不動産投資におけるオーバーローンとは?フルローンとの違いも解説

不動産投資におけるオーバーローンとは?フルローンとの違いも解説

不動産投資で「オーバーローン」という言葉を耳にしたことはありませんか?物件価格以上の融資を受けるオーバーローンは、資金効率を高め、少ない自己資金で大きな投資を可能にする一方で、リスクも伴います。

この記事では、オーバーローンの定義からメリット・デメリット、フルローンとの違い、利用時の注意点まで、具体例を交えて分かりやすく解説します。

オーバーローンを検討している方、不動産投資に興味のある方は、ぜひこの記事を読んで、成功への一歩を踏み出しましょう。高金利時代における賢い投資戦略を理解し、将来の資産形成に役立ててください。

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オーバーローンとは何か

不動産投資において「オーバーローン」という言葉を耳にする機会が増えてきました。この章では、オーバーローンの定義、目的、そして不動産投資との関係性について詳しく解説します。

オーバーローンの定義

オーバーローンとは、物件の購入価格を上回る金額を融資で賄うことです。例えば、1,000万円の物件を購入する際に、諸費用やリフォーム費用なども含めて1,200万円を融資で調達する場合、200万円がオーバーローンとなります。

一般的には、物件価格の110%〜120%程度の融資を受けるケースが多いですが、金融機関や物件、個人の属性によってはそれ以上の融資が実行される場合もあります。

オーバーローンを組む目的

なぜオーバーローンを組むのでしょうか?主な目的は次の3つです。

オーバーローンを組む目的
  • 自己資金の不足を補う
  • 不動産投資は多額の資金が必要となるため、自己資金が不足している場合にオーバーローンを利用することで投資が可能になります。

  • レバレッジ効果を最大化
  • 少ない自己資金で大きな投資を行うことで、投資効率を高めることができます。これはレバレッジ効果と呼ばれ、不動産投資の魅力の一つです。

  • 複数の物件への投資
  • 自己資金を分散させずに複数の物件に投資することで、リスク分散と収益拡大を図ることができます。

オーバーローンと不動産投資の関係

オーバーローンは、不動産投資において重要な役割を果たしています。特に、近年は低金利環境が続いており、オーバーローンを活用することで高い利回りを期待できることから、多くの投資家が利用しています。

しかし、オーバーローンにはメリットだけでなくデメリットも存在するため、十分に理解した上で利用する必要があります。具体的には、金利上昇や空室リスクなど、返済負担が増加する可能性があることを認識しておくことが重要です。

一言メモ

金融機関によってはオーバーローンに消極的な場合もあるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。詳細な情報については、金融庁のウェブサイトなども参考にしてください。

不動産投資ローンについて知りたい方は「マンション投資でローンを組むならどこがいい?不動産投資ローンを解説」の記事をご参照ください。

次の章では、オーバーローンのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

オーバーローンのメリット・デメリット

メリット・デメリットの画像

オーバーローンは、不動産投資において大きなメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。メリットとデメリットをしっかりと理解した上で、利用を検討することが重要です。

メリット

オーバーローンを活用することで得られるメリットは主に以下の通りです。

資金効率を高められる

自己資金が少なくても多額の資金を運用できるため、自己資金に対するリターン(ROI)を最大化できます。少ない元手で大きな利益を狙える点が、オーバーローンの大きな魅力です。

例えば、自己資金1000万円で1億円の物件を購入した場合、レバレッジ効果により自己資金の10倍の資金を運用できます。

レバレッジ効果を活用できる

借入によって自己資金以上の投資が可能になるため、レバレッジ効果を最大限に活用できます。物件価格の上昇局面では、自己資金のみで投資した場合よりも大きな利益を得られる可能性があります。

ただし、価格下落局面では損失も大きくなるため、注意が必要です。

物件購入の選択肢が広がる

自己資金の制約を受けにくいため、より高額な物件や複数の物件への投資が可能になります。希望するエリアや条件に合った物件を見つけやすくなるため、投資戦略の幅が広がります。

デメリット

オーバーローンには、メリットだけでなく、以下のようなデメリットも存在します。

金利上昇リスク

金利が上昇すると、返済額が増加し、収益を圧迫する可能性があります。変動金利型ローンの場合は特に注意が必要です。将来的な金利変動リスクを考慮した返済計画を立てることが重要です。詳しくは日本銀行の統計なども参考にしてください。

空室リスク

入居者が退去し、空室期間が長引くと、家賃収入が得られなくなり、返済が困難になる可能性があります。空室リスクを軽減するためには、需要の高いエリアや物件を選ぶ、適切な家賃設定を行う、効果的な空室対策を講じるなどが必要です。

