戸建て投資の利回りとは?利回りを上げる方法をわかりやすく解説

戸建て投資の利回りとは?利回りを上げる方法をわかりやすく解説

戸建て投資で資産形成を目指す人が増えていますが、利回りをいかに上げるかが課題となっています。賃貸経営で利回りを左右する最大の要因は、空室期間と賃料単価です。

空室リスクを最小限に抑え、適切な改修で家賃を引き上げることで、利回りは大きく改善します。

本記事では、戸建て投資の利回り向上に役立つ実践的なノウハウをご紹介します。

戸建て投資の利回りとは

戸建て投資の利回りとは、投資した金額に対してどれくらいの利益を得られるかを表す指標です。具体的には、年間家賃収入を物件取得価格で割った百分率で算出されます。

表面利回り(%)年間家賃収入÷物件取得価格×100

物件取得価格には、物件購入価格や改修費用などの初期投資に加え、維持管理費用などの年間経費が含まれます。一方、年間家賃収入は家賃収入から経費を差し引いた金額です。

一言メモ

利回りが高いほど、投資額に対する利益が大きく、一般的に利回り5%以上が良いといわれています。

不動産投資の利回りについては、「不動産投資の利回りの最低ラインは?狙い目の物件の特徴も合わせて解説」の記事でも紹介していますので、本記事とあわせてご覧ください。

戸建て投資の利回りの相場は条件で異なる

戸建て投資の利回りの相場は条件で異なる

戸建て投資の利回りは、条件によって大きく異なります。投資物件の立地条件や築年数、資金調達方法など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているためです。

以下で、条件別の戸建て投資の利回りの相場をご紹介します。

築年数による利回り

築年数は利回りに大きな影響を与える要素の一つです。

一般的に、築年数が古いほど物件価格は安くなる傾向があります。そのため、新築物件と比べ、中古物件の利回りの方が高めです。しかし、築年数が古くなると、修繕費などが高くなるというデメリットもあります。おおよその目安は以下の通りです。

  • 新築物件:5~6%前後
  • 中古物件:6~8%前後
一言メモ

築年数による利回りの違いは一般的な目安にすぎません。投資物件の選定にあたっては、総合的に利回りを検討する必要があります。

立地による利回り

戸建て投資物件の立地によっても、利回りは大きく異なります。一般的に、都心部に近いほど地価が高く、利回りは低くなる傾向にあります。

東京23区内でも利便性の高い駅近物件は利回りが低く、駅から離れるにつれ利回りが上がるのが一般的です。

地方と都心部の利回りの差イメージ
立地 利回り
地方 10%
都心部 7%
一言メモ

ただし、立地が良ければ家賃相場も高くなるため、収支的には同等程度の利回りになる場合もあります。ご自分の投資目的に合わせた立地の選定が重要です。

土地がある場合の利回り

戸建てと土地を購入して戸建て投資を始める場合は、土地の価格が高額なため、初期費用が高額で利回りは下がる傾向にあります。ただし、戸建てと土地を相続などで取得し、リフォームできるのであれば、高利回りが期待できます。

また、相続などで土地を取得し、戸建てを新築して投資を始める場合も土地代がかからない分、利回りは高くなるでしょう。

一方、土地がなく建物のみの場合は将来的に建て替えが必要になり、長期的な収益が見込めないというデメリットもあります。

一言メモ

投資目的に応じて、土地の有無を判断する必要があります。

オーナーチェンジでの利回り

オーナーチェンジは、賃貸住宅の所有者が入居者がいる状態で建物を売却することを指します。期待利回りで10%程度となり、新築ほど初期費用がかからない分、高利回りで始められます。

ただし、築年数が経過すれば、修繕費用が必要になる可能性があります。

そのため、オーナーチェンジの戸建て投資は利回りが高い一方で、中長期的なリスク管理が重要です。

一言メモ

建物の築年数や立地条件を踏まえ、適切なタイミングで修繕や建て替えを検討する必要があるでしょう。

戸建て投資のメリット

戸建て投資のメリット

戸建て投資は賃貸による安定した収入が見込めるため、長期的な資産形成に適しています。また、一棟まるごと所有できることから、より自由度の高い運用が可能です。

以下で、戸建て投資の具体的なメリットを解説しましょう。

長期的な入居が望める

戸建て投資は、入居者がアパートや賃貸マンションと比較すると、長期的に入居し続けやすいです。特に戸建ての場合は、ファミリー層が多く、地域に根を張って生活するため、マンションと比べて家を長く借りてもらえる傾向にあります。

