「マンション経営をやめたいけどやめ方が分からない」、「やめるときの注意点が知りたい」という悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、マンション経営をやめたいと思う理由、マンション経営を立て直す方法、マンション経営をやめる方法などを解説していきます。
状況によっては売却をしなくても改修するだけで持ち直せるかもしれませんし、逆に今のうちに売却したほうが将来的にもプラスになるという可能性もあります。自分の物件をこれからどうすれば良いのか、しっかり考えていきましょう。
マンション経営をやめたいと思う理由は?
そもそもマンション経営をやめたいと思っている人は、どんなときにそう思うのでしょうか。やめたい理由は個人によってさまざまですが、ここでは大きく分類して5つの理由を紹介していきます。
- マンション経営に失敗した
- 大家を続けるのが難しくなった
- 他の資産運用に挑戦したくなった
- マンション経営に成功した
- マンションローンを完済した
マンション経営をやめるタイミングを知っておけば、大きな損失を出さずにやめられる可能性が高くなるでしょう。それぞれの理由に当てはまる方は、参考にしてみてください。
マンション経営に失敗した
多くの人がマンション経営に行き詰まる理由は、「経営の失敗」です。入居者がおらず空室のほうが多い、という場合は収益的にも将来性を見込めないでしょう。
収益で管理費を賄えないレベルであれば、明らかに経営が失敗している証拠です。負債が大きくなる前に、見切りを付けて売却したほうが新しい事業に進みやすくなります。また、建物の状態も考えると、早めの売却がおすすめです。
自分の運営方法に疑問がある場合は、専門家に相談してみるのも良いでしょう。プロに相談すれば、経営を持ち直せる可能性もあります。
大家を続けるのが難しくなった
自ら計画して大家になった人も、相続などで大家になった人も、変化する環境によって大家を続けられない状態になるというケースもあります。
大家以外の事業を始めてみたい、自分には合っていないように感じる、高齢化や病気など理由はさまざまですが、経営がうまくいっていてもやめたいという場合もあるようです。
大家を続けるのが難しいという人は、誰かに引き継ぎをする場合でもマンションを売却する場合でも、早めの行動を心がけましょう。
他の資産運用に挑戦したくなった
マンション経営をやめる一因として、マンション経営に成功して資産が増えた、またはその逆で、運用がうまくいかず他の資産運用を始めようと考えている、などの理由もあげられます。
経営に成功している場合、空き部屋が少ない物件をそのまま売却すれば利回りが良くなるため、新たな資産運用の元手にすることができるのです。多くの物件を持っている資産家は、満室状態にしてから売却して利益を出すという運用方法を用います。
一方、マンション経営による利益が見込めないと判断して、他の事業に鞍替えする人も少なくありません。
マンション経営に成功した
マンション経営を始める際の目標を達成できたことから、経営をやめて別の事業を始めるという人も多数存在します。
目標金額を達成できた、購入時よりも高い金額で売却ができるなど、目標は人によってさまざまですが、マンション経営に成功した場合はすぐに売りに出すのも一つの手です。前述の通り、満室状態で売却すれば高い収益が得られるため、そのお金を元手に別の物件を管理するのも良いでしょう。
そのままマンション経営を続けて利益を得るのも良いですが、今後入居者が減って利益が下がってしまう、物件が古くなってどうしても購入時よりも安くなってしまうなどのリスクも考えられますので、自分の状況に応じて戦略を立ててください。
マンションローンを完済した
マンションローンを完済した、または完済の見込みがある場合は、今後の計画を立てていく必要があります。銀行や信用金庫などに返済する残積がなくなるため、やめるには良いタイミングでしょう。
ですが、残積を気にせずに家賃収入を得られるのは大きなメリットとなりますので、そのままマンション経営を続けるのもおすすめです。
管理費などを差し引いても充分な収益がある場合はそのまま大家を続けることも可能ですが、まずは現在の状態で売却すればどの程度の利益が出るかを確認してください。収益と管理費のバランスや売却費が明確になれば、経営を続けるかどうかの判断をしやすくなるでしょう。
マンションを売却する前にまずは一考
マンション経営をやめて売却しようとする前に、売却以外の方法が残されていないかを考えてみましょう。
状況によってはマンション経営の立て直しも可能ですし、逆に取り壊したほうが良い場合もあります。自分の状況に合わせて検討してみてください。
立地などの条件によっては再生可能
所有している物件の立地や周辺環境によっては、入居者を増やせる可能性があります。近くに学校や生活に必要な施設が建っている、駅やバス停が近い、大きな道路が近くを通っているといった条件は、生活のしやすい環境として大きなセールスポイントです。
