「ワンルームマンションの売却を検討しているものの、思ったように売れるか不安」「売却のときに注意しなければいけないことを知っておきたい」といった悩みを抱えている人は多いでしょう。
今回は、ワンルームマンションの売却について知りたいという方のために、売却時の注意点や不動産会社選びのコツなどを解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
1ルームマンションを売却する際の注意点
まずは、ワンルームマンションを売却する際に注意しておきたいポイントを解説します。自分の希望に近い形で物件を売却するためには、どんなポイントに注意すべきなのかという点から確認していきましょう。
- マンションのローン残債を確認しておく
- 仲介と買取の特徴を理解した上で選ぶ
- 売却目的に合った媒介契約の種類を選ぶ
- 売却にかかる費用を把握しておく
- 売却にかかる期間に合わせて準備する
- 売却を開始したらできるだけ早く売る
①マンションのローン残債を確認しておく
ワンルームマンションをローンで購入した場合、売却の前に必ず残債の額を確認します。これは、マンションがどのくらいの金額で売却できれば、残債を一括返済できるのかを把握するためです。
もし売却金額での一括返済が難しい場合、自分の蓄えで補填する、金融機関などから融資を受けて残債にあてるなどの方法を検討しなければいけません。
このようなケースでの一括返済ができないと、契約によっては抵当権の関係で違約金が発生することもあるので、契約書の確認や金融機関への相談なども必要です。
②仲介と買取の特徴を理解した上で選ぶ
ワンルームマンションの売却方法は、主に仲介と買取の2種類です。この2つはそれぞれ特徴が異なるため、それぞれの特徴や違いを把握した上で選ぶ必要があります。 不動産会社が物件売却の仲介役となってくれるのが「仲介」、不動産会社がその物件を買い取ってくれるのが「買取」です。
買取は購入者が見つかるまでの期間が発生しないため、早く物件を売り払えるのがメリットですが、物件の売却価格は仲介のほうが高くなる傾向にあります。このように、2つの特徴をしっかり理解し、どちらを選ぶかよく検討しましょう。
種類 | メリット |
---|---|
仲介 | 買取よりも売却価格が高くなりやすい |
買取 | 仲介よりも物件が早く売れやすい |
③売却目的に合った媒介契約の種類を選ぶ
不動産の媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。専属専任媒介契約は、1社のみと取引をするスタイルの媒介契約です。売主が物件の購入者を見つけても直接取引はできないため、必ず取引している不動産会社を通して購入者とやり取りをしなければいけません。
専任媒介契約は1社のみと取引を行うスタイルですが、売主が購入者を見つけた場合、売主と購入者で直接売買契約を結べます。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と取引を行うスタイルです。自由度は一般媒介契約が高いですが、専属専任媒介契約・専任媒介契約は、不動産会社が販売活動に注力してくれやすいというメリットがあります。
自分の売却目的に合わせて、適切な媒介契約を選びましょう。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
他業者への依頼 | 〇 | × | × |
自己発見取引 | 〇 | 〇 | × |
有効期間 | 自由 | 最長3か月 | 最長3か月 |
依頼者への報告義務 | なし | 2週間に1度 | 1週間に1度 |
指定流通機関への物件情報の登録義務 | なし | 7日以内 | 5日以内 |
不動産の媒介契約の種類は、「不動産売却は流れを抑えてスムーズに。ステップごとに徹底解説!」の記事で詳しく解説しています。
④売却にかかる費用を把握しておく
売却の際にはさまざまな費用がかかるため、売却価格だけでなく売却時にかかる費用についても計算しておかなければいけません。費用を事前に把握しておかないと、思わぬ支出でローン返済の予定が想定と大きく変わってしまう可能性があります。
売却の準備として、売却時に発生する費用はしっかり見込んでおくことが重要です。ここでは、費用を把握する具体的な方法やポイントを説明します。
- 査定で大まかな売却価格を把握する
- 売却にかかる費用をシミュレーションする
- 売却後にかかる税金を計算しておく
査定で大まかな売却価格を把握する
まずは、物件の査定をしてもらって、大体の売却価格を把握しておきます。売却時にかかる費用の中でウエイトの大きいものが仲介手数料ですが、これは売却価格を元に算出するので、見込みを立てておかないと把握できません。
