【不動産売却】共有名義だと税金はどうなる?ケース別に徹底解説!

【不動産売却】共有名義だと税金はどうなる?ケース別に徹底解説!

共有名義の不動産売却を考えている方、税金はどうなるか不安ではありませんか? この記事では、共有名義不動産の売却時に発生する税金について、種類、計算方法、具体的なケーススタディを通して分かりやすく解説します。

譲渡所得税や住民税の計算方法はもちろん、共有持分や売却益の分配方法による税金への影響も明確に示します。さらに、夫婦、親子、兄弟姉妹など、よくあるケース別のシミュレーションで、具体的な税額のイメージも掴めます。

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共有名義の不動産売却で発生する税金

共有名義の不動産売却で発生する税金

共有名義の不動産を売却すると、売却益に対して税金が発生します。主な税金は譲渡所得税住民税です。これらの税金は、売却益から取得費や譲渡費用などを差し引いた金額に対して課税されます。

譲渡所得税について

譲渡所得税は、不動産を売却して得た利益(譲渡所得)に対して課税される国税です。譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)

  • 売却価格
    実際に不動産を売却した金額です。
  • 取得費
    不動産の購入価格、購入時の手数料、登録免許税、固定資産税などの取得にかかった費用です。建物の場合には、減価償却費も考慮します。
  • 譲渡費用
    不動産の売却にかかった費用で、仲介手数料、印紙税、測量費用などが含まれます。

共有名義の場合の譲渡所得の計算

共有名義の場合、各共有者の持分割合に応じて譲渡所得を按分します。例えば、AさんとBさんが2分の1ずつ共有している不動産を売却した場合、それぞれの譲渡所得は全体の譲渡所得の2分の1ずつとなります。

項目 Aさん Bさん
持分 1/2 1/2
譲渡所得 全体の譲渡所得 × 1/2 全体の譲渡所得 × 1/2

各共有者は、自分の持分に該当する譲渡所得に対して、所得税と住民税を納付する必要があります。詳しくは国税庁のウェブサイトをご覧ください。

住民税について

住民税は、譲渡所得に対して課税される地方税です。都道府県民税と市町村民税から構成されます。譲渡所得税と同様に、各共有者の持分割合に応じて譲渡所得を按分し、それぞれの持分に該当する譲渡所得に対して住民税が課税されます。

税率は、お住まいの都道府県や市町村によって異なります。お住まいの市区町村や担当区域の都税事務所・都税支所または道府県税事務所にご相談ください。

不動産売却での税金対策について「不動産売却の税金対策とは|特別控除で税金を安くするための方法を紹介」の記事で解説しているのでぜひご覧ください。

共有名義の種類と税金への影響

共有名義の種類と税金への影響

共有名義には、大きく分けて「按分共有」と「共同共有」の2種類があります。それぞれ税金への影響が異なるため、売却前に確認しておくことが重要です。

共有持分が異なる場合の税金の計算方法

按分共有の場合、各共有者は自分の持分に応じて税金を負担します。例えば、AさんとBさんが7:3の割合で共有している不動産を売却した場合、売却益も7:3の割合で分配され、それぞれの持分に応じて譲渡所得税が計算されます。

共有者 持分 売却益 譲渡所得税
Aさん 7/10 売却益 × 7/10 (売却益 × 7/10 に基づいて計算)
Bさん 3/10 売却益 × 3/10 (売却益 × 3/10 に基づいて計算)

共同共有の場合、共有者全員が連帯して税金を負担します。

注意ポイント

一人でも税金を支払えない場合、他の共有者が代わりに支払う義務が生じる可能性があります。売却前に共有者間で税金の負担割合についてしっかりと話し合っておくことが重要です。

売却益の分配方法と税金

共有持分通りに売却益を分配するのが一般的ですが、共有者間で異なる割合で分配することも可能です。

ただし、税金はあくまで持分に応じて計算されるため、注意が必要です。例えば、AさんとBさんが7:3の割合で共有している不動産を売却し、売却益を5:5で分配した場合でも、譲渡所得税は7:3の持分に応じて計算されます。

