不動産投資をしたいと思っているけど失敗が怖い、不動産投資で失敗する原因を把握しておきたいという人は少なくないでしょう。
そんな不安を抱えている人のために、この記事では不動産投資で失敗する原因や失敗しないためのポイントを解説していきます。失敗した場合の相談先なども紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
不動産投資はトータルで赤字になると失敗
不動産投資の失敗の定義は、トータルで計算して利益が出なかった状態を指します。
不動産投資は大きな金額を投じて長期的に行うのが基本です。そのため、投資を始めた直後に、行った投資が正しかったのか失敗だったのかの判断はできません。
ローンの借入、家賃収入、不動産売却などのさまざまな要素を計算して、トータルでマイナスになると失敗となるわけです。運用している最中に一時的にマイナスになったとしても、最終的に利益が出ていれば失敗ではありません。ローン返済中は一時的にマイナスになるケースも珍しくないので、不動産として売却できる金額を加味して考えていくべきでしょう。
失敗してしまうとどうなる?
不動産投資に失敗すると、不足しているお金は持ち出しになります。例えば、ローンを組んで不動産を購入した場合、家賃収入を得られなければローンの返済に必要なお金は自分で補わなければいけません。
さらに、不動産投資ではローンの返済だけでなく、管理費や修繕のための積立、その他にかかってくる諸々の経費も支払いが必要です。十分な資金があれば耐えられますが、そうでない場合は不動産の売却を行う必要がでてくるかもしれません。
不動産の売却はすぐに買い手が見つかるとは限らないため、即現金化するのが難しいケースもあります。早く売るために価格を下げるなどの対策を取ると、売却してもローンが完済できない可能性があるため、トータルでマイナスになって自分の利益が得られなくなってしまうのです。
不動産投資における失敗については、「不動産投資の失敗例から見る対処法とは|失敗しない方法を解説」の記事でもご紹介しています。
不動産投資で失敗する原因
不動産投資で失敗する原因はさまざまですが、その中でも特に失敗につながりやすい原因がいくつかあります。失敗する原因を知っていれば、不動産投資で失敗せずに利益を出していける可能性が高くなるでしょう。ここでは、不動産投資で失敗する原因を5つ紹介します。
- 知識・情報が足りていない
- 短期的な利益に囚われている
- リスクを考えられていない
- 節税だけに意識が向いている
- 管理方法への理解が浅い
不動産投資で失敗するリスクを下げるためにも、ぜひ参考にしてみてください。
知識・情報が足りていない
不動産投資に失敗してしまう原因は複数ありますが、その中でも特に多いのが不動産投資の知識が足りていないことです。十分な情報を集めていない、基礎的な知識がない状態だと、良い物件かどうか分からないまま投資してしまい、失敗につながります。
条件が悪い物件に投資すると高確率で失敗するので、最低限の知識をつけてから投資を行うようにしましょう。
基本的な知識は、書籍などを読んだり、セミナーに参加したりするなどして身につけると良いです。知識を身につけるのは不動産投資に限った話ではなく、どのような投資でも大切なことです。
短期的な利益に囚われている
不動産投資は長期的に行う投資の1つです。株式やFXなどは短期で大きな利益になる場合もありますが、不動産投資は短期間で何倍もの利益になることはありません。年利5%程度を長期的に得るのが基本となるため、短期的な利益だけを見て投資先を決めると失敗のリスクが高くなります。
短期的に大きな利益になると持ちかけられた場合には、大きなリスクが隠れているか詐欺である可能性が高いです。不動産投資を始める際は、長期的に運用する心構えで資金を投入するようにしてください。
リスクを考えられていない
不動産投資に失敗する原因として、リスクについての理解の浅さがあります。どんな投資にも必ずリスクがあるように、もちろん不動産投資でもリスクは多数存在しています。分かりやすいリスクでいうと、設備の故障による想定外の出費、借り手が見つからないことによる空室のリスクなどが挙げられます。
事前のシミュレーションでこれらのリスクを考えられていないと、思ったよりも収入が得られずマイナスになってしまったということになりかねません。不動産投資を行う際には、さまざまなリスクを事前に想定しておくようにしてください。
外的な要因で地価や家賃相場が大きく変動する、大災害の被害を受けるといったリスクも想定しておきましょう。
節税だけに意識が向いている
不動産投資で最終的に赤字になるのは良くありませんが、一時的な赤字は問題ありません。そして、不動産投資で赤字が出ている場合は、他の所得と損益通算できるため、節税として行う人もいます。
