不動産投資でよくあるトラブルや詐欺の手口を解説|注意すべき点とは?

不動産投資でよくあるトラブルや詐欺の手口を解説

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンで、比較的安定して利益を得られる投資方法として人気があります。しかし、必ずしも失敗をしないというわけではありません。不動産投資を行う上で、さまざまなトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあるため、事前にどんなトラブルが起こりうるのかを確認しておくことが大切です。

この記事では、不動産投資で起こりうるトラブルや不動産投資詐欺のよくある手口、契約時に注意すべき不動産会社の言動などを解説していきます。トラブルに遭わないためのポイントも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

不動産投資で起こりうるトラブル

不動産投資で起こりうるトラブル

不動産投資では、利益を上げている人も多数いますが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう人も少なくありません。ここでは、トラブルに巻き込まれないために、不動産投資で起こりうるトラブルを確認していきましょう。主なトラブルとしては、下記の3つが挙げられます。

  • 将来的なリスクに関する説明をされない
  • 不動産会社に都合の良い部分だけを伝えられる
  • サブリース契約に関する説明がない

それぞれ解説していきます。

将来的なリスクに関する説明をされない

将来的なリスクに関する説明をされない

引用:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

不動産投資の収入の多くを占めるのは「家賃」です。そのため、不動産投資では家賃の設定が非常に重要になりますが、将来的なリスクを説明をされないことが原因でトラブルになる可能性があります。

築年数が浅い物件は人気が高いので、家賃を高めに設定していても入居者が見つかるでしょう。しかし、築年数が経過していくごとに物件の人気は下がっていきます。家賃が高いと入居者が見つかりにくくなるので、空室にしないためにはどうしても家賃を下げざるを得ません。

また、築年数が経過して建物が劣化していくごとに、管理費や修繕積立金などが高くなっていきます。収入が少なくなる一方で支出が多くなることから、将来的にどんどん利益を得るのが難しくなっていくでしょう。

不動産会社に都合の良い部分だけを伝えられる

不動産会社の担当者の中には、都合の悪い情報を伝えると契約出来ない可能性があるので、自社にとって都合が良い情報ばかりを伝えてくる人もいます。

例えば、不動産投資では、不動産の売却によって得られる利益が総合的な収支に大きく影響するので、購入をするときに売却時のことも想定しておくことが大切です。しかし、売却時にどのくらいの金額になるのかを把握しておきたいという方に対して、想定売却額を高めに伝える担当者もいます。

担当者から、似た物件が5000万円で売却された事例を聞いた際、自身の物件も同様に5000万円で売れる可能性が高いと期待していたところ、実際には3000万円でしか売れなかったという事にもなりかねません。物件は周辺の相場や立地条件など諸々の要素を加味して売却額が決まるため、ただ似ているだけの物件と同じ金額で売れるとは限りません。

注意ポイント

築年数が経過した不動産を売却する場合、ローン残債が売却価格を上回っている場合、自分の資金から足さないとローンを完済することができないというケースも発生することがあります。不動産投資を行う際には、売却時のこともしっかりと想定した上で、担当者の話が本当かどうかを判断してから契約をするようにしましょう。

マンションの売却時によくある失敗について知りたい方は、「失敗したと思う人が多い、マンション売却。なぜ起きる。」の記事をご参照ください。

サブリース契約に関する説明がない

サブリースは、オーナーが自分の物件をサブリース会社や不動産会社に貸して、その物件を会社からお客さんに又貸しする仕組みのことです。通常の不動産投資では、空室ができると次の入居者が入るまでその部屋から収益が得られません。しかし、サブリース契約では空室になっても事前に取り決めた家賃がオーナーに支払われる契約となっているものも多いので、オーナーにとってはメリットの大きい方法となっています。

その一方で、サブリース契約は不動産投資の中でもトラブルが多い契約ともいわれています。

サブリース契約に関する不動産投資のトラブルについては、「株式会社ReVieは詐欺!?実際に起きたトラブルと被害者の声」の記事をご参照ください。

サブリース契約のデメリット

ここではデメリットも解説していくので、トラブルに巻き込まれないためにしっかり確認していきましょう。

  1. 契約の解除ができないようになっている
  2. 家賃の減額について一方的に決められる
  3. 空室になった際に免責期間がある

①契約の解除ができないようになっている

サブリース契約は、オーナー側から一方的に契約を解除することはできないようになっています。契約書には、双方の合意があれば契約を解除できると記載されていることが多いですが、裏を返せば合意がなければ契約は解除できないということです。

チェックポイント

日本には、家を借りる借主の立場を守るための「借地借家法」という法律があります。サブリース会社はオーナーから部屋を借りている立場なので借主に該当し、法律上で有利な立場となっているのです。特別な理由がない限り、契約を解除したくてもできないという事態になる可能性もあるということを頭に入れておきましょう。

②家賃の減額について一方的に決められる

サブリース契約では、サブリース会社から家賃の減額を求められる場合があります。サブリース契約では「家賃収入」が保障されているため、常に家賃を得られることに安心して契約をしてしまう方もいるでしょう。

