マンションを売却するには不動産会社に物件の査定をしてもらう必要があります。この記事では、マンションを売却する際の査定の流れやポイントを詳しく解説していきます。
マンションの売却時の査定で損をしないためのコツなども紹介していくので、マンションの売却を前向きに考えていて、より高く売りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
マンション売却時の査定を依頼する流れ
マンションを売却する際は、まず不動産会社に査定してもらって、自分のマンションがいくらで売れるのかを把握することが大切です。マンション売却時の査定を依頼する流れは下記の通りです。
- 査定の種類を把握する
- 資料を用意する
- マンションの情報をまとめる
- 査定をしてもらう
下記で、それぞれのステップごとに詳しく解説していきます。
①査定の種類を把握する
マンションを売却する際には不動産会社の査定が必要です。査定方法には「簡易査定」と「訪問査定」の2種類があるので、それぞれの特徴と違いを把握した上で査定を依頼するようにしましょう。
簡易査定(机上査定)
簡易査定は実際に物件を見て査定するのではなく、立地、土地面積や築年数などを元に、周辺の相場や過去にあった取引事例を参考としておおまかな売却金額の概算を出す方法です。
一般的には査定を依頼してから1~2日で査定金額が分かるので、売却を急いでいない人やマンションのある程度の価値を知りたいという方におすすめです。
訪問査定
不動産会社が実際に物件を見て正確な査定額を出すのが訪問査定です。経年劣化の状態や周辺環境を確認した上で査定を行うため、簡易査定よりも精度が高く、より正確な査定額を把握できます。訪問査定を依頼してから査定金額が分かるまでの期間は、おおよそ1週間ほどです。
マンションの売却を急いでいない人は簡易査定、すぐに売却をしたいと考えている、より正確な査定額を知りたいという人は訪問査定を選ぶと良いでしょう。
マンションの査定方法については、「ワンルームマンションの売却価格の査定方法・査定の流れを徹底解説」の記事もご参照ください。
②資料を用意する
マンションの査定を受ける際は、事前に資料を準備しておく必要があります。物件の情報が詳しく記載されている資料を用意しておくことで、正確な査定をよりスムーズに行えるようになるでしょう。マンションの査定を受けるために必要な書類は以下の通りです。
- 購入時のパンフレット
- 間取り図
- 重要事項説明書
- リフォーム工事、耐震改修工事に関する資料
- 管理規約、管理費等の確認資料
間取り図は不動産会社がマンションを売りに出すときに必ず広告に記載されます。その他の資料も不動産会社にとってすべて必要な情報なので、売却を考えている人はあらかじめ用意しておきましょう。
③マンションの情報をまとめる
マンションの住み心地や周辺環境などはデータで判断するのが難しい上に、住んだ本人にしか分からないこともあります。そのため、売りたい物件の良い情報、悪い情報を紙に書くなどしてまとめてから不動産会社に伝えるようにしましょう。
例えば良い情報として、バルコニーから見る夜景やリフォーム実績などがあります。悪い情報は設備の故障や漏水などが挙げられるでしょう。
良い情報を伝えれば物件の査定額が高くなる可能性がありますし、悪い情報も伝えておけば後々トラブルになるリスクを軽減できるので、事前にマンションの情報をまとめて伝えておくことをおすすめします。
④査定をしてもらう
不動産会社に訪問査定をしてもらう場合は、不動産会社の担当者が直接家に来ます。家が散らかっていても査定価格に影響することはありませんが、家の中を確認しやすいように最低限の片付けや清掃を行っておきましょう。ただし、実際に売却をする段階で、購入検討者が見学をする際に散らかっているとマイナスの印象を持たれてしまうので、見学時にはしっかりと片付けや清掃をするべきです。
査定額を上げるためにリフォームなどを行う必要はありません。リフォームをすることで必ず査定額が上がるとは限らないので、売却前のリフォームを検討している方は、不動産会社に相談をしてから行うようにしましょう。
マンション買取をしてもらう場合の査定の手順については、「大阪で不動産買取の査定をしてもらうには?会社の選び方や流れを紹介」の記事で解説しています。買取も視野に入れている方は、参考にしてみてください。
