初めてマンション売却をする方の中には、「マンション売却をどのような流れで進めれば良いのか分からない」という方もいるでしょう。
そこでこの記事では、マンション売却の流れを9ステップに分けて解説していきます。マンション売却時に気になる疑問などもまとめているので、マンション売却の全体の流れを把握しておきたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
【9STEP】マンション売却の流れ
マンション売却の際に重要なのは、どのような流れで進めていくのかという全体像を把握することです。全体の流れを把握していれば、スムーズに売却活動を進められるでしょう。マンション売却の全体の流れは、主に下記の9ステップです。ステップごとに詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
項目 | 内容 |
---|---|
①全体の流れや売却期間を把握する | マンション売却完了までの期間は約6か月 |
②必要書類を用意する | 購入時に受け取っている書類や取得に時間がかかる書類などもあるので注意が必要 |
③マンションの査定を依頼する | 複数社で査定をすれば、マンションの売り出し価格の相場を把握できる |
④不動産会社を選ぶ | 売却価格だけではなく、さまざまな観点から比較して売却を依頼する不動産会社を選ぶ |
⑤不動産会社との契約を締結する | 3つの媒介契約の違いを比較して自分に合った契約方法を選ぶ |
⑥売却活動を開始する | 売り出し価格を設定して売却活動を開始する |
⑦売買契約を締結する | 売主・買主・不動産会社の担当者で集まり、契約書に署名と捺印をして手続き完了させる |
⑧引き渡しをする | 売買契約を結んでから約3か月以内にマンションの引き渡しと売買金額の決済が行われる |
⑨確定申告をする | マンション売却をした翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をする |
①全体の流れや売却期間を把握する
最初に、マンション売却の全体の流れを把握しておきましょう。①の全体の流れの把握から、⑦・⑧のマンション売却完了までの期間は約6か月です。
6か月はあくまで目安なので、買主がすぐに見つかった場合は6か月よりも早く売却完了するでしょう。もっと長い期間が必要になる場合もあるので、売却したい時期に合わせて早めに行動するようにしてください。
売却段階 | 売却の流れ | 必要な期間 |
---|---|---|
売り出し前 | ①全体の流れや売却期間を把握する | 1~4週間 |
②必要書類を用意する | ||
③マンションの査定を依頼する | ||
④不動産会社を選ぶ | ||
⑤不動産会社との契約を締結する | ||
売り出し中 | ⑥売却活動を開始する | 1か月~3か月 |
売り出し後 | ⑦売買契約を締結する | 1~2か月 |
⑧引き渡しをする | ||
⑨確定申告をする |
②必要書類を用意する
マンション売却をスムーズに進めるためには、必要書類をあらかじめ用意しておくことが大切です。マンション売却を行う際に必要になる書類は、以下の通りです。
- 登記簿謄本または登記事項証明書
- 登記済権利証または登記識別情報
- 間取りが把握できる書類
- 売買契約書
- 本人確認証明書
- 物件購入時の重要事項説明書
- マンションの管理規約または利用規約
- 固定資産税納税通知書
- 固定資産税評価証明書
- 銀行口座書類・通帳
- 印鑑登録証明書
- 土地測量図・境界確認書
- 設備の仕様書
- 建築設計図書・工事記録書
購入時に受け取った書類を取っておく必要がある書類や、取得に時間がかかる書類などもあるので、必要な書類を事前に確認しておきましょう。
③マンションの査定を依頼する
マンションの売却のために必要な書類が揃ったら、不動産会社にマンションの査定をしてもらいましょう。査定をすることで、自身の所有しているマンションがいくらで売却できるのかを知ることができます。適切な売り出し価格を把握して、より具体的な資金計画を立てるために、査定は欠かせません。
査定を依頼する際は、複数の不動産会社に依頼をするのがおすすめです。査定額は不動産会社によって幅があるので、一社のみに依頼をすると、「本来はもっと高値で売却ができた」ということになりかねません。