しかし、家賃の金額を保障されているわけではないので、注意が必要です。先ほども解説した通り、物件は築年数が経過していくごとに人気が下がり、人気の減少に合わせて家賃も下げていく必要があります。

チェックポイント

サブリース契約では、定期的に家賃の見直しを行う契約になっているのが一般的です。中には、減額をするタイミングや金額を一方的に決められてしまう場合もあります。減額請求を受けたからといって必ずしも応じなければいけないというわけではありませんが、入居者が集まらないなどの事情があれば応じざるを得ないでしょう。

③空室になった際に免責期間がある

サブリース契約では、空き室が発生した場合の免責期間が設けられていることがあります。免責期間は、簡単にいえばサブリース会社がオーナーに家賃を支払わなくても良い期間のことです。空き室が続くとサブリース会社は打撃を受けてしまうので、こういった免責期間が設けられました。

オーナーにとっては家賃収入がなくなるので、免責期間が長いとその分損をしてしまいます。免責期間は2ヶ月程度に設定されていることが多いですが、長い場合には半年ほどになっていることもあるので、契約時に確認をしておく必要があります。

サブリース契約について詳しく知りたい方は、「サブリースは詐欺も多い!悪徳業者に騙されないためのコツを紹介」の記事をご参照ください。

不動産投資詐欺のよくある手口

不動産投資詐欺のよくある手口

不動産投資では、トラブルだけでなく詐欺に巻き込まれてしまう恐れもあります。不動産投資詐欺の手口はさまざまなので、ここではよくある手口を6つ紹介していきます。

  1. 手付金詐欺
  2. 融資詐欺
  3. 入居状況詐欺
  4. 二重譲渡詐欺
  5. 婚活・デート商法詐欺
  6. 海外不動産投資詐欺

詐欺に騙されないために、それぞれの具体的な手口について見ていきましょう。

①手付金詐欺

手付金詐欺とは、不動産を購入する際に支払う手付金を利用した詐欺のことをいいます。売買契約を結ぶために不動産会社や売主に手付金を支払ったら、手付金を持ち逃げされて連絡が取れなくなってしまうというのがよくある手口です。

一言メモ

不動産の手付金は売却額の5%から10%、あるいは100万円ほどが相場とされます。最初から手付金を騙し取る目的なので、売主が偽物だったり不動産会社が存在していなかったりすることがほとんどです。

②融資詐欺

融資詐欺とは、実際には融資をしないにも関わらず、融資を申し込んできた人に対して融資を受けられると信じ込ませて、保証金などの名目でお金を騙し取る詐欺のことをいいます。

不動産投資は物件そのものが高額なので、金融機関などから融資を受ける人が多いです。そういった方に、消費者金融や商工団体などを名乗って近づきます。融資を利用する方は少しでも金利を安くしたいという気持ちがあるため、低金利融資を謳っていると騙されてしまうケースも少なくありません。融資を受けることができず、保証金や紹介料などの名目で振り込みをしたお金を奪われてしまいます。

③入居状況詐欺

入居状況詐欺は、実際には空き室が多い物件であるにも関わらず、一時的に入居者を集めて満室になっているように装い、入居状況を偽る詐欺のことです。

不動産投資を考えている人が、満室なら大きな利益が得られるだろうと購入したら、次々と退去者が出て空き室だらけになってしまいます。空き室が多くなると収入が大きく減ってしまい、賃貸経営自体が成り立たなくなることもあります。

注意ポイント

入居状況詐欺は入居者がいる状況をわざと見せるので、見抜くのは難しいでしょう。直近で引越しをしてきた方が多い物件は怪しいので注意してください。

④二重譲渡詐欺

二重譲渡詐欺は、不動産を売却する際に2人の購入希望者から代金を得る詐欺です。当然、2人が同じ物件を所有することはできないので、先に不動産登記を終えた人が所有者となります。不動産登記を行うことができなかった人は、お金を支払っても物件を手に入れられません。

注意ポイント

売主に悪意がある場合もありますし、仲介する不動産業者が行っている場合もあります。また、売主と不動産業者がグルになっている場合もあるので、注意が必要です。

⑤婚活・デート商法詐欺

婚活・デート商法詐欺とは、恋愛感情につけ込んで行われる詐欺のことをいいます。デートを重ねて親密になった後で、相手から不動産の購入を勧められるという手口です。

強く勧められて断れないこともありますし、嫌われたくないという思いから契約に至ることもあります。不動産を購入した後で相手と連絡が取れなくなり、詐欺にあったことに気付いたという人が多いです。

注意ポイント

近年はマッチングアプリや婚活サイトで異性と知り合うことも多く、婚活・デート商法詐欺が横行する原因にもなっています。

⑥海外不動産投資詐欺

海外不動産投資詐欺は、海外の物件に関する詐欺です。海外に良い物件があるからと勧められて契約をしたものの、聞いていた話とは違う酷い状態の物件だったり、相場よりも大分高い値段で購入していたりするなどの事例があります。人によっては、投資したはずのお金を持ち逃げされて物件が手に入らなかった、悪徳業者から法外な手数料を請求されたということもあるようです。海外だと気軽に物件を見に行けないので、こういった詐欺が起こるケースは少なくありません。