また、売却益を分配せずに共有者の一人が全額受け取る場合、贈与とみなされる可能性があり、贈与税が発生するケースもあります。売却益の分配方法については、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

ケース別 共有名義不動産売却時の税金シミュレーション

ケース別 共有名義不動産売却時の税金シミュレーション

ここでは、共有名義の不動産売却における税金計算の具体例をケース別に見ていきましょう。それぞれ状況が異なるため、税額も大きく変わることがあります。

ケース1:夫婦共有名義で住宅を売却

夫婦共有名義で住宅を売却する場合、所有割合に応じて譲渡所得を計算します。住宅ローン控除の適用有無も重要なポイントです。

住宅ローン控除を受けている場合

住宅ローン控除を受けている場合、控除額を考慮して譲渡所得を計算します。例えば、売却益が500万円、住宅ローン控除の残高が100万円の場合、課税対象となる譲渡所得は400万円となります。

住宅ローン控除の適用期間や控除額によって税額は大きく変動するため、事前に確認することが重要です。

住宅ローン控除を受けていない場合

住宅ローン控除を受けていない場合は、売却益全体が譲渡所得となります。夫婦それぞれが所有割合に応じて譲渡所得を計算し、所得税と住民税を納付します。

売却益が大きい場合は、高額な税金が発生する可能性があるため注意が必要です。

ケース2:親子共有名義で土地を売却

親子共有名義で土地を売却する場合、贈与税の課税に注意が必要です。売却前に親から子へ贈与が行われたとみなされ、贈与税が課税される可能性があります。特に、売却価格が低い場合や、子の持分が小さい場合は注意が必要です。

一言メモ

土地の取得時期や取得価格も税額に影響します。取得時期が古いほど、譲渡所得は大きくなる傾向があります。取得に関する書類は大切に保管しておきましょう。

ケース3:兄弟姉妹共有名義でマンションを売却

兄弟姉妹共有名義でマンションを売却する場合、共有持分の割合に応じて譲渡所得を計算します。

例えば、兄が2/3、弟が1/3の持分でマンションを所有し、売却益が600万円だった場合、兄の譲渡所得は400万円、弟の譲渡所得は200万円となります。それぞれが自分の譲渡所得に応じて所得税と住民税を納付します。

項目
持分 2/3 1/3
売却益 400万円 400万円

売却益の分配方法については、事前に兄弟姉妹間でしっかりと話し合っておくことが重要です。トラブルを避けるためにも、書面で合意を残しておくことをおすすめします。また、マンションの取得時期や取得価格も税額に影響します。取得に関する書類は大切に保管しておきましょう。

不動産売却時にかかる税金について「投資用マンションの売却時にかかる税金と確定申告の方法まとめ」の記事で解説しているのでぜひご覧ください。

共有名義の不動産売却に関するよくある質問

共有名義の不動産売却に関するよくある質問

共有名義の不動産売却に関するよくある質問とその回答をまとめました。

Q1:共有名義の不動産を売却する場合、全員の同意が必要ですか?

原則として、共有名義の不動産を売却するには全員の同意が必要です。共有持分に関わらず、一人でも反対すれば売却はできません。仮に共有者の一人が勝手に売却を進めた場合、他の共有者は売買契約の無効を主張できます。

ただし、共有者の一人が行方不明などで同意を得られない場合、家庭裁判所に共有物分割請求訴訟を提起するなどの手続きが必要になります。

一言メモ

共有者の中に未成年者がいる場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。

Q2:共有名義の一人が亡くなった場合、不動産はどうなりますか?

共有名義の一人が亡くなった場合、その方の持分は相続人に相続されます。例えば、夫婦共有名義の不動産で夫が亡くなった場合、夫の持分は妻と子供に相続されます。そのため、不動産の名義は妻と子供たちの共有名義となります。

相続が発生した場合は、相続登記を行う必要があります。なお、相続人間で遺産分割協議を行い、特定の相続人が単独で所有することになった場合は、その相続人への名義変更登記を行います。また、遺言書が存在する場合は、遺言書の内容に従って相続手続きが進められます。

Q3:共有名義の不動産を一部だけ売却することはできますか?

