新型コロナウイルスの影響や、東京オリンピックなど、目まぐるしく変わっている情勢の中で、マンションを売るタイミングはいつがいいのか悩む方は多いのではないでしょうか。
今回は、マンションを売却する際のポイントを、具体的にわかりやすく解説していきます。
マンション売却のタイミングはいつ?
マンションをより高く早く売却するには、「築年数」、「経済情勢」、「時期」、「税金」の4つのポイントが重要になります。
この4点を考慮して、マンションの売却時期を見極める必要があります。物件ごとに、慎重に売却のタイミングを選ぶことが大切です。
「築年数」でマンション売却のタイミングを考える
マンションの築年数は、マンションの売却相場に大きく影響します。
基本的に、新築直後から売却相場が下落していきます。そのため、築年数でマンションの売却のタイミングを考えることは、より高く売りたい人には重要な要素となります。
そこで、マンションの築年数ごとに分けた具体的な売却相場を用いて解説していきます。
築5年以下のマンション
築5年以下のマンションは、比較的高い相場で売却することができます。
マンション売却の際の築年数別の坪単価は、
築1年 | 築5年 | |
---|---|---|
東京 | 261.4万円 | 232.1万円 |
大阪 | 163.2万円 | 137.4円 |
名古屋 | 153.3万円 | 109.2円 |
築1年の場合は新築のマンションを売却した際と比較して26%、築5年の場合は10%下落した価格となります。
新築でなくなった時点で、急激に売却相場が下がることがわかります。
これは、新築のマンションに上乗せされている人件費や広告費、利益である「新築プレミアム」が上乗せされなくなるためです。
築10年以上のマンション
築10年以上のマンションは、新築や築5年以下のマンションよりもかなり売却相場が下がります。
マンション売却の際の築年数別の坪単価は、
築10年 | 築15年 | |
---|---|---|
東京 | 203.8万円 | 175.0万円 |
大阪 | 109.0万円 | 89.6万円 |
名古屋 | 88.6万円 | 72.8万円 |
築10年の場合は新築のマンションを売却した際と比較して38%、築15年の場合は48%下落した価格となります。
3大都市のいずれでも、築20年までのマンション売却相場は右肩下がりになっています。新築プレミアムが上乗せされなくなった後も、価格が下がっていくことがわかります。
築20年以上のマンション
築20年以上のマンションは、都市によってマンション売却相場の変化の仕方が変化します。
マンション売却の際の築年数別の坪単価は、
築20年 | 築30年 | 築40年 | |
---|---|---|---|
東京 | 149.9万円 | 147.6万円 | 142.1万円 |
大阪 | 69.3万円 | 64.0万円 | 49.9万円 |
名古屋 | 56.7万円 | 52.3万円 | 40.3万円 |
築10年以上のマンションの売却相場よりもさらに価格が下落しています。
また、築20年以上のマンションでは、東京の価格の下落が小さいことが、それぞれの価格をみるとわかります。
これは、東京の中古マンションが立地の利便性が良いことが多く、需要が高いため相場が下落しにくいことが要因となっています。
大阪、名古屋の場合は、郊外型のマンションが比較的多いため、相場の下落が続きます。
「経済情勢」でマンション売却のタイミングを考える
マンションの売却には、経済情勢も関わってきます。
2020年は、コロナの影響やオリンピックの延期などが経済に大きな影響を与えました。
これらの経済情勢は、マンション売却相場も影響を受けています。
ここでは、マンション売却相場とコロナの影響、オリンピックの延期の影響という具体的な変化について解説していきます。
コロナの影響
異次元金融緩和が2013年に始まり、コロナウイルスが蔓延するまで、首都圏のマンション市場では限られた地域の新築・中古マンションの価格が上昇する現象が見られました。
しかし、コロナウイルスにより、自粛を余儀なくされ雇用数は減り、消費が落ち込むなど経済を滞らせるような傾向がみられました。
マンション市場では、新築マンションのモデルルームへの来場者数は大幅に減少し、マンション売買を仲介する不動産会社が営業を自粛するなどの影響がありました。
しかし、マンションを売却したい人と購入したい人の両方が自粛することになったため、2020年11月現在ではマンション売却相場の値下がりはみられていません。
また、経済面への不安から中古マンションが売れやすくなったり、在宅勤務の導入増加により郊外や地方にあるマンションが再評価される可能性があります。
コロナウイルスの影響で、今後どのようにマンション売却相場が変動するか予測することは難しいことです。しかし、マンションを売却したい人にとってすべてが悪い影響ではないということは覚えておく必要があります。
オリンピックの延期の影響
コロナウイルスの影響により、オリンピックの延期が決定しました。このことも、マンション売却相場に影響を与えています。
影響を考える必要があるのが、オリンピック開催地周辺の豊洲エリア、晴海エリア、新宿エリアなどの都市部です。
コロナウイルスが蔓延する以前から、オリンピック開催後のマンション売却相場は下落すると言われていました。その理由は、オリンピック後は経済が後退した開催国の例が多く、東京オリンピック後も同様に経済が後退すると言われていたためです。
コロナウイルスによる経済後退も考え、マンションが過剰に建設される勝どき周辺は、マンションの売却をオリンピック前にしておくと安心でしょう。
「時期」でマンション売却のタイミングを考える
1年間のうち、マンション成約件数はどの時期でもほぼ横ばいとなっていますが、3月は年間で最も成約件数の多い月となっています。
そのため、新生活スタート前の冬~春までが売り時となっています。
