「本業はサラリーマンだけどもっと稼ぎたいから不動産投資を考えている」という方も多いでしょう。コロナ禍の不景気で給料が安定しないなどの理由から、副業として不動産投資を検討する人は少なくありません。しかし、実際に不動産投資に手を出して失敗してしまう人もいるので、注意が必要です。
この記事では、不動産投資で失敗しないために、よくある失敗例や不動産投資で失敗するサラリーマンによくある特徴などを解説していきます。失敗しないためのポイントも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
サラリーマンの不動産投資における失敗とは
サラリーマンが不動産投資を行うのは、決して珍しいことではありません。老後を見据えた資産形成のために行う人も多いでしょう。しかし、必ずうまくいくというわけではなく、不動産投資に失敗する人もいます。
不動産投資における失敗は、物件を購入してから売却するまでのトータルで赤字になる状態です。不動産投資は数十年単位で行うものなので、キャッシュフローがマイナスでも、物件を売却したときにそれを上回る利益が出れば成功といえます。
サラリーマンの不動産投資でよくある失敗例
サラリーマンが不動産投資で失敗してしまう理由はさまざまです。ここでは、よくある失敗例を3つ紹介するので、同じ失敗をしないためにもチェックしておきましょう。
- 不動産会社に勧められるままに購入
- リスクの高い物件を購入
- 希望的観測でシミュレーション
失敗例① 不動産会社に勧められるままに購入
Aさんは不動産会社から勧められた物件を優良物件と信じて購入しましたが、メンテナンス状態が悪く修繕費がかさんでしまったようです。空き室も発生し、思うような利益を上げられませんでした。
このように、不動産会社に勧められた物件をそのまま購入して失敗してしまったという人は多いです。不動産会社は売買を成立させることで仲介手数料を得ています。不動産会社にとっては売ることが目的となっているので、買い手にとって都合の悪い情報はあまり伝えてくれない不動産会社もあるのです。不動産会社を選ぶときには、注意してください。
失敗例② リスクの高い物件を購入
Bさんは、値段が安いからと一棟アパートを購入しました。一般的に不動産は、築年数が浅く立地条件が良いものほど値段は高いです。安く買える物件はあまり条件が良くないことが予想できますが、安さにつられて飛びついてしまいました。その結果、入居者が集まらず売却するのも難しいといった事態に陥ってしまったようです。
このように、安さに注目して購入すると失敗する可能性が高いので、注意してください。しかし、新築などの値段が高い条件の良い物件を狙うのが良いかというと、必ずしもそうとは限りません。無理をして購入しても、ローンの返済が苦しく失敗するリスクがあります。
失敗例③ 希望的観測でシミュレーション
Cさんは不動産投資で失敗しないようにと、入念にシミュレーションしてから物件を購入しました。修繕費などもあらかじめ見込んでいましたし、入居率なども現実的な数字を元に利回りを算出したはずでした。ところが、想定よりも入居率が下回ってしまい、修繕費なども想定よりも増えてしまう事態に直面します。
この場合、シミュレーション自体がこうあってほしいという希望に近いもので、現実とズレが生じていたのです。人は自分の都合の良いように解釈しがちなので、予測が甘くなってしまうケースは珍しくありません。信頼できる不動産会社などと話し合って、第三者的な目線で見てもらうことも大切です。
不動産投資に関する相談相手にお悩みの方は、下記記事をご参照ください。
不動産投資で失敗するサラリーマンによくある特徴
失敗例で見た通り、不動産投資はリスクがあるものなので、必ず成功するとは限りません。しかし、こういった失敗をしてしまうサラリーマンには、ある共通点があります。どんな人が不動産投資で失敗しやすいのか、よくある特徴を見ていきましょう。
- 計画性を持っていない
- 自分から学ぼうとしない
- リスクを把握していない
不動産投資で失敗してしまうサラリーマンにどんな共通した特徴があるのか、それぞれ解説していきます。
計画性を持っていない
不動産投資は物件を購入して終わりではなく、長期的に運用を行う必要があります。家賃収入が得られる一方で、修繕費などの支出も発生するので、そういった突発的な出費が発生することも踏まえた計画を立てなければいけません。