家賃下落リスク

周辺地域に新しい物件が供給されたり、景気が悪化したりすると、家賃が下落する可能性があります。家賃下落は収益の減少に直結するため、リスクヘッジとして、家賃保証サービスの利用や、複数の物件への分散投資などを検討することが有効です。

自己資金が少ないことによる信用リスク

自己資金が少ない場合、金融機関からの信用力が低く評価され、融資を受けにくかったり、金利が高くなったりする可能性があります。また、予期せぬ事態が発生した場合の対応力も弱くなります。ある程度の自己資金を準備しておくことが、リスク軽減につながります。

オーバーローンとフルローンの違い

比較の画像

不動産投資において資金調達を考える際、「オーバーローン」と「フルローン」という言葉を耳にすることがあるでしょう。どちらも物件価格以上の融資を受ける可能性があるため混同されがちですが、実際には異なる意味を持ちます。

この章では、オーバーローンとフルローンの違いを詳しく解説し、それぞれのメリット・デメリット、利用ケースなどを比較することで、両者の違いについてより理解を深めていきます。

フルローンとは

フルローンとは、物件価格の全額を金融機関から融資を受けることを指します。頭金が不要となるため、初期投資を抑えて不動産投資を始められることが大きなメリットです。

ただし、物件価格のみが融資対象となるため、購入時に必要な諸費用(登録免許税、不動産取得税、仲介手数料など)は自己資金で賄う必要があります。また、フルローンは審査が厳しく、収入や信用情報が重視されます。

オーバーローンとフルローンの比較

オーバーローンとフルローンは、融資額、審査の難易度、リスク、利用ケースなどが異なります。以下の表で比較してみましょう。

オーバーローンとフルローンの比較
項目 オーバーローン フルローン
融資額 物件価格 + 諸費用 + リフォーム費用など 物件価格
審査の難易度 フルローンよりさらに厳しい 比較的厳しい
リスク 金利上昇リスク、空室リスク、家賃下落リスク、自己資金が少ないことによる信用リスクなど 金利上昇リスク、空室リスク、家賃下落リスクなど
利用ケース リフォーム費用や諸費用も含めて融資を受けたい場合、自己資金が少ない場合 頭金を用意できない場合、初期投資を抑えたい場合

オーバーローンは、物件価格に加えて、諸費用やリフォーム費用、場合によっては運転資金なども含めた金額を融資対象とすることができます。一方、フルローンは物件価格のみが融資対象です。そのため、オーバーローンの方がフルローンよりも融資額が大きくなる傾向があります。

一言メモ

オーバーローンとフルローンはそれぞれ特性が異なります。ご自身の状況や投資戦略に合わせて適切な選択をすることが重要です。

審査の難易度

オーバーローンは、フルローンよりも審査が厳しくなります。金融機関は、融資額が大きくなるほどリスクが高まると判断するため、借入希望者の返済能力をより厳しく審査します。

安定した収入や良好な信用情報が求められるだけでなく、物件の収益性についても厳しく評価されます。フルローンも審査は比較的厳しいですが、オーバーローンよりは通りやすい可能性があります。

リスク

オーバーローンとフルローン共に、金利上昇リスク、空室リスク、家賃下落リスクなどは共通して存在します。しかし、オーバーローンは自己資金が少ない状態で多額の融資を受けるため、これらのリスクに加えて、自己資金が少ないことによる信用リスクも抱えることになります。

返済負担が大きくなるため、金利上昇や家賃下落の影響を受けやすく、最悪の場合、競売にかけられる可能性も高まります。フルローンもリスクはありますが、オーバーローンよりは低いと言えるでしょう。

利用ケース

オーバーローンは、リフォームを伴う物件投資や、自己資金が少ない場合に利用されることが多いです。諸費用やリフォーム費用も含めて融資を受けることで、初期投資を抑えつつ、物件の価値を高めることができます。

一方、フルローンは、頭金を用意できない場合や、初期投資を抑えたい場合に利用されます。物件価格の全額を融資で賄うことで、すぐに不動産投資を始めることができます。

一言メモ

不動産投資は大きな金額が動くため、専門家(ファイナンシャルプランナー、不動産コンサルタント、税理士など)に相談しながら進めることをおすすめします。

オーバーローンを利用した不動産投資の注意点

注意点の画像

オーバーローンを利用した不動産投資は、高いリターンを狙える一方で、リスクも大きいため、綿密な計画と慎重な判断が必要です。成功させるためには、以下の点に注意することが重要です。

返済計画を綿密に立てる

オーバーローンは借入金額が大きいため、返済計画を綿密に立てることが不可欠です。毎月の返済額だけでなく、金利変動や空室発生時の対応なども考慮した計画を立てましょう。キャッシュフロー表を作成し、収入と支出を明確にすることで、返済能力を客観的に評価できます。