共有名義の不動産を一部だけ売却することは、原則としてできません。土地や建物を分筆・区分しない限り、共有者全員の持分がまとめて売却の対象となります。

ただし、共有者間で合意が取れ、かつ分筆・区分が物理的に可能な場合は、一部の土地を売却することも可能です。

注意ポイント

自分の持分だけを他の共有者または第三者に売却することは可能ですが、他の共有者に優先的に購入する権利(先買権)がある場合がありますので注意が必要です。

Q4:共有持分を売却した場合の税金はどうなりますか?

共有持分を売却した場合も、他の不動産売却と同様に譲渡所得税がかかります。譲渡所得は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。

取得費には、購入時の価格や登録免許税、不動産取得税などが含まれます。譲渡費用には、仲介手数料や印紙税などが含まれます。

一言メモ

共有名義の場合、それぞれの共有者が自分の持分に応じて譲渡所得を計算し、税金を納付します。

Q5:共有名義の不動産売却で税金を軽減する方法はありますか?

共有名義の不動産売却でも、様々な特例や控除を利用することで税金を軽減できる可能性があります。代表的なものとしては、居住用財産の3,000万円特別控除買換え特例などがあります。

これらの特例は一定の条件を満たす必要があるため、事前に確認することが重要です。また、売却時期を調整することで税負担を軽減できる場合もあります。例えば、長期譲渡所得に該当する場合、税率が低くなります。

譲渡所得税については「不動産売却時の譲渡所得税はいくら?計算方法や税率を解説」の記事をご参照ください。

Q6:共有名義の不動産を売却する際に、注意すべき点はありますか?

共有名義の不動産を売却する際には、共有者全員の合意形成が最も重要です。売却価格や分配方法など、事前にしっかりと話し合い、書面に残しておくことがトラブル防止につながります。

また、売却手続きは複雑な場合もあるため、不動産会社や税理士などの専門家に相談することもおすすめです。特に、相続が発生している場合や、共有者間でトラブルが生じている場合は、専門家のサポートが不可欠となるでしょう。

項目 内容
共有者間の合意 売却価格、分配方法、手続きなどについて、共有者全員で合意する必要があります。
必要書類 登記済権利証、固定資産税評価証明書、住民票など、様々な書類が必要になります。
専門家への相談 不動産会社、税理士、司法書士などに相談することで、スムーズな売却を進めることができます。

不動産売却の共有名義での税金まとめ

不動産売却の共有名義での税金まとめ

共有名義の不動産売却は、単独名義の場合と比べて税金の計算手続きが複雑になります。共有持分や売却益の分配方法によって、各共有者の税負担額が変わるため、事前の計算が重要です。

特に、譲渡所得税は、取得費や譲渡費用、各種控除などを考慮して計算する必要があるため、専門家への相談も有効です。共有者間で売却益の分配方法について合意しておくことも、後々のトラブル防止につながります。

本記事で解説したケーススタディや特例を活用し、スムーズな不動産売却を実現しましょう。

不動産売却でお悩みの方は、ぜひアデプトマネジメントにお任せください。ご相談は、お問い合わせフォームから受け付けております。

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このコラムを書いた人

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アデプトマネジメント編集部

【宅地建物取引業】大阪府知事(2)第59728号
【賃貸住宅管理業】国土交通大臣(1)第002807号

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このコラムを監修した人

高橋(宅建士)
高橋(宅建士)
宅地建物取引士・防災士

大学卒業後、大手マンションディベロッパーに入社。
不動産を活用した資産運用コンサルティングを20年以上経験。

>Aiを活用した物件査定と収益査定が得意分野。
自分自身でも収益マンションを複数件所有。
顧客目線で出口戦略や賃貸管理のご提案させていただきます。