マンション売却時の査定で見られるポイント
できるだけ物件を高く査定してもらうためには、不動産会社が何を重点的に見るかを理解しておく必要があります。ここでは、マンションの査定額をアップさせたい、どんな点を重点的に見られるのかを知っておきたいという方のために、下記の7つのポイントを解説していきます。
項目 | ポイント |
---|---|
立地条件 | 駅までの距離や近隣へのアクセスが良い物件ほど評価が高い |
方角・部屋の位置 | 基本的に高層階ほど評価が高い、方角は南向きが最高評価 |
広さ・間取り | 広ければ広いほど評価が高い、収納スペースが多いと高評価 |
築年数 | 築年数が浅く新しいほど査定価格が高い傾向 |
設備・共用部分 | 設備・共用施設・セキュリティ設備が充実していると高評価 |
管理状態 | 24時間の管理体制が整っているマンションはプラスの評価 |
駐車場 | 住戸数に対する駐車場の充足率が高いほど高評価 |
立地条件
立地条件や周辺環境は、マンションの査定に大きな影響を及ぼす重要なポイントです。具体的には、駅までの距離、学校や病院・近隣店舗へのアクセスなどが見られます。当然、駅までの距離が短いほど査定価格が高くなる傾向です。
公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」では、駅まで徒歩1分のマンションの評価が最高で、駅から遠くなるほど評価が下がるとされています。
方角・部屋の位置
マンションの部屋の方角や位置・階数も査定価格に大きく影響します。方角はバルコニーが面している向きのことで、南向きが最高評価、東西、北の順で低くなるのが一般的です。部屋の位置は、角部屋がプラス査定になりやすいとされています。南東角部屋や南西角部屋は特に評価が高く、二面バルコニーがある場合も評価が高くなりやすいです。
部屋の階数は、基本的に高層階ほど価格が高くなりますが、一階部分に専用の庭や駐車場がついている場合は例外となることもあります。
広さ・間取り
部屋の広さは、基本的に広ければ広いほど評価が高くなります。査定価格は物件の1㎡あたりの価格を算出して専有面積をかけて計算するのが基本的な考えです。したがって、専有面積が広いほどマンションの査定価格も高くなります。
また、間取りでポイントになるのはリビング、ダイニングルームの広さと収納です。収納スペースが多いと高い評価になりやすい傾向にあります。
広すぎる物件は価格が高くなりすぎて売却がうまくいかない可能性もあるため、場合によっては相場よりも物件の価格を下げなくてはいけないこともあるという点に注意しましょう。
築年数
築年数が古いほど査定価格は低くなり、新しいほど査定価格は高くなります。築年数が20年を超えると大幅に価格が落ちてしまう傾向です。
ただ、マンションの査定価格は周辺の相場を基準にそれぞれの物件の価格を査定しているので、周辺の相場が上昇すれば自分のマンションの査定価格も上昇します。必ずしも築年数の経過でマンションの査定価格が下がるというわけではありません。相場の動きや物件の条件次第では、新築時より高く売れることもあります。
設備・共用部分
買主が丸ごとリフォームをすることを前提としている場合は、設備が査定価格に大きく影響することはありませんが、基本的には良い設備が多いほど高い評価になります。キッチンの生ゴミディスポーザーなどの、後付けが難しい設備が備わっている場合は評価される傾向です。
また、マンションの査定ではエントランスやラウンジなどの共用部分、24時間セキュリティシステムなどのセキュリティ設備もチェックされます。共用施設やセキュリティ設備が充実しているマンションは高評価につながります。
管理状態
マンションの管理状態は非常に重要なポイントで、価格査定では管理体制がまず評価されます。マンション管理は管理会社に委託することがほとんどなので、一般的には管理会社の勤務形態で判断するのです。
管理員の勤務形態には、3交代制での24時間管理、9時頃から17時ごろまでの日勤などがあります。もちろん、3交代で24時間管理をしているマンションはプラスの評価です。管理員がいない場合はマイナス評価につながります。
