サブリース物件を売却する方法は?流れや注意点、高く売却するポイントを紹介

サブリース物件の売却する方法は?

サブリース物件の売却は、売却時に契約を解除するかどうかによって、売却の容易さや利益が変わります。

しかし、サブリース物件の売却は、解約トラブルなどといったもめ事に発展することが多く、行動に移す前に基本的な内容をよく理解しておくことがとても大切です。

この記事では、サブリース物件の売却する具体的な方法や注意点のほか、高く売却するポイントなどを解説します。

サブリース物件は売却できる?

サブリース物件は売却できる?
サブリース物件とは、サブリース会社が物件オーナーから一括で借り上げている物件のことをいいます。具体的には、サブリース会社はオーナーに賃料を支払い、サブリース物件を転貸して家賃収入を得るというスタイルが一般的です。

しかし、このサブリース物件は基本的に売却が難しいとされています。ここでは、「なぜ売却が難しいのか」の理由や、サブリースを巡る新法について、具体的に解説します。

サブリース物件の売却が難しい理由

サブリース物件の売却が難しい理由の一つとして、サブリースの解約が容易でないことが挙げられます。
サブリースの場合、借地借家法に基づき、サブリース会社は賃借人として扱われ、正当な理由なく契約解除や退去を求められることはありません。そのため、物件のオーナーが物件を売却しようと考えても、サブリース契約の解約が法律によって阻止されることが少なくありません。

また、サブリース物件の利回りの低さも売却が難しい理由として挙げられます。
サブリース会社からのリース料の相場は家賃収入の8~9割ほどです。物件管理などもサブリース会社に任せられるので手間が少なくなるメリットはありますが、サブリースでない物件より家賃収入の手取り額はダウンするため、利回りも低くなります。これがネックとなり、売却先を見つけるのが難しい傾向にあります。

より詳しい内容はこちらの記事で解説しているので、サブリースは詐欺も多い!悪徳業者に騙されないためのコツを紹介をぜひチェックしてみてください。

サブリース新法とは?

2020年12月からはじまったサブリース新法は、物件オーナーがサブリースについてのリスクを把握しないまま、サブリース契約を結ぶことがないよう制定された法律です。

具体的には、サブリース契約についてサブリース会社が十分な説明を行わないまま契約をしたり、不当な勧誘を行ったりすることを禁じています。これにより、物件オーナーがよく把握しないまま、サブリースのリスクを負わされる可能性が低くなりました。

ワンルームマンション投資のサブリースなどに関して、詳しく調べたい方はワンルームマンション投資のサブリース契約を成功させるには?も参考にしてください。

サブリース物件を売却する方法

サブリース物件を売却する方法

サブリース物件を売却することは簡単ではないものの、不可能ではありません。サブリース物件を売却する方法は、大きく分けて2種類あります。

  • サブリース契約をしたまま売却する
  • サブリース契約を解除してから売却する

それぞれ見ていきましょう。

サブリース契約をしたまま売却する

サブリース契約をしたままの状態で物件を売却することもできます。契約を維持した物件を売る場合、おおまかな売却方法は一般的なものと同じですが、サブリース会社と新たな物件の買主との間で契約承継の手続きが必要になります。

注意ポイント

サブリース契約を解約していない物件は、売却額が低くなりやすいことは留意しておきたいところです。

サブリース契約を解除してから売却する

サブリース契約を契約を解除してから売却するケースの方が多く見られます。契約に則った形の解約であり、かつサブリース会社が解約を了承すればサブリース契約を解除しての売却が可能です。

解約時にサブリース会社ともめるケースも少なくありません。それを回避するためにも、「サブリースの契約解除について十分知識を得る」「書類を確認する」などの基本的な部分を押さえ、状況によって弁護士に相談するといった外部のサポートも受けながら進めるのがベターです。

サブリース物件を売却する手順

サブリース物件を売却する手順

サブリース物件の売却を円満に進めるためには、細かく確認しつつステップを踏んでいくことが大切です。

  1. サブリース契約を解約するのか維持するのかを選択する
  2. サブリース契約書の内容を確認する
  3. サブリースを解約した場合のリスクを理解する
  4. サブリース解約後の事態を想定しておく
  5. 契約解除通知書を準備する
  6. サブリース会社に契約解除の申し出を行う
  7. 売却できるまでの管理体制を整える

