依頼を1社に絞り、非現実的な価格で売りに出すことは得策ではありません。
希望の売却に向けてのプランを見直す必要が御座います。