不動産投資は資産形成において魅力的な選択肢ですが、ディベロッパーの販売手法やその後のサポートに不安や疑問を抱く方も多いです。本記事では、兵庫県在住の34歳のA様が、中古ワンルームマンションを購入し、リノベーションを実施した後に直面した問題とその対応について詳しくご紹介いたします。購入から空室期間、リノベーション費用の回収までの一連の流れを通じて、実際のコストや効果についての現実をお伝えし、今後の不動産投資の参考にしていただければと思います。
- 大阪市内、築28年、中古1Rマンション1室所有
- 令和1年購入
A様は弊社に賃貸募集の依頼をされ、弊社では2週間で新たな入居者を見つけることができました。
リノベーションの提案と実施内容
空室が2か月続いたため、A様は販売会社に対して早急な入居者確保を要求したようです。その際、販売会社からリノベーションの提案を受けることになりました。
またリノベーションをすることで家賃も大幅に上げることができると聞いていたようです。
- クロスの全面張替え: 壁紙をおしゃれにして、室内の印象を一新。
- フローリングの全面張替え: 古くなった床材を新しいものに交換し、清潔感を向上。
- 建具の取替え: ドアや収納などの建具を新しくし、使い勝手を改善。
- ガスコンロの取替え: 古いガスコンロを最新のものに交換。
- 温水洗浄便器の取替え: トイレの便座を最新のものにし、快適性を向上。
- 給湯器の交換: 給湯器を新しくし、安心して使用できる状態に。
上記の中から90万円程度のリノベーションを行い、その後賃貸募集を当初より5000円家賃を上げて再開しました。しかし、3か月間入居者が見つからない状況が続いたそうです。
A様は、管理を任している販売会社の賃貸を付ける方法に疑問を持ち弊社に相談をしてくださいました。
問題点
このお話をいただいた際、弊社では空室の問題とコスト管理について問題があると指摘させていただきました。
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ワンルームマンションでは、入居者の決定には物件の状態よりも立地や広告料が大きな影響を及ぼします。
特に、立地条件が良くない場合や競争の激しいエリアでは、リノベーションだけでは十分な効果が得られないことがあります。広告料が1か月分と少ないため、空室期間が長引いている可能性がありました。
弊社は「広告料を増額することで、より多くの潜在的な入居者にアプローチできるのではないか。」と提案させていただきました。
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A様の物件の場合、リノベーションによって家賃が上昇したとしても、その費用を回収するにはかなりの時間がかかると見込まれます。
リノベーションにより月々の家賃が5000円アップしているので、年間の収益改善額は6万円となります。
しかし、リノベーション費用で90万円コストとして出てしまっていますので、単純計算をすると回収には15年かかるという結果になりました。
このように、ワンルームマンションにおいて、リノベーションの効果が空室期間を短縮するために大きな影響を及ぼす可能性は少なく、むしろコストを生み出してしまう可能性を考慮する必要があります。
結論と今後の対応
今回のケーススタディから明らかなように、ワンルームマンションにおけるリノベーションの効果は必ずしも高くない場合があります。高額なリノベーション費用を支出しても、家賃の上昇が限定的であったため、回収に非常に長い期間を要する結果となりました。A様はこの結果からリノベーションの価値を見出せず、物件の売却を検討することとなりました。
弊社では、A様の物件の入居者を早期に見つけるために、賃貸募集条件の見直しや募集活動の改善に取り組む予定です。
具体的には、広告料の増額、募集方法の工夫、物件の魅力を引き出すための追加的なマーケティング戦略などを検討し、空室期間を短縮するための施策を講じていきます。
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