損益通算によって節税ができるのはとても良い仕組みですが、それが目的になってしまっては意味がありません。節税に効果があるから一時的に赤字になっても良いという考えで不動産投資を行った結果、節税効果よりも最終的な不動産の赤字の方が大きくなってしまうといった失敗もあり得ます。
節税だけに注目せず、トータルの収支を意識して不動産投資を行うようにしましょう。
管理方法への理解が浅い
不動産投資を行う場合、物件の管理を全て自分で行うのはリスクがありますし、何より大変ですよね。そのため、世の中にはさまざまな不動産管理方法があり、投資を行う際にはそれらをうまく活用していく必要があります。
有名な管理方法として挙げられるのが「サブリース」です。サブリース契約とは、サブリースを行っている会社へ物件を貸して、それをサブリース会社がお客様に貸すという仕組みです。
この仕組みによって、空室リスクがなくなる、家賃が回収できないリスクを回避できるなどのメリットがあります。一方で、サブリース契約によって賃料が安くなる、質の良くない入居者が入る可能性があるなどのリスクもあるのです。
さらに、サブリースでは詐欺まがいの契約をしてくる会社もあります。大きなリスクが隠れている契約に騙されないためにも、不動産の管理についてはしっかりと把握しておく必要があるでしょう。サブリースは実際に過去にトラブルが起きた事例もあるので、管理方法を検討する際には注意してください。
サブリースで過去に起きたトラブルについては、「過去の不動産投資トラブルから学ぶ!サブリース問題とその対処法を紹介!」をご参照ください。
不動産投資で失敗しないためのポイント
不動産投資で失敗する原因を把握したところで、失敗しないためのポイントについて見ていきましょう。
- 不動産投資を行う目的を明確にする
- 短期間で稼ぐことを求めすぎない
- 不動産投資に関する知識を身につける
- 物件や周辺環境について事前に調べる
- 管理方法・不動産会社をよく検討する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
不動産投資を行う目的を明確にする
投資をして稼ぎたい、老後のために不動産投資をしておきたいなど、なんとなくの目的だけで不動産投資を行ってしまう人も少なくありません。しかし、その考えは失敗の原因になるので注意が必要です。
不動産投資を行う場合には目的を明確にしておきましょう。例えば、毎月3万円利益を出す、年間60万円利益を出す、10年間は家賃収入と支払いを同額程度にしてその後に売却して利益を得る、といったように、不動産投資を行ってどのように運用していくのかを明確にします。
不動産投資の目的が明確になれば投資すべき物件もある程度決まってきますし、計画も立てやすくなるでしょう。
短期間で稼ぐことを求めすぎない
先ほども解説した通り、不動産投資において、短期間で稼ぐのは非常に難しいです。短期間で稼ぐためには、不動産を購入して短期間で高騰したところで売り抜く必要があります。こういった物件はとても少ないため、一般人がたまたま出会って購入できるケースはまずありません。
通常は購入した物件が短期間で高騰することもありませんし、売却しようと思っても都合良く買い手がつくかどうかも分かりません。不動産投資は長期的に運用するのが前提なので、短期間で稼ぐことばかりを考えていると失敗の原因になります。
不動産投資に関する知識を身につける
不動産投資は必ず成功するわけではなく、一定の割合で失敗している人が存在します。そんな中で、知識もなく投資を行って利益を出せたとしたら、それはとても運が良かったといえます。
不動産投資で失敗しないためには、投資に関する知識を身に着けることが大切です。周りの投資家たちは勉強して利益を得ているわけですから、自分は勉強しなくても利益が出せると考えるのは良くありません。
一般的な利回りについての知識、ローンに関する知識、不動産の価値を調べる仕組み、管理を委託する仕組みなど、知っておくべき知識はさまざまです。本を読んで独学で勉強するといった方法でも良いので、まずはしっかりと知識を身につけて、失敗しないようにしましょう。
物件や周辺環境について事前に調べる
不動産投資を行う際、物件選びは非常に重要なポイントです。物件の価格は、本来の価値に対して価格が高い場合もあれば安い場合もあります。
例えば、すぐに現金化したい人は相場よりも安く売却してくれる可能性が高いので、そういった物件に出会えれば非常に運が良いです。相場よりも安く物件が手に入れば、それだけ利益を出しやすくなり、不動産投資の成功率が高まります。一方で、相場よりも高い物件を購入すると、失敗の可能性が非常に高く危険です。