物件の査定は、インターネットで簡単にできるAI査定や一括査定、不動産会社に依頼して行ってもらう机上査定や訪問査定などがあります。インターネットで行う査定は気軽にできるのがメリットですが、必ずしもその金額で売却できるわけではないという点に注意が必要です。
一番正確に売却価格を把握できるのは、不動産会社に依頼して行ってもらう訪問査定です。売却をすでに決めている方は、最初から不動産会社に依頼をしたほうが良いでしょう。
査定方法 | 特徴 |
---|---|
AI査定 | ビッグデータを元に所在地や物件情報から自動査定 |
一括査定 | 複数の不動産会社にまとめて一括で査定を依頼する |
机上査定 | 不動産会社が机上で確認できる情報のみで行う査定 |
訪問査定 | 不動産会社が実際に現地を訪れ、物件を直接確認しながら行う査定 |
売却にかかる費用をシミュレーションする
おおよその売却価格が把握できたら、売却にかかる費用をシミュレーションします。取引内容などによってかかる費用は異なりますが、売却価格の大体5~7%が売却時に発生する支出の目安です。
売却にかかる費用の内訳としては、仲介手数料・印紙代・各種手数料・抵当権抹消登録費用・クリーニング代などが挙げられます。特に大きな費用として挙げられる仲介手数料は、「(売却額 × 3% + 6万円 )+ 消費税」の計算式で算出可能です。
- 仲介手数料
- 印紙代
- 各種手数料
- 抵当権抹消登録費用
- クリーニング代
売却後にかかる税金を計算しておく
物件の売却には税金もかかるので、忘れずに算出しておきましょう。主に挙げられる税金としては、所得税及び復興特別所得税・住民税です。
- 所得税及び復興特別所得税
- 住民税
物件の売却代金から、不動産の取得費と売却時にかかった譲渡費用を差し引いた譲渡所得に、所得税や住民税がかかってきます。売却を行った年の1月1日を基準とし、保有期間が5年以下なら譲渡所得の39.63%、5年超なら譲渡所得の20.315%の税率になります。
所有期間 | 譲渡所得税率 |
---|---|
5年以下 | 39.63% |
5年超 | 20.315% |
所得税に関しては、売却した翌年の2~3月のタイミングで確定申告を行い、合わせて税金も納付します。
⑤売却にかかる期間に合わせて準備する
物件の売却が完了するまでは、下記の3つのステージに分かれます。
- 不動産会社選びを主とする「売り出し前」
- 販売活動を主とする「売り出し中」
- 売買契約及び引き渡しを行う「売り出し後」
順調に進んだとしても、売却が済むまで数ヶ月から半年ほどかかる場合が多いです。「売れやすい時期に売却したい」「引越しなどの兼ね合いで売却した樹が決まっている」という方は、希望売却時期に合わせてそれぞれの準備が必要な時期を逆算し、スケジューリングしましょう。
⑥売却を開始したらできるだけ早く売る
物件を売り出したら、売れるまでの期間が長くなるほど実際に売却するときの価格は低くなる傾向にあります。なかなか売れない状況に陥った場合、値下げをすることで興味関心を引きやすくなるからです。
また、一般的に不動産の媒介契約の期間は3ヶ月ほどとなっており、この3ヶ月を過ぎると新たな物件の売り出し情報が増えて自分の情報が埋もれやすくなります。売り出しスタートから3ヶ月以内を目安に、できる限り早く売ることがポイントです。
ワンルームマンションがなかなか売れないことに悩んでいる、売れなかったらと思うと不安という方は、「ワンルームマンションが売却できない理由をまとめて解説!」の記事もご参照ください。
1ルームマンション売却は信頼できる不動産会社に依頼
ワンルームマンション売却を満足できる形で行うためには、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。ここからは、不動産会社を上手に探すためのポイントを紹介します。
- 不動産会社の得意分野を把握する
- 複数社に査定を依頼して査定の根拠を聞く
- 販売戦略や販売方針を確認する
- 囲い込みをされないように気をつける
不動産会社の得意分野を把握する
全ての事業に対して、同レベルで高水準の仕事ができるという不動産会社はそう多くありません。大抵の不動産会社には得意分野があります。不動産会社に依頼する際は、その不動産会社の得意分野である業務をしっかり把握しておきましょう。
例えば物件の売却を得意とする会社があれば、賃貸仲介や物件管理を得意とする会社もあります。さらに、物件の売却が得意な会社の中でも、マンションに強い、戸建てに強いなどの違いがある場合もあるので、事前にサイトで調べておくようにしてください。