築年数が古くて人が入らないという場合は、リフォームや修繕などで住みやすいマンションにすれば、入居者を呼び込める可能性は充分にあるでしょう。業者を通さなくても自分でできる改修もあります。空き部屋が多いのであれば、リフォームチャンスと考えてみるのも良いです。
売却する場合は損をしない戦略が大事
マンション売却は少しの条件の変化で額面が変わりますので、少しでも損をしない方法を選んでいきましょう。時期を見極める、状態を考慮するということを念頭に置いて、売却を計画していきます。
マンションの住宅ローンが残っている状態で売却してしまうと、売却価格から残りのローンを支払う必要があるため、お金が手元に残らないという可能性もあるでしょう。資金繰りが困難になって売却する場合はそれでも良いですが、新たな事業を起こしたいという場合はローン返済まで待ったほうが収益が上がりやすいです。
取り壊したほうが好条件な場合も
マンションだけでなく土地も丸ごと所有している場合、マンションを取り壊して更地にした状態で売却するのも良いでしょう。
入居者が少ないマンションや古くて老朽化している建物があるよりも、土地だけのほうが用途が幅広いため、買い手も付きやすくなります。周囲の土地の売買情報や不動産関係者の話を参考にしながら、検討してみてください。
マンションを売却する以外に方法はないのか、あらゆるケースを想定して何度もシミュレーションすることが大切です。
マンション経営をやめるのが難しい理由
マンション経営は始めるのも手間がかかりますが、やめるときにも多くの手間がかかります。売却すると決断しても、すぐに売れるわけではありません。ここからは、マンション経営をやめる前に問題となる壁を2つご紹介します。
- 入居者がいる
- 買い手がつかない
状況によっては他の問題点が出てくる場合もありますので、短絡的に売却をしないようによく考えましょう。
入居者がいる
管理しているマンションに入居者が残っている場合は、入居者に対してどう対応するかを決めなければいけません。マンションを入居者が入っている状態で売却することは可能ですが、オーナーチェンジによるトラブルが起こりやすいのも事実です。
入居者を退去させることも可能ですが、自分で入居者に説明をして合意を得なければいけない、立ち退き料を支払う必要があるなどのリスクがあります。
マンションを取り壊す場合などは退去という形になりますが、マンションを売却するときは状況に応じて判断しましょう。
買い手がつかない
自分の物件を売却したとしても、買い手がいなければ意味がありません。
近年は耐震や防火設備なども重要視されるようになり、マンションの設備がしっかりしていなければ買い手がつきにくいでしょう。さらに、木造建築のマンションなどは買い手がつきにくくなる傾向にあるので、売却よりもリフォームをして経営を続けたほうが多少なりとも利益が見込める可能性があります。
すぐに売却を選ぶのではなく、状況に合わせてリフォームなども選択肢に入れて検討してみてください。
マンション経営を立て直すには?
売却ではなく経営を立て直す方向にする場合は、どのような方法が有効なのでしょうか。ここでは、マンション経営を立て直すための方法を5つ紹介します。
- 利回りのアップを狙う
- 支出を削減する
- アパートを自分で管理する
- 金利交渉や借り換えを検討
- アパート経営以外の収入源を見つける
これらの方法を取れば必ずしも立て直せるというわけではないので、そのマンションの状態や環境に配慮した方法を選ぶようにしてください。また、万が一失敗した場合のリスクなども視野に入れながら実行しましょう。
利回りのアップを狙う
マンションを立て直す場合、まずは利回りのアップを図りましょう。家賃に見合った投資ができているか、また投資を増やしたらどのくらいの利益を見込めるかを考えて、できる範囲で投資を始めてください。
例えば、ファミリー向けの部屋が多い場合は一人暮らしができるワンルームに改装したり、部屋はそのままでシェアハウスを許可するというのも方法の一つです。古い物件であればフローリング床にするだけでも新規入居者が入りやすくなるでしょう。
最近はどのような部屋がはやっているか、自分の経営しているマンションの利用者層などを考慮しながら、積極的に取り込んでいきましょう。
支出を削減する
先ほどとは逆に、投資するのではなく現在の支出を減らすことも考えなければいけません。支出を削減するには、物件にある無駄なものを減らすことが重要です。
まずは自分の持っている物件はどのような支出があるのかを確認しましょう。その中で削減できる項目がないか、またもっと安くできる項目はないかなどを調べます。
特に、保険関係は見直して他社と比較することで、同様の補償がありながらも保険料が下がるという可能性もあるので、定期的に見直すのも必要です。
マンションを自分で管理する
物件の管理を管理会社に委託しているのであれば、管理会社との契約をやめて自分で管理するのも支出を減らす大きなポイントです。自主管理と聞くと大変そうに思えますが、本職の傍らで行っている人も多いので、決して不可能ではありません。
部屋数の少ない物件であれば、管理会社に依頼するほどの建物ではない可能性もあり、自己管理にしたほうが利回りが良くなるというケースもあります。現在、管理会社に対しての支出がどれくらいなのかを確認してみましょう。