入居者の入れ替わりが少ないため、賃貸経費を抑えられるメリットがあります。ファミリー層は転勤などの理由以外は、子供の教育環境などを考えると、なるべく住み続けたいと考えがちです。そのため、マンションよりも戸建て物件の方が、長期入居が期待できます。

自由に物件を蘇らせることができる

戸建て投資は、物件のリフォーム改修が自由にできます。老朽化した設備や内装を入れ替えることで、物件の資産価値を大幅に上げることができるでしょう。例えば、以下のような改修工事が考えられます。

戸建て投資の改修工事
工事内容 効果
キッチン・浴室の設備入れ替え 新しい設備により、入居者の満足度が向上する
内装の一新 新築同様の内装となり、賃料アップが期待できる
間取りの変更 広さや部屋数を増やすことで、家族向けなどの需要に対応する

このように自由に改修できるため、立地条件や築年数に応じた最適な戸建て投資が可能となります。

おすすめポイント

投資物件のライフサイクルを長く保ち、長期的な収益の最大化が図れるのが戸建て投資の大きな魅力です。

維持費が安い

戸建てはマンションのような共用部分がほとんどないため、維持費が安価で済みます。

マンションでは共用部分の管理費や修繕積立金が必要になりますが、戸建ての場合は外構植栽管理費のみで済むためです。また、マンションでは一部屋の修繕でも共有部分まで影響が及ぶ可能性がありますが、戸建ては一棟で完結するため、修繕費も抑えられる傾向にあります。

一言メモ

戸建て投資は大規模修繕に備える必要がなく、維持費を最小限に抑えられるでしょう。

資産価値が落ちにくい

戸建て投資物件は、マンションと比べて資産価値が落ちにくい傾向があります。戸建ての場合、老朽化しても建て替えることで価値を維持し向上させることができます。一方、マンションは建て替えが難しいため、資産価値が下がりやすくなるでしょう。

このように、建物部分は時の経過で資産価値が下落するものの、土地部分は経年劣化が起きないため、資産価値が落ちにくい傾向にあります。

一言メモ

戸建て投資は長期的に資産価値を維持しやすく、投資対象として魅力的です。

戸建て投資のデメリット

戸建て投資のデメリット

戸建て投資はさまざまな利点がある一方で、デメリットも存在します。投資には必ずリスクが伴うため、事前に認識しておきましょう。

以下で戸建て投資のデメリットを詳しく解説します。

利幅が少ない

戸建て投資の場合、一棟の物件から得られる家賃は一件分のみです。一方、マンション経営であれば、一棟から複数の家賃収入が得られます。

また、戸建て住宅は入居者が一世帯のみのため、空室になると家賃収入が0円になります。一方、マンションやアパートの場合は、複数の入居者がいるため、空室リスクが分散されるでしょう。

一言メモ

このように、戸建て投資は収益拡大までに時間がかかる傾向にあります。

修繕やリフォームの費用が多額になる

戸建て投資は、修繕やリフォームの費用が多額になる可能性があります。戸建ては築年数が経過すると、さまざまな箇所で老朽化が進行するためです。

主な修繕費用には以下のような例があります。

戸建ての修繕費用事例
修繕箇所 目安費用
屋根葺き替え 50万円〜150万円
外壁塗装 100万円〜200万円
ベランダリフォーム 30万円〜70万円
床・内装リフォーム 50万円〜300万円

築年数が古くなるほど、修繕費用は高額になる傾向にあります。また、入居者の要望に応じてリフォームを行う場合も費用がかさむでしょう。

注意ポイント

戸建て投資では建物の維持管理費がかさむ点に留意してください。物件の状態を十分に見極めた上で、修繕費用を想定して投資判断を行うことが重要です。

不動産投資ローンが組みにくい

戸建て投資はマンション投資と比べて、不動産投資ローンを組むことが難しい傾向にあります。戸建て住宅はマンションの一室と比べ、物件価格が高いです。そのため、投資額が大きくなり、融資を受けられる金額が限られ、自己資金の割合が多くなります。

特に中古の戸建て投資の場合は、物件価格が比較的低額になるため、融資額自体が小さくなることが多くなります。また、中古物件は担保評価が得にくいことから、ローンの審査が承認されにくい傾向にあるでしょう。