複数社に査定を依頼して査定の根拠を聞く
ワンルームマンションの売却を検討する場合の査定は、複数社に依頼するのがポイントです。1社のみでは、その査定額が相場として高いのかどうかという判断をするのが難しいでしょう。
なお、査定の際は金額を見て終わりではなく、なぜその金額になったのかという根拠も確認してください。不動産会社の中には、自社でその物件売却を受注するために、契約前の査定ではプラスのことしかいわないといった対応をする会社もあります。複数社で査定額や査定の根拠を比べれば、そういった不誠実な会社を見極めるきっかけにもなり得ます。
販売戦略や販売方針を確認する
物件の売却は大きな取引なので、はっきりしたプランがないまま売却を請け負おうとする不動産会社には任せたくないものです。不動産会社選びの際は、販売戦略や販売方針も確認してみてください。
描いているプランの内容に共感できれば、不動産会社への信頼感も高まるでしょう。また、疑問点や不明点などについて尋ねた際、誠実に対応してくれるかもポイントです。
囲い込みをされないように気をつける
囲い込みとは、不動産会社が売主と売却の契約を結ぶため、物件を故意に他社に紹介しない行為のことです。本来であれば、契約前に他社から購入したい人がいるなどの話を受けた場合、不動産会社は売主にそのことを話す義務があります。
しかし、他社に契約を持って行かれないためにデータベースへの登録を怠ったり、「もう購入希望者が見つかっている」と虚偽の説明を他社にするなど、他社を締めだそうとする会社もあるのです。
不動産会社にとっては、囲い込みを行うことで売主と買主の両方から仲介手数料をもらえるという魅力があります。しかし売主にとっては、売却までの期間が長くかかってしまう可能性がある、もっと良い条件で購入してもらえたかもしれないチャンスを失うリスクがあるなど、デメリットのほうが圧倒的に多いです。
囲い込みを防ぐためにもっとも有効なのは、信頼できる不動産会社を選ぶことです。また、はっきりと「他社からの案内も受けたい」「囲い込みはしないで欲しい」などを伝えるのも効果的といえます。
1ルームマンションは今売却しても良い?
今ワンルームマンションの売却を検討している方は、現在の相場がいくらくらいなのか気になるでしょう。2023年はマンションの価格が上昇中です。新築・中古の区別なく、全体的に値上がりが続いています。
理由としては、マンションの供給戸数の減少や住宅ローン金利の低水準、地価の上昇などが考えられます。ワンルームマンションを売却するなら、高く売れやすい今がチャンスといえるでしょう。
1ルームマンションの売却のタイミング
最後に、ワンルームマンションの売却のタイミングを解説します。タイミングによって売却の価格が変わる可能性もあるので、よりお得に売却を行いたいときにもタイミングの見極めは大切です。ここでは、自宅用・投資用でそれぞれ解説していきます。
自宅用
自宅用のワンルームマンションの場合、明確に「この時期に売ったほうが良い」という時期はありません。住んでいる人の気持ちや事情をまず優先すべきです。ライフステージを考えて買い替えたい、引越しが必要になったなどの理由が生じたときが売りといえます。
投資用
投資用のマンションで売却を検討すべきタイミングは、収支として赤字が続いているときやローンの返済が苦しくなってきたときなどです。こうした状況が改善されない場合、このままワンルームマンションを持ち続けるともっと大きな損害につながる可能性があります。
ダメージが小さいうちに売却で取り戻し、損害を最小限に抑えるのです。その他、景気が上向きになったときも、地価の上昇などが見込まれるため、売却のタイミングといえます。
ワンルームマンションの売却のタイミングについては、「ワンルームマンションを売却するタイミングや流れを分かりやすく解説」の記事で詳しく解説しています。
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ワンルームマンションの売却では、ローン残債を確認する、仲介と買取の特徴を調べる、売却目的に合った媒介契約を選ぶなどの注意点があります。ワンルームマンションの売却は大きな取引なので、売却価格や売却にかかる支出、売却期間なども想定した上で、しっかりとシミュレーションを行いましょう。
ワンルームマンションの売却に悩んでいる、不安を抱えているという方は、ぜひアデプトマネジメントにご相談ください。不動産買取や仲介はもちろん、コンサルティングなども行っているので、不動産売却に関する悩みをまとめてご相談いただけます。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。