上記の順番でサブリース物件を売却する手順について解説します。

①サブリース契約を解約するのか維持するのかを選択する

まずは「サブリース契約を解除して売却するのか」「維持したまま売却するのか」を選択します。すでに上記で解説している通り、サブリース契約の有無は物件の売却に大きく影響を与える事柄です。

一言メモ

どちらの方法が自分にとって有益なのか」をはじめ、さまざまな面からよく検討しましょう。

②サブリース契約書の内容を確認する

サブリース契約書の内容を改めて確認することも大切です。書類を細かく読み込み、自分が行おうとしている売却に引っかかるような部分はないかをチェックしましょう。

一言メモ

特にサブリースを解約する場合は、「そもそも今回の事由で解約できそうか」や「違約金は発生しないか、発生するとしたらいくらか」などは要確認です。

③サブリースを解約した場合のリスクを理解する

サブリースを解約した場合に発生し得るリスクも想定しておきましょう。たとえば、解約に応じてもらえないリスクや、違約金・立退料といった金銭的なリスクなどの可能性があります。

一言メモ

各リスクの対策もセットで考えておけば、実際にそのリスクが起こったときの行動がスムーズです。

④サブリース解約後の事態を想定しておく

サブリースを解約して売る場合、解約が完了してから売却が完了するまでの物件管理をどのようにするかという問題が出てきます。具体的には、「自分で管理を行う」「短期で管理を外部に委託する」といった選択肢があります。

管理を疎かにしてしまうと物件の状態が悪くなり、売却の成否に影響する可能性もあります。こちらも売却を担当する不動産会社に相談しながら管理体制を検討しましょう。

⑤契約解除通知書を準備する

サブリースの解約で想定し得ることもすべて踏まえ、じっくり検討できたらサブリースの契約解除通知書を準備します。

一言メモ

書類作成を行う際は、契約書内の定めに則った形で作成するようにしましょう。

⑥サブリース会社に契約解除の申し出を行う

解除契約通知書は、内容証明を使って送ることも大切です。内容証明は書類の内容や送った事実を公的に証明でき、解約について万が一もめ事が発生した際でもオーナー側の対応を示す証拠になるため、非常に重要です。

一言メモ

契約解除の申し出に限らず、サブリース解約に関わる行動や連絡は、いつ・どのようなことをしたのかなどをできる限り形として残しておいたほうが良いでしょう。

⑦売却できるまでの管理体制を整える

サブリース契約が解約できたなら、次は売却の段階に進みます。

解約を検討していた時点から、売却完了までの管理体制を整備し、最適なタイミングと価格で売却できるように準備を進めておきましょう。物件の価値や市場動向をしっかりと把握し、効率的なマーケティングを計画することで早期の売却成功を目指すことが重要です。

サブリース解除の場合の注意点

サブリース解除の場合の注意点

サブリース物件を売却するためのポイントは、いかにサブリースをスムーズに解約できるかです。ここからは、サブリース契約を解除する場合の注意点を解説します。

  • 正当事由と認められないこともある
  • 立退料・違約金を支払うこともある
  • サブリース契約が買主に受け継がれる
  • 一般の物件よりも査定価格が低い

次に挙げる点をしっかり把握しておかなければトラブルに発展したり、思うようなタイミングで売却ができなかったりする可能性があるため、しっかりと押さえておきましょう。

正当事由と認められないこともある

サブリース解除が認められるのは、解除を求める正当な事由がある場合です。正当な事由に当たる例は下記になります。

解除を求める正当な事由
  • 自分(または親族など)がその物件を使用する
  • やむを得ず売却しなければならない理由がある
  • 老朽化などにより取り壊しが必要
  • 入居者に正当な立退料を支払う

上記の様な事由以外は、正当ではないと判断され、解約が認められない場合もあります。

立退料・違約金を支払うこともある

先述した通り、現在入居者のいるサブリース物件を解約する場合、入居者に退去を理解してもらうため、立退料を支払わなければいけないケースもあります。

また、サブリース契約の内容によっては途中解約することでサブリース会社に違約金を支払わなければならないこともあります。サブリース解約を進める前に、入居状況や契約内容の確認はマストです。

サブリース契約が買主に受け継がれる

前のセクションで述べたように、サブリース契約を継続したまま物件を売却すると、契約は現在の物件所有者から新しい所有者に移行します。

この点を購入者に対して適切に説明しないと、「説明が不十分だった」「事前の説明と異なる」といった誤解が生じ、それが大きなトラブルに発展する可能性があります。したがって、契約の詳細を十分に理解し、買主に対して明確に伝えることが重要となります。