一言メモ

このように、戸建ての中古物件の場合はローンを組むのが難しい面があるため、自己資金の準備や賃貸事業の実績の積み重ねが重要になります。

戸建て投資の利回りを上げる方法

戸建て投資の利回りを上げる方法

戸建て投資は比較的リスクが低く、長期的な資産形成が期待できます。しかし、利回りを上げるためには適切な投資判断効率的な運用が欠かせません。

以下で、戸建て投資の利回りを上げる方法を解説します。

高利回りの物件を選ぶ

戸建て投資で高利回りを得るためには、高利回りの物件を選ぶことが重要です。利回り率が高い物件の特徴を把握し、適切に選定することで収益性を高められます。

一般的な目安は、以下のような物件です。

  • 築30年以上の中古戸建て
  • 立地が駅から遠い物件
  • 土地が付いていない賃貸一棟物件

このような物件は、割安な購入価格が見込めるため、高利回りが期待できます。また、オーナーチェンジ物件も高利回りを期待できるでしょう。

注意ポイント

利回りが高ければ高いほど投資効率は上がるものの、極端に利回りが高い物件には、さまざまなリスクが隠れている可能性があるため注意が必要です。そのため、利回りが高いからといって無秩序に投資を行うと、かえって損失を被るおそれがあります。

狙い目の物件の特徴については、「不動産投資の利回りの最低ラインは?狙い目の物件の特徴も合わせて解説」の記事でも紹介していますので、本記事とあわせてご覧ください。

事前に実質利回りを計算する

戸建て投資の利回りを正確に把握するには、表面利回りだけでなく、実質利回りを算出する必要があります。実質利回りとは、年間家賃収入から諸経費を差し引いた金額を、購入価格で除した割合のことです。

表面利回りと実質利回りは、以下の計算式で算出できます。

表面利回り(%)年間家賃収入÷物件取得価格×100

実質利回り(%)(年間家賃収入ー諸経費)÷物件価格×100

諸経費には固定資産税や修繕費、火災保険料、空室損失、管理費等が含まれます。表面利回りだけで経営の将来性を判断すると、実際の利益とかけ離れる可能性があるため危険です。事前に物件の実質利回りをシミュレーションし、正確な算出をしましょう。

一言メモ

実質利回りが低い場合は、投資を見合わせるか、利回りを上げる対策を立てる必要があります。適切なシミュレーションにより、実際の利益と大きな差が発生するリスクを防ぐことができます。

検討時に賃貸ニーズを判断する

戸建て投資物件の利回りを上げるには、周辺環境や開発予定、エリアの人口推移などを見極め、地域のニーズに合った物件を選ぶことが重要です。

例えば、利便性の高い駅近物件なら、単身者や核家族向けのコンパクトな戸建てがニーズに合います。一方、閑静な住宅街に立地する広めの戸建ては、子育て世帯に人気があります。

地域の特性 ニーズのある入居者層
駅近 単身者、核家族
商業地の近く 単身者、核家族
閑静な住宅街 子育て世帯
教育環境が整っている 子育て世帯
一言メモ

このように賃貸ニーズを的確に捉え、需要の高い物件を選ぶことで、高い入居率と家賃収入を維持できます。

自分でリフォームする

戸建て物件をリフォームすることで、より魅力的な物件となります。家賃収入を上げることができ、利回りの向上が期待できるでしょう。

しかし、戸建て投資物件のリフォームを業者に任せると、高額な費用がかかってしまいます。そこで、自分で直接リフォームを行えば、費用を大幅に抑えることができるでしょう。また、自分でリフォームを行う場合は自由度が高く、より魅力的な内装にすることも可能です。

注意ポイント

自分でリフォームを行う際は、確実な腕前と十分な時間の確保が必要です。作業ミスが生じると、かえって費用がかさむ可能性もあるため、注意してください。

空室を出さないようにする

戸建て投資物件で空室期間が発生すると、賃料収入がストップするだけでなく、空室期間中の固定資産税や火災保険料などの維持費もすべて投資家の負担となります。そのため、空室期間をいかに短くできるかが利回り向上のカギとなります。