駐車場
マンションに駐車場がどの程度あるかも査定価格に影響することがあります。一般的に、住戸数に対する駐車場の充足率が高いほど価格が高めに評価される傾向です。郊外のマンションなど、駅から離れるほど駐車場の充足率が重視されます。
資産性を考慮して、維持費のかかる駐車場がついている物件よりも、駐車場がなくても立地条件を重視するという考え方もあります。マンションを売却する際は、維持のしやすさや資産性の高さをアピールしてみましょう。
マンションの売却時の査定で損をしないためのコツ
マンション売却をする際は、「できるだけ高く売りたい」「損をしたくない」と思う方がほとんどでしょう。ここでは、マンション売却時の査定で損をしないためのコツを紹介していきます。
- 故障・不具合がある部分をまとめておく
- ある程度清掃をしておく
- 周囲・過去の物件の売却価格を参考にする
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
それぞれ解説していくので、参考にしてみてください。
故障・不具合がある部分をまとめておく
まずは、マンションの劣化、設備の破損・故障、不具合などを確認してまとめておきましょう。見つけた不具合箇所をメモにまとめて、必要なら修繕も検討します。
訪問査定では、不動産会社から不具合のヒアリングが行われるので、すぐに説明できるようにまとめておくと便利です。特に、複数の不動産会社で査定をしてもらう際には、伝え忘れたり伝えたつもりになっていたりすることもあります。忘れず漏れなく伝えるためにも、メモの用意をしておきましょう。
ある程度清掃をしておく
先ほど解説した通り、不動産会社の担当者が査定に来るときは、最低限の清掃をしておきましょう。掃除の有無は査定額に大きな影響を与えるものではないといえ、家の劣化や汚れの状態は査定額を出す上での指標となります。
万が一にも査定額にマイナスな影響を与えないように、掃除は忘れずに行っておきましょう。特に、水回りなどの汚れやすい部分を掃除しておくのがおすすめです。
周囲・過去の物件の売却価格を参考にする
自分のマンションの査定額が適正であるかを判断するためには、周辺の物件や過去の物件の売却価格の相場を把握することが大切です。実際にあった取引や過去の売却価格を参考にすれば、自分のマンションの査定額の相場が掴めるでしょう。
相場を知っていれば、不適切な査定額を提示している不動産会社も見極められるようになります。マンションの売却価格で損をしないためには、ある程度の相場を事前に調べておくと良いです。
複数の不動産会社に査定を依頼する
査定結果は不動産会社によって異なるので、複数の不動産会社に査定の依頼をすることで、どのくらいの価格が適切なのかを把握できるようになります。
マンションの売り出し価格は査定額を参考に算出するのが基本です。そのため、そもそも査定額が適切でなかったとなると、売り出し価格が高すぎて売れなかったり、安すぎて利益が得られなくなってしまったりと、損をする可能性があります。
不動産会社に査定をしてもらったら、査定額の根拠を聞くようにしましょう。他の会社よりも査定額が高い・安いのはなぜかなど、理由を聞いて納得ができる明確な返答があれば信頼できる会社だといえます。複数社で比較することで、より自分に合った不動産会社を見つけられます。
マンションの査定で気を付けるべき点については、「マンションの査定依頼時に気をつけることとは|時系列ごとに解説」の記事をご参照ください。
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マンションを売却する際は、まず不動産会社に査定を依頼して、自分のマンションがいくらで売れるのかを把握しておくことが大切です。査定の流れは以下の通りです。
- 査定の種類を把握する
- 資料を用意する
- マンションの情報をまとめる
- 査定をしてもらう
査定では、立地条件、方角・部屋の位置、広さ・間取りなど、さまざまなポイントを確認されます。不動産会社によって査定価格が異なるので、複数の会社に依頼をして自分に合うところを探してみてください。
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