一般の物件よりも査定価格が低い

サブリースの売却が難しい理由でも述べた通り、サブリース物件は一般の物件より査定価格が低いことを念頭に置いておきましょう。

物件の性質上どうしても利回りが低くなりやすいので、初期費用である物件の売却額を安くしないと購入希望者の目に留まらない可能性があります。

注意ポイント

不動産投資は最後に物件を売却して大きく利益を得るパターンがポピュラーですが、サブリース物件に関しては思うような売却益が見込めないかもしれません。

サブリース物件を高く売却するポイント

サブリース物件を高く売却するポイント

サブリース物件は一般的な相場より売却額が安くなりやすいことは確かです。ただし、できる限り高く得るための工夫を加えることはできます。

ここでは、サブリース物件を高く売却するためのポイントをご紹介します。

サブリース契約の解約を交渉してみる

サブリース物件を高く売るためのポイントは、契約を解除することです。サブリースを解約してしまえば、一般的な物件と変わりありません。その結果、サブリース特有の利回りの低さ問題も解決でき、相場をベースにした売却が見込めるでしょう。

サブリース契約の解約の交渉からはじめて解約手続きの記録を残しつつ、正しい手順を踏みながら交渉すれば、こじれることなく進められる可能性があります。

適切なタイミングでオーナーチェンジする

サブリース物件を高く売るためには、オーナーチェンジの適切なタイミングを見極めることも大切です。

たとえば、物件に空室があるよりもすべての部屋に入居者がいる状態の方がフルに家賃を見込めて売却につながりやすいといえます。

一言メモ

サブリース物件を売るときも市場の動向や競合物件の状況などを確認し、物件の値があがりそうな時期を狙うのは大切です。

価格査定を複数社で行う

物件を売却する際、適切な価格を設定するためには物件の査定を受ける必要があります。この査定を複数の会社で行うことは、高く売るための重要な戦略です。

一社だけの査定結果に基づいて売却額を決定してしまうと、もしその結果が市場価格より低かった場合、それに気づく機会を逃してしまいます。物件価格は地域やその他の要素によって大きく変動するため、少なくとも2社以上、できれば3社以上の不動産会社から査定を受けることで、より客観的な判断が可能となります。

サブリースに精通した不動産会社に依頼

サブリースに精通した不動産会社に売却を依頼することも大切です。サブリース物件はこれまで紹介してきた通り、一般的な物件の売却とは異なる部分に気を配る必要があります。

これまでサブリース物件を多く取り扱ってきた不動産会社であれば、スムーズに手続きをし売却を成功させるためのノウハウも得ているはずです。こうしたサブリースに強い不動産会社を利用することで、より良い条件でのサブリース物件売却も可能でしょう。

サブリース物件の売却なら弊社にお任せ

サブリース物件の売却はアデプトマネジメントにお任せ

サブリース物件の売却について、大体の流れやポイントは理解できたものの、自分で手続きを進めるには不安があるという人もいるでしょう。サブリース物件の売却をスムーズに進めたいなら、アデプトマネジメントの利用がおすすめです。

アデプトマネジメントは大阪に本社を構えており、全国規模で事業を展開する不動産会社です。不動産の買取や売却、仲介、賃貸管理、運用コンサルなど、幅広い事業に精通しています。そのほかにも、サブリース物件の売却についても経験豊富です。

豊かな実績と蓄積された確かなノウハウで、お客様のニーズにぴったりマッチしたサービスを提供します。サブリース物件の売却を行うためには、契約を維持するか否かという部分から考える必要があります。そのうえで適切な手順を踏み、できる限り高く売却できるような工夫をしながら進めることが大切です。

特に、解約時などにトラブルが発生しやすいパターンでもあるため、信頼できる不動産会社を味方につけながら進めていきましょう。アデプトマネジメントでは、サブリース物件の売却をお手伝いいたします。ぜひ一度お気軽にお問い合わせフォームからご連絡ください。

この記事の編集者

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アデプトマネジメント編集部

【宅地建物取引業】大阪府知事(2)第59728号
【賃貸住宅管理業】国土交通大臣(1)第002807号

アデプトマネジメントではお客様のお悩み解決の為に不動産に関わる有益な情報を発信しております。弊社代表の髙橋は約20年に渡り売買・賃貸仲介・管理・投資等の不動産業務に携わってきました。その経験を活かし、不動産業務全般のご相談に対応可能です。投資用マンションの売却査定もお任せください。