具体的には以下の空室対策が有効です。

空室を出さないようにする対策
  • 空室が出る前から、次の入居者募集を開始する
  • 不動産ポータルサイトへの掲載やチラシ配布など広範な募集活動を行う
  • 入居者からの退去連絡を見落とさない
  • 定期的な現地訪問で状況を把握する
  • 入居者退去後は速やかに改修を行う
  • 事前に改修業者との連携を密にしておく
  • 周辺相場を意識した賃料設定で入居を促進する
  • 立地特性や物件グレードを考慮し、適正賃料を設定する
  • 高速インターネットなど機能性の高い設備を導入する
  • 防犯カメラやオートロック等のセキュリティ対策を講じる
  • 内外装のリフォームで新築同様の美しさを実現する

このように、空室期間を最小限に抑え、物件の魅力を高めることで、より多くの入居希望者を獲得し、利回りを引き上げることができるでしょう。

入居者審査を徹底する

入居者審査を徹底することは、空室リスクを低減し、家賃滞納リスクを低減することで、利回りを上げる可能性があります。

審査項目のポイントには以下のような例が挙げられます。

  1. 家賃の3倍程度の年収がある方にする
  2. 転職の多い方は避ける
  3. 前の家主と連絡を取り、評価を確認する
  4. 連帯保証人がいる方にする

このように、入居者の経済力人となりを確認する必要があります。特に高額賃料の物件の場合は、審査を慎重に行いましょう。

また、戸建て賃貸の管理は専門性が高いため、戸建ての賃貸管理実績が豊富な管理会社を選ぶことをおすすめします。

一言メモ

経験豊富な管理会社であれば、適切な入居者審査や物件管理ができ、トラブル防止やスムーズな運用が期待できるでしょう。

節税対策をする

戸建て投資で利回りを上げるためには、家賃収入を増やすだけでなく、経費を減らすことも重要です。経費を減らす方法の一つとして、節税対策があります。不動産所得に対する課税は厳しく、適切な対策を取らないと利回りを圧迫してしまうでしょう。

戸建て投資で認められる経費には、以下のような費用があります。

  1. 減価償却費
  2. 火災保険などの保険料
  3. 原状回復のための修繕費
  4. 不動産交渉や契約のための交通費
  5. 固定資産税

また、戸建て投資では、本業からの収入と不動産収入を合わせた損益通算ができ、納税し過ぎた税額の還付を受けられる利点もあります。

戸建て投資で認められる経費にはさまざまな費用があり、他の投資手法に比べて経費計上できる項目が多いのが特徴です。

一言メモ

このように適切な節税対策を講じることで、手取り額を増やし、結果的に利回りを上げることができるでしょう。

戸建て投資のお悩みはアデプトマネジメントにご相談ください

三為契約のお悩みはアデプトマネジメントにご相談ください
今回は、戸建て投資のメリットとデメリット、利回りを上げる方法を解説しました。戸建て投資の利回りを上げるためには、以下の点に注意が必要です。

戸建て物件の利回りを上げるために注意すること
  • 高利回りの物件を選ぶ
  • 事前に実質利回りを計算する
  • 賃貸ニーズを判断する
  • 自分でリフォームする
  • 入居者審査を徹底する
  • 節税対策をする

このように、戸建て投資の利回りを上げるさまざまな工夫を行うことで、好条件での不動産投資が期待できます。アデプトマネジメントは、不動産仲介業務はもちろん、投資用マンション、アパート、戸建ての買取や任意売却まで幅広く対応可能です。

アデプトマネジメントの強みは、不動産投資の豊富な経験と実績、さらに不動産投資の成功率を高めるためのノウハウと、節税に関するスペシャリストも揃っています。現在、戸建て投資をしている方も、これから戸建て投資を始めたい方もお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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このコラムを書いた人

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アデプトマネジメント編集部

【宅地建物取引業】大阪府知事(2)第59728号
【賃貸住宅管理業】国土交通大臣(1)第002807号

アデプトマネジメントではお客様のお悩み解決の為に不動産に関わる有益な情報を発信しております。弊社代表の髙橋は約20年に渡り売買・賃貸仲介・管理・投資等の不動産業務に携わってきました。その経験を活かし、不動産業務全般のご相談に対応可能です。投資用マンションの売却査定もお任せください。

このコラムを監修した人

高橋(宅建士)
高橋(宅建士)
宅地建物取引士・防災士

大学卒業後、大手マンションディベロッパーに入社。
不動産を活用した資産運用コンサルティングを20年以上経験。

>Aiを活用した物件査定と収益査定が得意分野。
自分自身でも収益マンションを複数件所有。
顧客目線で出口戦略や賃貸管理のご提案させていただきます。