また、収入が減少した場合の対応策も事前に考えておくことが重要です。繰り上げ返済のシミュレーションも行い、返済期間の短縮や金利負担の軽減を検討しましょう。

金利変動リスクを理解する

オーバーローンは借入期間が長いため、金利変動の影響を受けやすいです。固定金利型と変動金利型のメリット・デメリットを理解し、将来の金利動向を予測しながら、適切な金利タイプを選択しましょう。

変動金利型を選択する場合は、金利上昇による返済額の増加に備えて、資金計画に余裕を持たせることが重要です。金利情勢に関する情報を常に収集し、必要に応じて借り換えも検討しましょう。

不動産投資ローンの借り換えについて知りたい方は「不動産投資ローンの借り換えはいつがお得?タイミングや流れを解説」の記事をご参照ください。

空室対策を事前に検討する

不動産投資における最大のリスクの一つが空室リスクです。空室が発生すると、家賃収入が得られなくなり、返済計画に影響が出ます。オーバーローンを利用する場合は、空室リスクを最小限に抑えることが重要です。

そのため、需要の高いエリアや物件を選ぶ、競争力のある家賃設定をする、適切な管理会社を選ぶなど、空室対策を事前にしっかりと検討しましょう。入居者ニーズを把握し、リフォームや設備投資を行うことも有効です。

信頼できる不動産会社を選ぶ

不動産投資は、不動産会社との信頼関係が重要です。実績があり、信頼できる不動産会社を選ぶことで、適切な物件紹介や資金計画のサポートを受けられます。複数の不動産会社から提案を受け、比較検討することで、より良い条件で物件を購入できる可能性が高まります。

一言メモ

不動産会社の選定においては、不動産会社の担当者との相性も重要です。気軽に相談できる担当者を選ぶことで、安心して不動産投資を進められます。

資金計画のシミュレーションを複数パターン行う

将来の金利上昇や家賃下落、空室発生などのリスクを想定し、複数のシナリオで資金計画のシミュレーションを行うことが重要です。

最悪のケースを想定することで、想定外の事態が発生した場合でも、冷静に対応できます。また、複数の金融機関から融資の提案を受け、比較検討することで、より有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。

資金計画のシミュレーション例
項目 楽観的なケース 標準的なケース 悲観的なケース
金利 1% 2% 3%
空室率 0% 5% 10%
家賃下落率 0% 5% 10%

不動産投資ローンの金利について知りたい方は「不動産投資ローンの金利相場を紹介|低金利で融資を受けるには?」の記事をご参照ください。

専門家への相談

不動産投資は、高額な取引であり、専門的な知識が必要です。ファイナンシャルプランナーや税理士、不動産コンサルタントなどの専門家に相談することで、客観的なアドバイスを受けられます。

特に、オーバーローンを利用する場合は、リスクが高いので、専門家の意見を参考にしながら、慎重に判断することが重要です。相談することで、自分では気づかなかったリスクや対策方法を知ることができる場合もあります。

不動産投資におけるオーバーローンとフルローンの違いまとめ

不動産投資におけるオーバーローンは、物件価格以上の融資を受けることで、自己資金を抑えて投資を始める方法です。レバレッジ効果で大きなリターンを狙えますが、金利上昇や空室リスクなどデメリットも存在します。フルローンと比較すると、融資額は大きくなりますが、審査は厳しく、リスクも高まります。

綿密な返済計画、金利変動リスクの理解、空室対策、信頼できる不動産会社選び、そして不動産投資の勉強は必須です。リスクを理解した上で、計画的に投資を行うことで、不動産投資の成功をつかみ取りましょう。

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このコラムを書いた人

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アデプトマネジメント編集部

【宅地建物取引業】大阪府知事(2)第59728号
【賃貸住宅管理業】国土交通大臣(1)第002807号

アデプトマネジメントではお客様のお悩み解決の為に不動産に関わる有益な情報を発信しております。弊社代表の髙橋は約20年に渡り売買・賃貸仲介・管理・投資等の不動産業務に携わってきました。その経験を活かし、不動産業務全般のご相談に対応可能です。投資用マンションの売却査定もお任せください。

このコラムを監修した人

佐々木(宅建士)
佐々木(宅建士)
宅建士

大学卒業後、大手芸能事務所に所属。

現在は不動産オーナー様のお困りごとを隅々までヒアリングし適切なアドバイスや提案をしております。また、10年間続けた野球で培った熱意かつ慎重さを活かしてオーナー様へ迅速な対応をさせていただきます。

持ち味は何より年齢が若いことです。現在24歳。

趣味:サウナ・麻雀・プロ野球観戦(阪神ファンです。)