契約時に注意すべき不動産会社の言動

契約時に注意すべき不動産会社の言動

不動産投資における契約をする際には、不動産会社の言動に注意しましょう。不動産会社のいったことをそのまま信じて契約をすると、大損をしてしまう可能性もあります。ここでは、特に注意すべき不動産会社の言動を紹介していきます。

「節税や年金対策になる」

不動産会社の担当者に、「節税になる」「年金対策になる」などといわれることがありますが、これは全員の方に効果的というわけではありません。節税に大きく効果を発揮するのは、「所得が高い方」が「所得税」を減らしたい場合と、「相続税」を減らしたい場合です。これらの状況以外でも節税できるケースはありますが、不動産投資のリスクに見合うだけの大幅な節税は期待できないでしょう。

また、「ローンの支払いが完了したら家賃がすべて収入になる」などといって、年金保険の代わりになるという担当者もいますが、物件は築年数が長くなるごとに管理費や修繕積立金が高くなるため、すべてが収入になるわけではありません。築年数が長くなると大規模な修繕が必要になることもあるので、支出をしっかりと把握しておく必要があります。

「高利回りが期待できる」

不動産投資の契約時に「高利回りが期待できる」といわれることがありますが、本当に高利回りなのかはきちんと調べないと分かりません。高利回りである理由を把握しておかないと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

例えば、物件価格が安ければ利回りは高くなりますが、何か大きな問題を抱えているために安く売られている物件であれば、安いからといって飛びつくのは危険です。

利回りが高い物件を選ぶリスクについては、「利回りが高い物件に潜むリスクとは?メリットとデメリットを解説」の記事で詳しく説明しています。

不動産投資トラブルに遭わないためのポイント

不動産投資トラブルに遭わないためのポイント

ここまで、さまざまな不動産投資に関するトラブルについて解説してきました。最後に、不動産投資トラブルに遭わないためのポイントを見ていきましょう。

  • 自分でも不動産投資について勉強する
  • 疑問があれば納得できるまで質問する
  • 複数の不動産会社を比較して検討する

順番に解説していきます。

自分でも不動産投資について勉強する

不動産会社の担当者の言葉に騙されないためには、不動産投資を行う前に自分でも勉強をして知識を身につけておくことが大切です。

書店に行けば不動産投資に関するさまざまな本がありますし、セミナーなどに参加して勉強するという方法もあります。最近では、YouTubeなどで不動産投資に関する動画をアップしている方も多いので、簡単に勉強ができるでしょう。

このとき大切なのが、一人の意見だけを鵜呑みにしないということです。参加するセミナーによっては強引に投資を勧めてくる場合もありますし、YouTubeの動画によっては正しくない情報を伝えているものもあります。複数の意見を参考にしながら、自分でも知識を身につけていくと、トラブルに巻き込まれるリスクを軽減できるでしょう。

疑問があれば納得できるまで質問する

不動産投資をする際に、担当者のペースに流されて、疑問があってもそのままになってしまうという方もいるのではないでしょうか。しかし、不動産は大きな買い物なので、何か疑問があれば納得できるまで何度でも質問をしてください。

疑問に対して誠実に答えてくれない不動産会社は信用ができません。しっかりと質問に答えてくれるかどうかで、信頼できる不動産会社かどうかを見極めることもできるでしょう。強引に話を進めるようであれば、一旦立ち止まって白紙にすることも選択肢に入れると良いです。

複数の不動産会社を比較して検討する

不動産投資を行う際には、1つの不動産会社だけに相談するのではなく、複数の不動産会社に相談をして比較してみることが大切です。複数の不動産会社に話を聞くことで、正しい内容を話しているのか、意図的に隠している内容はないか、担当者の態度が信頼できるかなどを客観的に判断できるようになります。

複数の担当者から話を聞くことで今まで想定していなかったポイントが見えてくることもあります。また、一口に不動産会社といっても得意分野はそれぞれ違いますし、営業スタイルやアプローチの仕方なども違っています。比較検討することで、自分に合う不動産会社が見つかりやすくなるでしょう。

不動産投資に関することは何でもご相談ください!

不動産投資ならアデプトマネジメントにお任せ

不動産投資は比較的安定して収益を得られる投資方法として知られていますが、投資を行う上でさまざまなリスクが存在します。不動産会社から将来的なリスクについて説明されない、不動産会社にとって都合の良い情報ばかり伝えられるなど、情報の偏りによって起こるトラブルが多いです。

不動産投資を行う場合には、自分でも不動産投資に関する知識を身につけて、複数の不動産会社を比較しながら信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。

不動産投資に関する疑問やお悩みを抱えている方は、ぜひアデプトマネジメントにご相談ください。アデプトマネジメントでは、不動産売買や不動産管理、コンサルティングまで幅広く行っているので、お客様の状況に合わせた的確なアドバイスをすることも可能です。ぜひお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

この記事の編集者

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アデプトマネジメント編集部

【宅地建物取引業】大阪府知事(2)第59728号
【賃貸住宅管理業】国土交通大臣(1)第002807号

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