新生活がスタートする4月ではなく、新生活スタート前がなぜマンション売却に適した時期か、解説します。
新生活スタート前が売り時
転勤や引っ越し、入学は、4月と10月に多くなっています。しかし、マンションを売却するタイミングとして4月は適切ではありません。
その理由として、4月から新生活をスタートする人は4月までにマンションを購入するということが挙げられます。
6ヶ月前である10月から、2ヶ月前である2月頃にかけてマンションを購入しようとして物件を探す人が多くなります。1ヶ月前の3月頃には、すでに契約が成立して引っ越しの準備に取りかかる人が多くなります。
新生活スタート前の冬~春にかけてマンション売却に売り出すのが、一番適した時期であると言えます。
新築マンションの価格が上がった時
新築マンションの価格が上がると中古マンションの価格も上がります。
新築マンションの価格が上がると、高くて買えない人たちが中古マンションを購入するようになります。すると、中古マンションの売買が活性化し、中古マンションの価格も上昇します。
また、株価の高騰や、大規模再開発、都市に戻って来る人の増加による不動産需要の上昇なども関係します。
大規模修繕があった時
大規模修繕には、外壁塗装や屋上防水、エレベーターの入れ替えなどがあります。
修繕することにより、見た目が良くなったり、生活しやすいマンションとなるため、買い主への大きなアピールとなります。
マンションの購入を希望しており、マンションを検索する人の中で一番見たいと需要のある掲載写真は、「建物の外観・デザイン」となっています。
「税金」でマンション売却のタイミングを考える
不動産を売却したときには、譲渡所得が発生します。
譲渡所得とは、売却価額である譲渡価額から、所得費と譲渡費用を引いた金額となります。
基本的に、マンション売却では、譲渡所得がプラスとなるときは税金が生じ、譲渡所得がマイナスとなるときは税金が生じなくなります。
マンションの売買について、節税や税金還付ができる税制特例も多く設けられています。
ここでは、3,000万円の特別控除のタイミングと、長期譲渡所得のタイミングについて詳しく解説していきます。
3,000万円の特別控除のタイミング
上記で解説した譲渡所得から3,000万円を差し引ける特例があります。それは、売却したマンションが居住用財産に該当すると、適用されます。
3,000万円が差し引かれ、譲渡所得がマイナスとなれば、譲渡所得による税金は発生しません。
居住用財産は、自宅やマイホームのことを指します。賃貸のマンションなど、自宅でない物件は3,000万円の特別控除を受けることができません。
空き家であっても、転居してから3年後の12月31日までに売却すれば居住用財産とすることが可能であるため、3,000万円の特別控除を受けることができます。
長期譲渡所得のタイミング
所得税の優遇の観点から、購入時から5年以上経ったあとに売却すると、所得税が少なく済みます。それは、短期間で転売することを防止するために、所有期間5年以下と5年を超える年数で分けられています。
所有期間が5年以下の所得のことを短期譲渡所得と呼び、所得税は30%、住民税は9%となっています。所得期間が5年を超える所得のことを長期譲渡所得と呼び、所得税は15%、住民税は5%となっています。
所得期間 | 税の種類 | 税率 |
---|---|---|
5年以下 | 所得税 | 30% |
5年以下 | 住民税 | 9% |
5年超 | 所得税 | 15% |
5年超 | 住民税 | 5% |
税金を減らしたい人や、購入から5年になるまでの期間が短い人は、マンション購入から5年以上経ってから売却するとよいでしょう。
「売りたい目的」でマンション売却のタイミングを考える
売りたい目的により、マンションの売却タイミングを選ぶこともあります。
例えば、ローンが売却価格より少なくなったタイミング、ライフスタイルの変化があったタイミング、マンションを相続したタイミングが挙げられます。
それぞれのタイミングについて、より深く解説していきます。
ローンが売却価格より少なくなったタイミング
ローンが売却価格より少なくなった状態のことを、アンダーローンと言います。
アンダーローンであれば、マンションの売却でローンの残債を一括で返済できます。そのため、ローンが残っていても、マンションを売却することができます。
ローンが売却価格より多い状態のことを、オーバーローンといい、住宅ローンが完済できないので、抵当権を抹消することができません。マンションを売った代金は住宅ローンの返済に充てられ、不足分は借金として残ってしまいます。
ライフスタイルの変化があったタイミング
転勤、入学などでの引っ越しは、多くの人が経験します。また、家族が増えたり、子供の独立などで生活環境が変化し、現在住んでいる住宅が合わなくなり引っ越しを検討することもあるでしょう。
そのような際には、買い換えとしてマンションの売却するのもひとつの方法です。
高く売れると予想できる物件を購入することで、マンションを売り出す時に高い値段で売却でき、新しいマンションを買うことも可能です。
マンションを相続したタイミング
マンションは建て替えが非現実的のため、何世代にも渡って利用できる資産ではありません。住まない場合には、マンションが老朽化するだけであるため時期に関わらず早めに売った方が賢明です。
また、相続が発生している部屋が多数あるマンションで、所有者不明の部屋が増えてしまうと、管理費や修繕費を徴収することができなくなります。
やがてマンションの管理費不足からマンションの価値が低下し、一戸当たりの修繕積立金が増額されるという問題が発生します。
マンション売却の失敗はなぜ起きるのかを「失敗したと思う人が多い、マンション売却。なぜ起きる。」の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
マンション売却の値下げのタイミングはいつ?