複数社で査定をすれば、マンションの売り出し価格の相場を把握できるので、マンションの価値を客観的に判断できるようになるでしょう。
④不動産会社を選ぶ
不動産会社にマンションの査定をしてもらったら、どの不動産会社と契約をするのかを決めましょう。決める際には、下記のようなポイントに注目すると良いです。
- 査定価格に満足ができるか
- 査定価格に明確な根拠はあるか
- 不動産会社の取引実績や売却実績は豊富か
- 不動産会社にマンション売却の専門性があるか
- 担当者の対応は良いか
- 疑問や質問にも親身に対応してくれるか
不動産会社によって、実績の有無や対応が異なります。売却価格だけに注目するのではなく、さまざまな観点から比較して売却を依頼する不動産会社を選びましょう。
⑤不動産会社との契約を締結する
売却を依頼する不動産会社を決めたら、次は不動産会社との契約を締結します。不動産会社との契約方法には、下記の3つの種類があります。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
それぞれの違いを表でまとめると、下記の通りです。契約方法によってさまざまな違いがあるので、詳しく見ていきましょう。
契約者 | 契約の制限 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
---|---|---|---|---|
オーナー | 複数社との契約 | ◯ | × | × |
自己発見取引 | ◯ | ◯ | × | |
不動産会社 | 契約の有効期限 | × | ◯ 3か月以内 |
◯ 3か月以内 |
レインズへの登録 | × | ◯ 7日以内に登録 |
◯ 5日以内に登録 |
|
業務状況報告義務 | × | △ 2週間に1回以上 |
◯ 1週間に1回以上 |
一般媒介契約
3つの契約方法の中でもっとも自由度が高いのが「一般媒介契約」です。一般媒介契約は複数の不動産会社と契約を結ぶことが可能で、自分で買主を見つける自己発見取引もできます。複数の不動産会社と契約をしたい、自分で買主を見つけられる可能性がある方は、こちらの契約方法を選ぶのがおすすめです。
ただし、自由度が高い一方で不動産会社に対する制限も緩いという特徴もあります。契約の有効期限や業務状況の報告義務がないので、不動産会社が積極的に動いてくれない可能性があるという点に注意が必要です。
また、レインズ(REINS)と呼ばれる不動産取引のための大規模なデータベースへの登録も義務付けられていません。
専任媒介契約
一般媒介契約と後述の専属専任媒介契約の中間に位置するのが「専任媒介契約」です。3つの契約方法でお悩みの方は、一番バランスの良い専任媒介契約を検討してみると良いでしょう。
複数の不動産会社と契約を結ぶことはできませんが、自分で買主を見つけることは可能です。ただし、一定の費用が発生するという点に注意しましょう。
また、不動産会社に対しては、3か月の契約期限、2週間に1回以上の業務状況の報告、7日以内のレインズへの登録が義務付けられています。
専属専任媒介契約
自由度が低い一方で、不動産会社への制限も厳しく設けられているのが「専属専任媒介契約」です。複数の不動産会社と契約を結ぶことも、自分で買主を見つけることもできません。
不動産会社に対しては、3か月の契約期限、1週間に1回以上の業務状況の報告、5日以内のレインズへの登録が義務付けられています。不動産会社への制限が厳しいので、3つの契約方法の中で、特に不動産会社が積極的に動いてくれる可能性が高い方法です。
それぞれの媒介契約の特徴やメリットを詳しく知りたい方は、「媒介契約は3種類|それぞれの特徴やメリットデメリットをまとめて解説」の記事をご参照ください。
⑥売却活動を開始する
不動産会社と契約を結んだら、次は買主を見つけるために売却活動を開始します。売却活動を始める際は、まず売り出し価格を決めましょう。売り出し価格が高額すぎると買主が見つかりませんし、低すぎると収益につながらなくなります。査定価格を参考に不動産会社と相談して、適正価格から離れすぎない範囲で価格設定をすることが大切です。
売り出し価格を決めたら広告を出して、実際に売却活動を始めていきます。広告は不動産会社がインターネットやチラシなどで出してくれるので、売主が動く必要はありません。売主側で行うのは、内覧の準備や内覧をする際の対応です。