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金利交渉や借り換えを検討
利回りを上げるためには銀行の金利を下げるのも有用です。交渉して銀行金利は1%でも下げることができれば、利回りアップにもつながります。
交渉といっても簡単にできるものではありません。これまでの経営状況や現在の入居率なども考慮しながら、金利ダウンが見込めそうな場合は交渉してみましょう。
交渉が決裂した場合は、その銀行よりも金利が低い金融機関に乗り換えるのも一つの方法です。乗り換えることで通常よりも金利を下げてもらえることもありますので、検討してみてください。
マンション経営以外の収入源を見つける
資産は一つだけの事業に限定されるものではありません。マンション経営が行き詰まったとしても、副業によって新たな収入源を作れます。
不動産投資以外の定期的な収入源を見つけて軌道に乗せるのは難しいかもしれませんが、安定すれば不動産経営とともに収益を得られるでしょう。
現在は、インターネットを活用した副業が増えています。インターネットから簡単に副業ができれば、本職やアパート経営にも影響が少ないのでおすすめです。
マンション経営をやめる方法
ここからは、マンション経営をやめる場合の費用や手続きなどを詳しく解説していきます。
基礎知識をきちんと蓄えてから売却手続きをすれば、少しでも損を減らした売却ができるようになるので、しっかりと把握しておきましょう。
マンション経営をやめるときにかかる費用
マンションを売却する際には、現在の入居者をどうするか、建物は残すのかなどの状況によってさまざまな費用が発生します。
ここでは、マンション経営をやめる場合にかかる費用について解説していくので、参考にしてみてください。
立ち退き料
マンションを取り壊す場合などは、入居者に退去勧告を出して立ち退き交渉を始める必要があります。その場合、立ち退き料としてそれなりの金額を提示しなければいけません。立ち退き料は特に定められていないので、価格設定でトラブルが起こるケースが多い傾向です。
入居者全員が提示金額で納得してくれれば良いですが、拒否されたり値上げを交渉される場合も考えて、しっかりと対策をしてから交渉に望みましょう。立ち退き料の相場としては、引っ越し代金と迷惑料として家賃半年分程度といわれているため、その金額を基準に立ち退き料を設定しましょう。
売却する場合の費用
マンションは、売却するとしても形式上は不動産を他の人に譲渡するという扱いになるため、譲渡所得税として課税されます。
その他にも、不動産の売買に関わる業者を仲介する手数料や、登記や抵当権を変更するための手続き費用が必要です。不動産の売却額によって印紙代などが変わってきますので、その点には注意しましょう。
これらの費用は一概にいくらかかるというものではなく、その土地や建物の価格によって大きく変化します。売却して資産を増やそうと思っても、手続き費用だけでマイナスとなってしまうことも考えられるので、売却費と手続き費用をしっかりと考慮してから売却をしてください。
取り壊す場合の費用
現在ある建物を取り壊して更地として売却する場合には、取り壊し費用が必要です。取り壊し費用は業者によって上下しますので、自分の予算に合った業者に依頼しましょう。
所有している建物の取り壊しは必要経費として扱うことが可能です。しかしながら、一時的に出ていく金額が大きくなるため、予算を考えて依頼する必要があります。
また、建物を残すか取り壊すか迷っている場合は、取り壊しに必要な期間と値段を調べてから判断するのも大切です。
マンション経営をやめるのに必要な手続き
マンション経営を始める前に開業届を出している場合は、マンション経営をやめるときに廃業届を出さなければいけません。廃業届は経営状況に応じて求められる提出書類が増えていきますので、間違えないようにしましょう。
個人で不動産を持っていて不動産所得を事業としている人であれば、個人事業の廃業届が必要です。さらに、青色申告書を提出していた場合は、青色申告の取りやめの届け出も提出します。
課税事業者や従業員を雇用している事業主などはさらに別の申請を行わなければいけません。自分がどの届け出を提出すべきなのかは、専門家や税務署に相談してみましょう。
マンション経営にお悩みならアデプトに相談
マンション経営に成功・失敗した、大家を続けるのが難しくなった、マンションローンを完済したなどの理由で、マンション経営をやめたいと思っている人も多いです。
マンション経営をやめる場合には、マンションの立て直しは可能か、損をしないためにはどうすれば良いのか、取り壊して土地を売却するのとどちらが利益を得られるのかなどを確認しておきましょう。
どうしてもマンション経営を続けるのが難しい場合には、売却人手続き費用の収支バランスなどを考えながら売却してください。また、自身の経営状況に応じた書類を提出する必要があるので、専門家に相談しながら届け出を出しましょう。
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