マンション売却の値下げにも、適したタイミングがあります。一般的には3ヵ月で値下げを考えるのを目安にするのがよいと言われています。
また、築年数の節目で考えたり、いつまでに売りたいかで決めることもできます。
早すぎたり、効果のない値下げをして損をしないためにも、タイミングを見計らって値下げをするようにしましょう。
一般的には3ヵ月で値下げを考える
一般的な目安として、マンションを売り出してから>3ヶ月で値下げを検討することがおすすめされます。
これは、マンションの売却に3ヶ月かかるためであり、値下げを検討するのに適したタイミングだと言えます。
売り出して3ヶ月経っていないのに、不動産会社から値下げするよう言われた場合は、早くマンションを売りたいために値下げの提案をしていると考えられます。そのような場合には、不動産会社の変更が賢明です。
築年数の節目で考える
マンションは、築年数が経過するごとに価格が下落しますが、一定の割合で売却相場が減少する訳ではありません。
基本的に、築年数は5年ごとで価格が変わります。そのため、築5年ごとに、値下げを考慮した価格にする必要があります。
築年数が10年を超えると内装劣化で売却相場が下がり、築15年を超えるとローン期間に制約があり、管理状態にも差が出るため、築5年ごとに値下げ価格を考えたほうがよいでしょう。
いつまでに売りたいかで決める
いつまでに売りたいかの明確な時期があるときは、値下げをしないと売却できないことがあります。
就職や入学、転勤などが多い4月と、第2の異動シーズンである10月にマンションが売却しやすくなります。
そのため、この時期に売り出していたにも関わらずにマンションが売れなかったのであれば、値下げを検討する必要があります。
買い手からの問い合わせや内覧希望者の反応を見て、反応が悪い場合は値下げを検討するのがよいでしょう。適切に値下げのタイミングを見計らうことによって、損することなく売却することができます。
マンション売却はいつごろから準備すべき?
マンションの売却をできるだけスムーズにし、納得した売却をするために、売却までの流れを把握することが必要です。
マンションの売却は、事前準備、査定、販売活動、売買契約、決済・引き渡し、確定申告という順で進んでいきます。事前準備には、希望条件の提示や住宅ローン残額の確認、必要書類の準備などがあり、とても煩雑です。
さらに、マンション売却には、3ヶ月程度かかるため、12月までに準備をする必要があります。そのためにも、なるべく早くコンサルに相談しておくと、安心して売却の準備をすることができます。
12月までには準備しておくべき
マンション売却の準備は、12月までに準備を終わらせておくべきです。
それは、新生活が始まる春までに間に合うように売り出すことで、より早く高く売却することができるからです。
12月に準備が必要な書類として、本人を証明する書類、マンションの管理規約、マンションのパンフレット、建築確認済証、権利証(登記識別情報)、固定資産税評価証明書(固定資産税通知書)などがあります。
必要になるタイミングが異なる書類や、役所で発行される書類があり、準備に手間と時間がかかる場合があるため、早めに準備しておくと安心です。
早く売却を進めたい場合には買取も視野に入れる
また、売却するタイミングが近い場合には、不動産会社に買い取りしてもらうことを検討する必要があります。
不動産会社に買取してもらった場合、売買契約や引き渡しの時期が明確となり、売買した代金を早く受け取ることができます。よって、売却時期が不確定であるという仲介による売却の不安を解消して、早期に売却することが可能になります。
不動産会社は売却に必要な諸手続や資金の授受などをすべて行ってくれます。その他、不具合箇所の補修を行ってくれ、事故などの深刻な問題が発生した物件でも買取してもらうことができるというメリットもあります。
マンション売却の流れについて詳しく知りたい方は「マンション売却の流れ9ステップを徹底解説!売却時の注意点は?」の記事をご覧ください。
マンション売却のことならアデプトマネジメント株式会社へ!
マンション売却のタイミングについてお伝えしてきましたが、築年数や税金は分かりやすいですが、経済情勢などは一般の人にはなかなか読むのは難しいでしょう。
そのため、マンションの売却は専門的な知識を持ち、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
アデプトマネジメント株式会社は、マンション売却、賃貸管理、コンサルティングを一貫に行っている会社です。
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