給湯器が壊れてしまったなど、突発的な事態に備えた資金を準備しておくことが大切なのです。数年先の未来も見据えた計画性を持っていない人は、不動産投資に失敗しやすいといえるでしょう。
自分から学ぼうとしない
マンションやアパートなどの不動産を所有し、管理を不動産会社に任せているという人は多いです。しかし、「管理を任せているから自分は何もしなくて良い」というわけではありません。管理を任せている場合でも、物件や賃貸管理に関する知識は必要です。
どんな物件が人気なのか、その地域に住む人のニーズ、賃貸物件を運用していく上でどういったコストがどれだけかかるのかなどを詳しく把握しておくと、優良物件が見極められるようになっていきます。自ら学ぶ姿勢がなく知識がない人は、不動産に関する目利き力が身につかず、不良物件を購入してしまう結果につながりやすくなるのです。
リスクを把握していない
アパートやマンションなどの不動産投資は、建物を貸し出すことで家賃収入を得るビジネスモデルです。建物は年数が経過すれば劣化しますし、備わっている設備も古くなっていくため、修理や交換を行わなければいけなくなります。メンテナンスを疎かにしていると、資産価値が下がって入居者も入りにくくなっていくでしょう。
また、不動産投資では空き室になるリスクや賃料が下がってしまうリスクもあります。そういった事態に対応できるように備えておくことも大切です。
不動産投資で起こりうるリスクを事前に把握しておかないと、実際にその状況に陥った際に最適な対策が取れません。シミュレーションをする際は、リスクも考慮した上で行うようにしましょう。
サラリーマンの不動産投資家が失敗しないためには
ここまで、サラリーマンが不動産投資を行う際のよくある失敗例や失敗する人の特徴について解説しました。
では、失敗しないためにはどのような点に気をつければ良いのでしょうか。ここでは、サラリーマンの不動産投資家が失敗しないためのポイントを解説していきます。
- 節税だけを狙わず利益も求める
- 短期間で大きな利益を狙いすぎない
- 事前に不動産投資の知識を身につける
- 不動産会社をよく検討する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
節税だけを狙わず利益も求める
「不動産投資は節税に良い」という言葉を聞いて、節税目的で不動産投資を検討する人も多いでしょう。しかし、利益を度外視して節税だけを考えていると、収益性が良くない物件を選んで失敗する可能性が高いです。
そもそも、不動産投資に節税効果はありますが、節税効果が高いのは年収が高い人などに限られますし、単身者向けのワンルームマンションなどは節税効果が少ないです。節税だけを求めるのではなく、利益も合わせて考えるようにしましょう。
ワンルームマンションの不動産投資で節税をしたいという方は、下記の記事を参考にしてみてください。
短期間で大きな利益を狙いすぎない
不動産投資は、長期的に運用することで利益を生み出す投資方法です。バブル景気の時代などは不動産の価格が大きく上昇していたので、短期間ですぐに売却しても利益が出るケースもありました。
しかし、今はそういったことは滅多になく、不動産が短期間で急に値上がりするというのは考えづらいです。立地が良く人気が高まっている地域であっても、売買に伴うコストなどを考えると、短期間で利益を出すのは難しいでしょう。そのため、短期間で大きな利益を上げるのを狙うのはおすすめできません。長期的な運用を視野に入れて、計画を立てるようにしましょう。
事前に不動産投資の知識を身につける
不動産投資を始める前に、知識を身につけておくのも重要なポイントです。不動産に関する知識が乏しいと、「良い物件だから」と不動産会社から紹介されたときに、本当に良い物件なのかを判断できません。
不動産に関する知識があれば、より正確性の高いシミュレーションができますし、不動産会社のいうことを鵜呑みにして失敗するリスクも軽減できます。
不動産投資は、関連書籍を購入して独学で勉強したり、セミナーなどに参加して勉強したりする方法がありますが、セミナーに参加する際は注意してください。取引をしてもらうために自分たちに都合が良い情報だけを伝えているセミナーなどもあるので、全ての情報を鵜呑みにするのではなく、複数のセミナーに参加して正しい知識を身につけるようにしましょう。