掃除をするだけでも室内の印象は大きく変わるので、内覧時に「購入したい」と思ってもらえるように、室内の清掃や不要な荷物の処分などをしっかりと行いましょう。
⑦売買契約を締結する
売却価格や引き渡し日などの条件交渉をして、正式にマンションの買主が見つかったら、売買契約を締結します。売主・買主・不動産会社の担当者の3人で集まり、重要事項の説明などをしたら、契約書に署名と捺印をして手続き完了です。
一度署名と捺印をすると、後から内容を変更するのが難しいので、しっかりと内容を確認しておきましょう。手続き完了後に買主から手付金を受け取り、売主は不動産会社に対して仲介手数料の支払いを行います。手付金の一般的な相場は、マンションの売買金額の5~10%ほどです。
⑧引き渡しをする
売買契約が完了したら、次は決済をしてマンションの引き渡しを行う流れです。マンションの引き渡しは、売買契約を結んでから約1か月以内に行われます。売主・買主・不動産会社・金融機関の担当者が一堂に会して、売買金額の残金の決済と合わせて行うのが一般的です。決済が終わったら、マンションの鍵や必要書類などを引き渡して完了となります。
⑨確定申告をする
マンション売却で利益を得たら、確定申告を行う義務があります。確定申告を行わないと、税金を抑えるための特例の利用ができないだけでなく、追加課税をされてしまうので注意が必要です。
確定申告は、マンション売却をした翌年の2月16日~3月15日の1か月の間に管轄の税務署で行います。必要書類の用意に時間がかかる可能性もあるので、早めに手続きをするようにしましょう。手続きはオンラインから行うことも可能です。
不動産売却後の確定申告の方法については、「不動産売却後の大きな壁は確定申告!確定申告の方法や書類の種類を詳しく解説」の記事をご参照ください。
マンション売却を行う際に気になる疑問まとめ
最後に、マンションの売却時に気になる疑問をまとめました。上記のマンション売却の流れを見てまだ疑問が残るという方は、ぜひ参考にしてみてください。
マンション売却にかかる費用は?
マンション売却にかかる費用は、大きく分けて売るまでに必要な費用と、売った後にかかる費用の2種類があります。売るまでに必要なのは、ハウスクリーニング費用、引越し費用、不動産会社に支払う仲介手数料などです。売った後にかかるのは、売却益に対してかかる税金です。税理士に確定申告の代行を依頼する場合は依頼費用もかかります。
マンション売却にかかる費用については、「マンション売却の費用を完全把握。ベストな選択肢を選ぼう」の記事で詳しく解説しています。
マンション売却時の注意点は?
先ほども少し解説しましたが、マンション売却をする際は、マンション売却が得意な不動産会社に依頼をするようにしましょう。不動産会社によって得意分野が異なるため、きちんとマンション売却の実績が豊富な不動産会社を探すと安心です。
マンションがなかなか売却できない場合もあります。その際は不動産買取も検討してみてください。不動産買取は買主に売却をするのではなく、不動産会社が直接マンションの買取をする方法です。不動産売却と比べると売買金額が下がる傾向にありますが、早期に売却ができます。
大阪で不動産買取の査定をご検討の方は「大阪で不動産買取の査定をしてもらうには?会社の選び方や流れを紹介」の記事をご参照ください。
マンション売却をご検討なら弊社にご相談ください
マンション売却はそう何度も行うものではないので、全体の流れを把握できていないという方も少なくないでしょう。マンション売却を行う流れは、大きく分けて下記の9ステップです。
- 全体の流れや売却期間を把握する
- 必要書類を用意する
- マンションの査定を依頼する
- 不動産会社を選ぶ
- 不動産会社との契約を締結する
- 売却活動を開始する
- 売買契約を締結する
- 引き渡しをする
- 確定申告をする
マンション売却を検討している方は、記事を参考に流れを把握してみてください。売却に不安を抱えている、売却活動に関して疑問があるという方は、ぜひアデプトマネジメントにご相談ください。
アデプトマネジメントはマンション売却の実績が豊富で、これまでの取引で培った経験から適切なアドバイスをさせていただきます。マンション売却に関する相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。