不動産価値を自分で調べれる
不動産の価値については「レインズ・マーケット・インフォメーション」で調べられます。この他にも、「土地総合情報システム」や不動産情報ポータルサイトなどでもあらゆる不動産の価値が確認できるので、事前に情報を集めておきましょう。
レインズ・マーケット・インフォメーション
土地総合情報システム
管理方法・不動産会社をよく検討する
不動産投資を行う場合、物件の管理方法や不動産会社をしっかりと選ぶ必要があります。自分できちんと検討しないと、自分の物件から得られる利益を最大化できず、失敗の原因となる可能性が高いです。
空室リスクはどのくらいあるのか、自分のライフスタイルではどの程度まで自分が管理に時間を使えるのかなど、さまざまな要素を含めて総合的に判断する必要があります。
管理方法などを適当に決めると、運用する上で支払う費用の部分が大きく変わってきてしまいます。もちろん、その分は運用が楽になる、リスク回避できるといったメリットはありますが、そのメリットが自分の不動産投資において必要かどうかを見極めるようにしてください。
不動産投資で失敗した場合の相談先
不動産投資は動かすお金がとても大きいので、失敗しそうなときや失敗してしまったときは自分だけで悩まず相談をすることが大切です。しかし、どこに相談すれば良いのか迷ってしまう人も多いでしょう。
不動産投資では、どのような内容で相談を行いたいのかによって相談先が変わります。例えば、お金のトラブルであればファイナンシャルプランナーや信託銀行が良いですし、税金のことなら税理士が適任でしょう。
手続き関連なら行政書士、不動産投資全般の悩みなら不動産投資会社へ相談をするのがおすすめです。
不動産投資の相談先一覧まとめ
相談先 | 相談内容 |
---|---|
不動産投資会社 | 不動産投資全般の相談 |
税理士 | 税金や収支状況などのお金に関する相談 |
行政書士 | 手続き関連の相談 |
ファイナンシャルプランナー | お金のライフプランに関する専門家 |
信託銀行 | 資金繰りやローンに関する相談 |
不動産投資の経験者 | 気軽に相談したい方 |
不動産投資で失敗しそう、失敗した場合の相談先については、「不動産投資で失敗した場合に相談すべき相手とその選び方は?」の記事で詳しく紹介しています。
不動産投資に関するよくあるQ&A
不動産投資で失敗しないためには、不安や疑問を実際に投資を行う前に解消しておくことが大切です。ここでは、不動産投資に関するよくある質問の中から、いくつか紹介して回答していきます。実際に不動産投資を行う際には、参考にしてみてください。
不動産投資での理想的な利回りは?
不動産投資の利回りは物件によって大きく異なるので一概にはいえませんが、5%前後に収まることが多いです。そもそも、利回りが低すぎる物件に投資する意味はありませんから、3%を下回るような物件には投資しないほうが良いでしょう。
逆に、10%以上の物件には何かリスクがある可能性が高いため、避けたほうが安心です。
通常の不動産投資の場合は、年利3~7%の間に収まるのが一般的です。もちろん例外的なものもありますが、特に不動産投資を始めたばかりの人は堅実に運用することをおすすめします。
不動産投資で失敗したときにすべき行動は?
最初に説明したように、不動産投資は一時的に赤字になったからといって失敗にはなりません。それでも、長期的な赤字状態は失敗のリスクが高まりますし、何かしらの原因がある可能性もあります。
失敗したと感じた段階で、まずは不動産投資のプロである不動産会社へ相談しましょう。早めに相談できれば、軌道修正を行って失敗を回避できる可能性が高いです。
もちろん、改善方法が自分で分かるのであれば、自分でできる範囲で支出の改善を行ったり、利回りを高めるための工夫をしたりといった対応も可能です。完全に失敗してしまって、物件を長期的に持っていても状況を改善できそうになければ、売却して不動産投資を一度辞めてしまうのもありです。
不動産投資でお悩みなら弊社にご相談ください
不動産投資は、短期的な赤字は失敗ではありませんが、トータルで計算して利益が出ないのであれば、それは失敗といえます。不動産投資で失敗する原因は、リスクを考えられていない、管理方法への理解が浅いなど、さまざまです。
不動産投資を行う際には、さまざまな知識を身に着けて長期的に運用していくことが大切です。さらに、失敗しないためには、不動産会社・管理会社選びをしっかりと行う必要があります。
不動産投資における不動産会社選びにお悩みの方は、ぜひアデプトマネジメントにご相談ください。
不動産買取や任意売却、コンサルティングなどを行っているので、不動産投資に関する疑問や悩みをお持ちの方は、ぜひお問い合わせフォームからご連絡ください。