不動産会社をよく検討する
不動産会社を選ぶときは、よく検討して信頼できる不動産会社を選ぶことがとても大切です。不動産投資をする際には、メリットだけでなくデメリットに関してもきちんと伝えてくれる不動産会社を選ぶようにしましょう。
また、不動産会社によって得意分野が異なるので、都心のワンルームマンションに強い、築年数が経過した戸建てに強いなど、自分が投資をしたい不動産に強い不動産会社を探すのも大切です。それぞれの不動産会社によって強みが異なるため、どんな物件を取り扱っているのか、実績はどのくらいあるのかなどを確認しておきましょう。
不動産会社選びにお悩みの方は、下記の記事もぜひチェックしてみてください。
サラリーマンが不動産投資をする際の注意点
サラリーマンが不動産投資を行って利益を得ると、家賃収入だけで暮らしていけるのではないかと思ってしまいがちです。しかし、不動産投資だけで長期的に安定した収入を得るのはかなり難しいといえるでしょう。
空き室が発生すると収入が途絶えてしまいますし、修繕などに費用がかかって思うように収入が得られないというケースもあります。あくまでも、本業を確保して仕事を辞めないことが重要です。
収入が増えると散財してしまう人も多いですが、修繕や交換などで突発的に費用がかかるケースも少なくありません。そういった事態に備えて、お金は貯めておくようにしましょう。
不動産投資に失敗した場合の対処法
最後に、不動産投資で失敗した場合の対処法を解説していきます。不動産投資に失敗すると焦りを感じてしまいますが、対処法を覚えておけば冷静に対応できるでしょう。
- 不動産投資のプロに相談する
- 支出を減らすための施策を検討する
- 物件を可能な限り高く売却する
何も対策を取らずにそのまま赤字を垂れ流していては、さらに状況が悪化してしまいます。実際に不動産投資を行っていく中で何か不安があるときは、できるだけ早く対処することが重要です。
①不動産投資のプロに相談する
不動産投資に失敗したかもしれないと思ったら、不動産投資に精通しているプロに相談するのがおすすめです。不動産投資が成功か失敗かは、トータルの収支によって決まります。キャッシュフローが赤字であっても、そのまま物件を所有し続けて物件を売却した際に黒字になる可能性もあるでしょう。反対に、物件を所有し続けていることで赤字が膨らんでしまう物件もあり、見極めるのは難しいです。
プロに相談すれば、現状を正確に判断した上でアドバイスをしてもらえます。今の不動産会社が信頼できない、あまり良いアドバイスをもらえないという方は、不動産会社の変更も考慮してみると良いでしょう。
②支出を減らすための施策を検討する
不動産投資を始めたものの思うような利益が上がらないというときは、不動産投資に伴って発生する支出をできるだけ減らすことでキャッシュフローが改善できる場合もあるでしょう。
具体的な方法としては、ローンの借り換えが挙げられます。今利用しているローンよりも有利な条件のローンに借り換えを行えば、金利の差がわずかでも、長期的に考えると大きな金額になる可能性もあるのです。また、管理会社の変更によって支出の削減につながることもあるでしょう。
③物件を可能な限り高く売却する
不動産投資に失敗したと感じたら、物件の売却も視野に入れてみましょう。そのまま持ち続けていても赤字が膨らんでしまう場合は、早めに売却したほうが傷は浅くて済みます。ただし、焦って売却しようとすると安く買い叩かれてしまう可能性もあるので、気をつけましょう。
引越しシーズンなどは不動産の需要が高まる時期なので、買い手が見つかりやすい傾向にあります。タイミングを見計らい、できるだけ高く売却することが大切です。
失敗する前に信頼できる不動産会社に相談
サラリーマンの不動産投資でよくある失敗としては、不動産会社に勧められるままに購入してしまう、安さだけに注目してリスクの高い物件を購入してしまう、希望的観測でシミュレーションしてしまうなどが挙げられます。
不動産投資では、複数の不動産業者を比較検討して、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。投資を行う際だけでなく、投資に不安を感じたときの相談相手となってもらえるような不動産会社を選びましょう。
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